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時は過ぎ
幸せに
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それからは怒涛の毎日だった。
カイル、グレイス家族の協力のもと、亜希子の婚儀に向けて着々と準備を進める。
亜希子は戦場下で逃げ惑い、この世界に飛ばされて来たと言っていた。
ナディル殿下に助けられ、護られて、愛された。
番として求められたのもあるだろうが……
そして、神の配慮か悪戯か、私との再会。
本来の年齢差とかなりかけ離れ、兄と呼ばれるのはどうか……という状況下になったが、妹をを守るために色々としてやりたい。
自分が使える全てを使って……
今、亜希子は私ととカイルが準備したベールを被り、グレイス達が準備した真白なドレスを着て彼のもとへ歩いている。
綺麗だ。父や母、もう1人の妹にも見せてやりたかった……
見せれない分、自分の目に焼き付けよう……
皇族の挙式に使われる教会の様な建物。
紅い絨毯が敷かれ、外には近衛騎士達が整列し、会場内の祭壇には司祭長が待っている。
会場内は皇帝陛下や皇族方。そして、私とカイル。グレイスの家族が座って見守っている。
勿論、アルフォンスの家族、イザベラの家族も同席だ。身内だからね。
亜希子のいく先には式典用の軍服に身を包んだナディル殿下がいる。
彼の元に向かって歩いていく。
色んな事を思い出し涙が出てくる。亜希子もそんなふうに見える。
彼の手を取り、壇場へ。
祝福の言葉をききながら、誓約を結ぶ。
絶えず愛おしそうに見つめるナディル殿下にベールを持ち上げられ、誓いの口づけ。
鐘の音が響き渡り、キラキラと輝くものが降り注がれた。
神の祝福か………
亜希子、幸せに……心から祝うよ。
色んな事を思い出す。
この世界にやってきて、カイルに翻弄され、愛された。
家族を失ったと思っていたら、亜希子と再会した。
思わず涙がこぼれた……
カイルにそっと抱きしめられ、涙を唇で拭われた。
「アキ……愛している。これからもずっと……一緒に幸せになろう。家族と共に幸せになろう。亜希子達も応援しながら……愛しているよ。」
「カイル…私を見つけてくれて、助けてくれて………ありがとうございます。これからも、よろしくお願いし……」
最後まで言えなかった。
カイルに抱きしめられ、口づけられた。
青空が広がり、鳥が舞う。
亜希子とナディル殿下の婚儀が無事終わり、喝采の中、馬車に乗り込み民衆の前を行く2人。
道端に多くの方々が見守り、手を振り喜んでくれている。
私も、この国の為に何かしよう。カイルを助ける努力をしよう。
亜希子達の幸せを応援しよう。
家族の幸せを護ろう。
そして、カイルと共に幸せになろう………
幸せな日が続き、やがて亜希子に子供ができ、家族が増えた。
庭先に亜希子の子供達が走り回っている。
まだ、小さいが……亜希子に似た子とナディル殿下にに似た子。
可愛い
「アキ?」
「カイル。今までありがとうございます。」
「どうした?」
「いえ、幸せだったなぁ……と思いまして……」
「疲れたのですか?ベットに戻りますか?」
この所、少しのことで直ぐに体調を崩すことが増えた。
年齢的なものもあるのだろう……
ソファーにもたれるように座り、外を眺める。
「亜紀様?」
「亜希子、子供達が呼んでますよ」
庭で遊んでいた亜希子の子供達が亜希子を呼んでいる。花をつんだようだ……
亜希子が子供達のもとにかけていく。
幸せそうでよかった。
幸せだった。 ありがとう………
瞼が重い。身体の力が抜けていく。
…………………
父上、母上。サチ………
3人のもとにかけて行く。
幸せでした。亜希子も幸せそうですよ………
亜希子が子供達から花を受け取り、私の元に持ってきた…………
パタンと胸元に置いていた右手が落ちる……
「兄様………………」
「ア………キ…………」
家族が見守る中、私はこの世を去った。
家族の幸せを、国の幸せを……また現れるだろう異世界からの渡り他人を心配して……
******Fine*******
このお話を読んでくださり、ありがとうございました。
この出会いに感謝いたします。
カイル、グレイス家族の協力のもと、亜希子の婚儀に向けて着々と準備を進める。
亜希子は戦場下で逃げ惑い、この世界に飛ばされて来たと言っていた。
ナディル殿下に助けられ、護られて、愛された。
番として求められたのもあるだろうが……
そして、神の配慮か悪戯か、私との再会。
本来の年齢差とかなりかけ離れ、兄と呼ばれるのはどうか……という状況下になったが、妹をを守るために色々としてやりたい。
自分が使える全てを使って……
今、亜希子は私ととカイルが準備したベールを被り、グレイス達が準備した真白なドレスを着て彼のもとへ歩いている。
綺麗だ。父や母、もう1人の妹にも見せてやりたかった……
見せれない分、自分の目に焼き付けよう……
皇族の挙式に使われる教会の様な建物。
紅い絨毯が敷かれ、外には近衛騎士達が整列し、会場内の祭壇には司祭長が待っている。
会場内は皇帝陛下や皇族方。そして、私とカイル。グレイスの家族が座って見守っている。
勿論、アルフォンスの家族、イザベラの家族も同席だ。身内だからね。
亜希子のいく先には式典用の軍服に身を包んだナディル殿下がいる。
彼の元に向かって歩いていく。
色んな事を思い出し涙が出てくる。亜希子もそんなふうに見える。
彼の手を取り、壇場へ。
祝福の言葉をききながら、誓約を結ぶ。
絶えず愛おしそうに見つめるナディル殿下にベールを持ち上げられ、誓いの口づけ。
鐘の音が響き渡り、キラキラと輝くものが降り注がれた。
神の祝福か………
亜希子、幸せに……心から祝うよ。
色んな事を思い出す。
この世界にやってきて、カイルに翻弄され、愛された。
家族を失ったと思っていたら、亜希子と再会した。
思わず涙がこぼれた……
カイルにそっと抱きしめられ、涙を唇で拭われた。
「アキ……愛している。これからもずっと……一緒に幸せになろう。家族と共に幸せになろう。亜希子達も応援しながら……愛しているよ。」
「カイル…私を見つけてくれて、助けてくれて………ありがとうございます。これからも、よろしくお願いし……」
最後まで言えなかった。
カイルに抱きしめられ、口づけられた。
青空が広がり、鳥が舞う。
亜希子とナディル殿下の婚儀が無事終わり、喝采の中、馬車に乗り込み民衆の前を行く2人。
道端に多くの方々が見守り、手を振り喜んでくれている。
私も、この国の為に何かしよう。カイルを助ける努力をしよう。
亜希子達の幸せを応援しよう。
家族の幸せを護ろう。
そして、カイルと共に幸せになろう………
幸せな日が続き、やがて亜希子に子供ができ、家族が増えた。
庭先に亜希子の子供達が走り回っている。
まだ、小さいが……亜希子に似た子とナディル殿下にに似た子。
可愛い
「アキ?」
「カイル。今までありがとうございます。」
「どうした?」
「いえ、幸せだったなぁ……と思いまして……」
「疲れたのですか?ベットに戻りますか?」
この所、少しのことで直ぐに体調を崩すことが増えた。
年齢的なものもあるのだろう……
ソファーにもたれるように座り、外を眺める。
「亜紀様?」
「亜希子、子供達が呼んでますよ」
庭で遊んでいた亜希子の子供達が亜希子を呼んでいる。花をつんだようだ……
亜希子が子供達のもとにかけていく。
幸せそうでよかった。
幸せだった。 ありがとう………
瞼が重い。身体の力が抜けていく。
…………………
父上、母上。サチ………
3人のもとにかけて行く。
幸せでした。亜希子も幸せそうですよ………
亜希子が子供達から花を受け取り、私の元に持ってきた…………
パタンと胸元に置いていた右手が落ちる……
「兄様………………」
「ア………キ…………」
家族が見守る中、私はこの世を去った。
家族の幸せを、国の幸せを……また現れるだろう異世界からの渡り他人を心配して……
******Fine*******
このお話を読んでくださり、ありがとうございました。
この出会いに感謝いたします。
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