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異世界に転生したら

将来の夢に向かって

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そうこうして、毎日ほのぼのと過ごしていた。
兄達は学園に行き、学生寮に入っているため休みの日にしか帰ってこない。
だから、自宅の屋敷には父と母、私と弟の4人及び使用人しかいない。

私も3歳になり、弟がこの度産まれたんだ。
可愛いよね。
私も姉になったよ。

でも、女の子は私だけだから、可愛がられてます。
元々子煩悩な両親だから、なおさらなんだけど……

兄達の休みで帰宅してきた時は頼んで文字を教えてもらい、いない時は母や父、執事や侍女達に教えてもらっていた。
前世でも勉強嫌いじゃなかったし、どうせなら自分で読めたり情報をたくさん得た方が良いから。
かと言って、いきなり3歳児が難しい本を読んだり、調べたりしたら怪し慣れると思うんだ。
だから、絵音の読み聞かせを散々せがんで文字を覚え、父や母に内緒でお家の図書室に籠もって読んだりもしてたんだ。

家族の皆んなは、絵本や絵画などが好きで見に行ってるぐらいにしか思ってないだろうなぁ……
実際は歴史書や地理、植物学。薬学とかいろんな分野を読みあさってる。
で、お部屋に持って帰る本は絵本とか絵画集みたいな物にしてる。
この世界は魔法も使えるみたいで、魔法書も読んでいた。

執事や侍女には絵画集で気になる事を聞いたり、その国についてや言葉や植物などをあたかも子供の『興味があります』みたいなそぶりで聞きに行く。ついでに淀の国ではどんな言葉になるのかなど素朴に聞いて……
外国語も早くから勉強しとくといいと思うんだ……ってノリで…

だから、結構博識になってきてる感じがする。
(自己満足だけかもしれないけどね)

父の仕事場にも時々ついて行って、剣術の稽古などを見学していた。

私の将来の夢は『女性剣士』『女性騎士』なんだ。
転生前の時憧れてて、『○○○○○の薔薇』みたいな感じ。
カッコいい女性なんだよね。
で、祖父がたまたま剣術の有名な師範で、刀は憧れの物とは形が違うけど、教えてもらっていたんだ。
結構いいところまでいってたのよね……
だから、見学時はすごく強くて、ただの体力押し切りの騎士ではなく、相手の力を上手に使ってその上をいく騎士達の剣技を見ていたんだ。
あの間合いは……とか、あそこはこうすれば……でも、女性ならこうかなぁ……なんて1人ぶちぶち言いながら……

母も剣術は凄腕らしく、母に勝てるのは父ぐらいだと言っていた。
そうだ、母に今度相談してみよう。『護身用に習いたい』って言ったら許可してくれるかもしれない。
そうすれば、兄達にも教えてもらえるし……

この前、兄達が帰ってきた時お願いして乗馬を教えてもらったんだ。
そんな話を叔父である国王に母が楽しく話してたら、誕生日プレゼントにって白い毛並みの牝馬をプレゼントされたんだ。そしたら、両親が乗馬セットをプレゼントしてくれて、現在練習中。

父に『将来は女性騎士になる!』って言ったら、変な顔してたなぁ……母は『良いんじゃない』って応援してくれたんだけどね。だから、体力もつけないと……と思って、敷地内のお庭も走っているんだ。
所詮3歳児の走りだからね、程が知れてるけど……でも、頑張るぞ。
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