番いになんてなりたくない！(byリリィ)

色々と

国に戻り…

あれから、ルゼリア皇国にもどり、皇帝であり、父親でもあるエドワード・ルゼリアに私から報告した。
見たこと全て……
闇落ちしたウィル。

身体を乗っ取られ、それでも争うように一瞬自我を戻して……

クロさんがウィルを挿し貫いた件は、不問となった。
本来ならば、主人である皇子を殺害したとして、極刑に処されても仕方ない。
が、ウィル自身から……そして、国民を国を守るために…
だから、この処遇だ。

ガルディアン大陸に位置する大国の皇子の死去。
認めたくない。
亡骸を連れて帰った訳でもないし、最後まで見た訳では……
もしかしたら……誰かの助けで、生きてるかも……
そう思いたい……
かなり絶望的なんだけど……

母は泣き崩れ、父が支えている。
兄達も、涙に暮れた……

でも、やはりと納得できない心情もあり、先ぶれで報告した後、極秘で情報を集めているようだ。
私も、あの場面に遭遇したが……
犬達に命じて情報を集めるも……いい報告は集まってこなかった。
ただ、奴だけが、何か知っているようだったが…

城の客室に案内された男は、何故か隣国の国王だった。
神域にも行けて、神族で、人間の…隣国の国王とはどういう事だ？

ふとそんな事を考えてしまった。

報告を終え、いったんクロさん達は席を外し、家族間で話し合う事になるが…
クロさん、大丈夫だろうか…
ウィルの希望もあるから、無茶はしないと思うが…

心配だから、神獣を呼んで、彼の側につかせた。
気がつくかどうかは、今の彼ではわからないが…

後ろ髪ひかれながら、父達と今後について話すことにした。