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近寄っていく心
忘れさせて
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ふと目が覚めた。
あの事は夢だったのか……そう思いたい。
ゆっくりとベットから起き上がろうとするが、ふらついてしまう。
「アキ、起きたのですか?」
カイルが寝室の扉を開けて走ってきた。
「体の調子はどうですか?痛いところは?」
「カイル?」
「アキが急に居なくなって心配しました。助け出せて良かった。」
そう言って、首元に付けられている飾りを触る。
今まで付けていたものに、少しだけ違和感が……何か追加した?
「何か変えた?」
ニコニコしながら
「あぁ、少し追加しただけですよ。私以外に外せないように…」
そういえば、何故かわからないが、この前のはガラに外された。
あんな事をした奴だ。『様』付けなんてするもんか…
だが、どうやって外したんだろう…外れないはずだったのに…
「奴も魔力研究に熱心で、古代魔法も研究していたようです。まさか外す方法を知っていたとは……だから、より精密に特殊な物を追加しました。」
「外す方法?」
「作ったのは私だったので、私の血液と髪、あと古代魔法とその他で作った秘薬を用いたみたいですね。もうそれは通用しませんが」
少し黒い笑みが見えたが、一瞬ですぐに普通の笑顔になった。
「古代魔法で作られた鏡も破壊しましたし…確かあれは最後の一つの鏡だったはず…おかげでアキを見つけ出すのに時間がかかりました。申し訳ありません。護と誓ったのにあんな目に合わせてしまった。もっと報復したかったのですが……国がからみましたので、あの国を滅ぼすまでは出来ませんでした………まぁ、しばらくは我が国の監視下で存続となるのですがね…」
へっ?国を滅ぼす?確かに拉致されてあんな事をされたから、助け出すのに色々あると思うが…国を滅ぼすほどでも無いと思うが…
「アキを拉致した者達や不届きな事をした者は全てこの世から抹殺しましたので…」
『もっと惨たらしくやればよかったと思いますよ……怒りで瞬殺してしまいましたから……』
カイルが小声で呟いたが、聞き取れなかった。
「ガラのいたアルメリア国は軍事国家で、近隣の国々を戦力で吸収していたのです。我が国も狙ったようで……私の弱点でもあるアキを拉致して私の力の暴走で我が国を窮地に陥れたかったみたいですね。確かに少しやばかったのですが………我が国の暗部部隊の情報とアキが私を呼んでくれたから……」
カイルが私を抱きしめる。
「あんな奴らにアキを……」
思わず、思い出したく無い事を思い出し、頬には涙が伝っていた。
自分自身を無意識に抱きしめ、震えていた私を労わるように……
抱きしめてくれたアキの服を握り締めた。
「カイル…………」
カイルが耳元で呟く
「アキ…愛しているよ…だから…」
涙を唇で拭い、頬を伝い、唇を貪られた。
「私が忘れさせてあげる。私に溺れて…愛しているよ…私のアキ……」
喘ぎ声までも奪うように貪られ続け、翻弄する……
カイル………忘れさせてくれ…………
あの事は夢だったのか……そう思いたい。
ゆっくりとベットから起き上がろうとするが、ふらついてしまう。
「アキ、起きたのですか?」
カイルが寝室の扉を開けて走ってきた。
「体の調子はどうですか?痛いところは?」
「カイル?」
「アキが急に居なくなって心配しました。助け出せて良かった。」
そう言って、首元に付けられている飾りを触る。
今まで付けていたものに、少しだけ違和感が……何か追加した?
「何か変えた?」
ニコニコしながら
「あぁ、少し追加しただけですよ。私以外に外せないように…」
そういえば、何故かわからないが、この前のはガラに外された。
あんな事をした奴だ。『様』付けなんてするもんか…
だが、どうやって外したんだろう…外れないはずだったのに…
「奴も魔力研究に熱心で、古代魔法も研究していたようです。まさか外す方法を知っていたとは……だから、より精密に特殊な物を追加しました。」
「外す方法?」
「作ったのは私だったので、私の血液と髪、あと古代魔法とその他で作った秘薬を用いたみたいですね。もうそれは通用しませんが」
少し黒い笑みが見えたが、一瞬ですぐに普通の笑顔になった。
「古代魔法で作られた鏡も破壊しましたし…確かあれは最後の一つの鏡だったはず…おかげでアキを見つけ出すのに時間がかかりました。申し訳ありません。護と誓ったのにあんな目に合わせてしまった。もっと報復したかったのですが……国がからみましたので、あの国を滅ぼすまでは出来ませんでした………まぁ、しばらくは我が国の監視下で存続となるのですがね…」
へっ?国を滅ぼす?確かに拉致されてあんな事をされたから、助け出すのに色々あると思うが…国を滅ぼすほどでも無いと思うが…
「アキを拉致した者達や不届きな事をした者は全てこの世から抹殺しましたので…」
『もっと惨たらしくやればよかったと思いますよ……怒りで瞬殺してしまいましたから……』
カイルが小声で呟いたが、聞き取れなかった。
「ガラのいたアルメリア国は軍事国家で、近隣の国々を戦力で吸収していたのです。我が国も狙ったようで……私の弱点でもあるアキを拉致して私の力の暴走で我が国を窮地に陥れたかったみたいですね。確かに少しやばかったのですが………我が国の暗部部隊の情報とアキが私を呼んでくれたから……」
カイルが私を抱きしめる。
「あんな奴らにアキを……」
思わず、思い出したく無い事を思い出し、頬には涙が伝っていた。
自分自身を無意識に抱きしめ、震えていた私を労わるように……
抱きしめてくれたアキの服を握り締めた。
「カイル…………」
カイルが耳元で呟く
「アキ…愛しているよ…だから…」
涙を唇で拭い、頬を伝い、唇を貪られた。
「私が忘れさせてあげる。私に溺れて…愛しているよ…私のアキ……」
喘ぎ声までも奪うように貪られ続け、翻弄する……
カイル………忘れさせてくれ…………
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