異世界で囲われた?!

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これがいわゆる異世界転移?

取り敢えず…

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いきなり現れた集団に促され、僕達は馬に乗せられて大きな建物まで連れてこられた。
幼少時、両親に連れて行かれて乗ったことのある馬よりも、はるかに大きい。
競馬場とかは行った事ないが、サラブレッドと呼ばれる馬達よりも大きい気がした。
筋肉の厚みにしろ、体格にしろだ。

馬も大きかったけれど、騎士という職種柄なのか、迎えに来たという男達も大きかった。
一番低そうな騎士でも百八十センチはありそうだ。
日本人は基本外国人より背が低いが、それでも近年は背の高い者達も多い。
俺は平均よりやや高いかなぁ?よくよく見ると、この騎士達の一番低い人とひど変わらない気がする。
兄よりは低い俺だが、これでも百八十センチはあるんだ。ごめん、嘘です。百七十九センチです。
一センチぐらいサバ読んでも良いじゃ無いか。

で、馬車での迎えではなかったから、俺も姉もそれぞれの前に座らされて抱き抱えられる感じでここまで来たんだ。
長距離を走った訳でも無いけれど、久しぶりの乗馬のせいか…うん、お尻が少し痛いよ。
次からは別の移動でお願いしたいぐらいだ。

でも、考えようによったら、乗馬必須なら何処かで練習させてもらえないかなぁ~なんて考えもよぎった。
あくまで過っただけだ。期待しても叶わないことなんて、この世ではいくらでもあるからなぁ。
この世界ではどうだか知らないけれど、多分そうじゃね?

大きく、そして高く白い外壁から中に入ると、どこの庭園だ??って思うぐらいの大きな庭とも思える物が見えた。
この城?に仕えている者達が甲斐甲斐しく姉の方に群がる。
もう本当に群がるだ。どこかの芸能人?いゃ、アイドルを前にして群がる集団の如くで、あれよあれよと姉は別室に連れられて行った。

「『聖女』認定?あの姉が?なら俺は何だ?『従者枠』?」
「ご主人様は…何でしょうかねぇ~」

姿を消していたカノンが僕の側にいた。
足元にまとわりつくようにスリスリしている。うん、可愛いんだけどさぁ…

「カノン、シオンは?」
「シオンは姉君の方に、沙也加(さやか)様の方に付いています。ほら、僕達どちらかが付いていた方が安心でしょう?」

そう言って、毛繕いし出した。
もう自由気ままな猫だよ。猫だから仕方ないか…

「ちなみに、僕達はこの世界では神獣です。他の人とも会話出来ないこともないけれど、あえて普通の猫のフリをしています。僕達の言葉は現在ご主人様方と、ご主人様が信頼できる者にしか聞こえないようにしています。猫の鳴き声としか認識できないようにね。」
「じゃ、今はニャーニャー言ってるようにしか側からは聞こえないのか。なら俺の独り言みたいだな。」
「言葉が理解できていそうな賢い猫ぐらいの判定では?」

今僕に与えられている部屋で、猫と戯れているのを見守られてる感がすごい。
ホテルの従業員のような男性にあれこれと世話を焼かれている。
この城の侍従らしい。
侍従という職種の人と初めて接したよ。ほんと、ホテルの従業員って感じで動きがスマートで、テキパキとするべき事をしている感じだ。
で、あの時の黒服騎士は、ドアの側に立っているんだけどね…

風呂を勧められて、何とか手伝ってもらってこの世界の今着てる服に着替えての現状…
入浴派手伝わさなかったよ。もう少しで全部やられそうになったけれど、断固拒否。
使い方を教えてもらって自分で入って洗った。
大きな風呂で驚いたけれど、ゆったりはできた。
風呂はいいよなぁ~。下着はボクサーパンツに似た感じで、ゴムはないからそこは紐で縛る感じだ。シャツは向こうの世界の物より少しごわついているが、まぁ悪く無い。で、それ以外のがよくわからなくて、そこから呼んで手伝ってもらったんだ。

ふぅ~と一息ついてくつろげる椅子に座る。うん、座り心地いいよ。
さて、そろそろ説明あっても良く無い?それに、姉の事も気になるし…
あまり放置されるなら、俺から聞くのもありか?

もう少し様子見か…

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