番いになんてなりたくない！(byリリィ)

色々と

……

ウィル亡き後、遺体の入っていない棺を祭壇に置き、国葬にするか、密葬にするかで議論した。
まだはっきりしていないからと、渋る私……

普通に考えて、生きている事は……ゼロに近い。
でも……

生きてて欲しい…
それに、双子であるからか、片割れであるウィルがこの世にいない……とは思えなかった。
それに、こんな時ではあるが、私に婚姻を求めてくる…というか、ほぼ決定みたいに父上に言ってきたあの男。

人外のくせに、何故隣国の国王なのよ。
信じらんない！！

そうブツブツと呟きながら、自室に向かう。

「リリィ、私を呼びましたか？」
「呼んでないわよ！！」
「ふふっ、つれないですね。」

いきなり現れたこの男が、わたしの耳元で呟いて来た。
何とも掴みどころがないこの男。
光の神でありながら…

確かに、ウィルの件で手伝ってもらったけど…

ウィルが、瓦礫の下に埋れながらの別れで、泣き崩れた時に、慰めてくれたけど…
なんで隣国の国王なのよ。
お忍びでこの国にやって来て、ウィルの件で手助けし、私と知り合って、求愛中みたいに父上や兄上達に話すなんて……
是非王妃として迎えたいと言ってくるなんて…
父上達が断れないように、何やら話してもいた……

それが、この男だ。

確かに美丈夫だし、高身長。スラリとしているにに、程よい筋肉がついてて、引き締まり……
いやいや…そうじゃなくって……

王族や皇族からしても、優良物件…
じゃなくて～～～～～～


ゼイゼイと肩で息をする。
自分で自分を突っ込んだよ。

ゼネスト・カルム・ブレイド
ブレイド王国の王であるこの男。

「で、神が何で王なのよ。可笑しいでしょ！！」
「そうか？まぁ、そんなこともあるよ。気にしない。」
「………」
「結婚して、妻になったら。王妃になったら教えるよ。」
「怪しい……それよりも、ウィルが生きてるって、本当なの？」

私を抱きしめ耳元で呟いて来たセリフ。
『貴方の片割れが、戻って来ますよ』

戻ってくるだけなら、遺体の可能性もある…が、この男が笑顔でそういうなら…
生きてる……
そんな気がして、そう問いただした。