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学院生活
夢の同調
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「やめて……うっ……」
また、夢を同調しているようだ。
ウィルの両手首を鎖で繋がれて、足は地についているが、吊るされるようにされている。
それも鎖で繋がれた状態でだ。
「殿下がお暴れになられるからです。素直に我らの言う通りにしていただき、受け入れられたら、このような手荒真似をする必要はなかった。」
微笑みながら、ウィルに近づいてくる。
あいつが、ウィルを拘束してるのか?許せない!!
「やめろ……来るな……」
はぁはぁと、洗い息をしながらも、相手を睨みつけるウィル。
大丈夫か?心配で近づきたいが、夢の世界なので上手くいかない。
「誰が受け入れられるか……このような事……」
ウィルの身体を上から下へと舐めるように見ている。
やめろ!けがわらしい!
ついつい前世の男の部分が出てくる。
「神聖な儀式の前、殿下の身体に傷が付いてはいけないのに、このような傷が……」
そう言いながら、ウィルの体の至る所についている擦り傷の一部、首筋の傷を舐めた。
「くっ……」
「ふふっ、貴方にはこれを飲んでいただくことにしましょう。そして、これを付けていただく。」
先に首輪のようなものを付けられている。
鎖は付いていないが、これは……
「やめろ……やめてくれ……」
出来るだけ力を振り絞り、拒否しようとするも、たいした抵抗にはなっていない。
私はただ、見ているしかできない……
「これが何かご存知なのですね。そう、貴方が逃げれないように、そして神の物として皆に与えるための物。ほんの少し欲情するだけですよ。10時と22時の儀式の時間に。」
「何が神のためだ……このような物、外せ!!」
「無理ですね。これは特殊な物。おいそれとは外れません。ご存知でしょう?さて、次はこれを。」
そう言いながら、彼の後ろに控えている者に鎖を緩められれながら、ウィルが押さえ込まれる。
無理やり顔を上に向けられ、ロート状の先のついた物を口に差し込まれ、無理やり液体を注ぎ込まれた。
むせるのもお構いなしに、飲まされて…
「殿下、もう少ししたら、薬が効いてきます。そうしたら、鎖は解いて差し上げますよ。それでは、しばしお休みください。私がついておりますので、その間に治癒の術で傷を消しましょうね。」
そう言うと、鎖を戻され、また吊るされた状態になる。
身体のあちこちを撫でまくられ、痛みと共に傷も消えていったようだ。
神官職なのか、癒しの力を持っているようだ。
しかも、権力が強い…
「そうそう、最後まで抵抗されましたが、奴はもうこちら側ですよ。ふふっ、良かったですね。」
奴とは?多分クロさんのことか?
彼に何をした?
と言うか、あのクロさんを押さえ込むなんて、なんて奴だ!
「そうですね、これは未来に起こる事。」
ウィルの頬を撫で、唇を奪われている。
無理やりこじ開けられた口腔内に舌を入れられて……
「ふふっ、薬が効いてきましたか?これが貴方の未来。逃しませんよ……」
ウィル…助けてあげたいのに、見ているだけで何もできない!!悔しいよ……
「起きなさい。リリィ!!」
身体を揺さぶられ、目が覚める。
シロさんに抱きしめられた。
頬に涙が伝わっていた。
「シロさん?」
「はい。殿下。お側にいます。」
「シロさん~~~~~~」
思わず抱きついて嗚咽した。
怖かった。怖かったんだ。
思い出した。あれは、ウィルがレダリア教に囚われて、傀儡にされてしまう未来。
あのルートにも行きたくない。行かせたくない!
嫌だ嫌だ嫌だ………
「殿下……我が君。私は側にいます。どんな時も御守りしますから。不安にならないで……悲しまないでください。」
「うん……シロさん。いつもありがとう。」
「好きで側にいるのです。私の望みを叶えていただいているのですから、お礼はいりませんよ。」
そう言って、膝の上に座らされ、抱きしめられる。
ホッとする。
ほら、まだ子供だから……
「落ち着かれましたか?」
「………」
「大丈夫ですよ。何か温かい物をお持ちします。」
「シロさん……もう少しだけ、側にいて…」
シロさんが、温かい目で見つめてくる。
怯えた幼子を護るように…
しばらく抱きしめられて、落ち着く。
そっと膝から下ろしてもらい、ベットでおとなしく待っていると、ホットミルクを持ってきてくれた。
いつものやつだ。
温かい………
気持ちも落ち着いて、外を見る。
まだ暗い。月明かりが少し差し込んでいるだけだ。
城下にでて、ウィルと会話した。それがきっかけで、不安が悪夢を呼び、これから起こるかもしれない未来視が夢となって出てきたのか……
どこまでも、ウィルに対して、不吉な未来ばかり夢で見る。
ウィルが不幸になるための「番」はまず嫌だ。
いくら求められても逃げ切りたいし、逃したい。
いくらモブ扱いでも……
ゲーム状で、いろんなルートがあった。
その各ルートでいろんな「番」とされた。
その物達の「番」となりたくないから、そして、不吉なフラグを折りたいから……
国、国民、家族、自分が幸せになりたいから、ウィルを守りたくて頑張っているのに……
未来は一つじゃない。選択さえ間違えなければ…そうしていけば、きっと……
実際に、クロさんはウィルの側にいてくれているし、私の側にシロさんもいる。
これらは、ゲームと違ってきてるんだ。
『犬』と呼ばれてるけど、過去は敵国の者達が、今は私達の仲間。
だから、きっと大丈夫……
さっきの夢のようにならない……なりたくない…
「リリィ、まだ早い。もう少し寝た方がいい。側にいますから。」
シロさんに促され、夢の世界に旅立つ。
今度はいい夢をみれますように……
そして、あの夢に対しての対策を起きてから考えよう…
また、夢を同調しているようだ。
ウィルの両手首を鎖で繋がれて、足は地についているが、吊るされるようにされている。
それも鎖で繋がれた状態でだ。
「殿下がお暴れになられるからです。素直に我らの言う通りにしていただき、受け入れられたら、このような手荒真似をする必要はなかった。」
微笑みながら、ウィルに近づいてくる。
あいつが、ウィルを拘束してるのか?許せない!!
「やめろ……来るな……」
はぁはぁと、洗い息をしながらも、相手を睨みつけるウィル。
大丈夫か?心配で近づきたいが、夢の世界なので上手くいかない。
「誰が受け入れられるか……このような事……」
ウィルの身体を上から下へと舐めるように見ている。
やめろ!けがわらしい!
ついつい前世の男の部分が出てくる。
「神聖な儀式の前、殿下の身体に傷が付いてはいけないのに、このような傷が……」
そう言いながら、ウィルの体の至る所についている擦り傷の一部、首筋の傷を舐めた。
「くっ……」
「ふふっ、貴方にはこれを飲んでいただくことにしましょう。そして、これを付けていただく。」
先に首輪のようなものを付けられている。
鎖は付いていないが、これは……
「やめろ……やめてくれ……」
出来るだけ力を振り絞り、拒否しようとするも、たいした抵抗にはなっていない。
私はただ、見ているしかできない……
「これが何かご存知なのですね。そう、貴方が逃げれないように、そして神の物として皆に与えるための物。ほんの少し欲情するだけですよ。10時と22時の儀式の時間に。」
「何が神のためだ……このような物、外せ!!」
「無理ですね。これは特殊な物。おいそれとは外れません。ご存知でしょう?さて、次はこれを。」
そう言いながら、彼の後ろに控えている者に鎖を緩められれながら、ウィルが押さえ込まれる。
無理やり顔を上に向けられ、ロート状の先のついた物を口に差し込まれ、無理やり液体を注ぎ込まれた。
むせるのもお構いなしに、飲まされて…
「殿下、もう少ししたら、薬が効いてきます。そうしたら、鎖は解いて差し上げますよ。それでは、しばしお休みください。私がついておりますので、その間に治癒の術で傷を消しましょうね。」
そう言うと、鎖を戻され、また吊るされた状態になる。
身体のあちこちを撫でまくられ、痛みと共に傷も消えていったようだ。
神官職なのか、癒しの力を持っているようだ。
しかも、権力が強い…
「そうそう、最後まで抵抗されましたが、奴はもうこちら側ですよ。ふふっ、良かったですね。」
奴とは?多分クロさんのことか?
彼に何をした?
と言うか、あのクロさんを押さえ込むなんて、なんて奴だ!
「そうですね、これは未来に起こる事。」
ウィルの頬を撫で、唇を奪われている。
無理やりこじ開けられた口腔内に舌を入れられて……
「ふふっ、薬が効いてきましたか?これが貴方の未来。逃しませんよ……」
ウィル…助けてあげたいのに、見ているだけで何もできない!!悔しいよ……
「起きなさい。リリィ!!」
身体を揺さぶられ、目が覚める。
シロさんに抱きしめられた。
頬に涙が伝わっていた。
「シロさん?」
「はい。殿下。お側にいます。」
「シロさん~~~~~~」
思わず抱きついて嗚咽した。
怖かった。怖かったんだ。
思い出した。あれは、ウィルがレダリア教に囚われて、傀儡にされてしまう未来。
あのルートにも行きたくない。行かせたくない!
嫌だ嫌だ嫌だ………
「殿下……我が君。私は側にいます。どんな時も御守りしますから。不安にならないで……悲しまないでください。」
「うん……シロさん。いつもありがとう。」
「好きで側にいるのです。私の望みを叶えていただいているのですから、お礼はいりませんよ。」
そう言って、膝の上に座らされ、抱きしめられる。
ホッとする。
ほら、まだ子供だから……
「落ち着かれましたか?」
「………」
「大丈夫ですよ。何か温かい物をお持ちします。」
「シロさん……もう少しだけ、側にいて…」
シロさんが、温かい目で見つめてくる。
怯えた幼子を護るように…
しばらく抱きしめられて、落ち着く。
そっと膝から下ろしてもらい、ベットでおとなしく待っていると、ホットミルクを持ってきてくれた。
いつものやつだ。
温かい………
気持ちも落ち着いて、外を見る。
まだ暗い。月明かりが少し差し込んでいるだけだ。
城下にでて、ウィルと会話した。それがきっかけで、不安が悪夢を呼び、これから起こるかもしれない未来視が夢となって出てきたのか……
どこまでも、ウィルに対して、不吉な未来ばかり夢で見る。
ウィルが不幸になるための「番」はまず嫌だ。
いくら求められても逃げ切りたいし、逃したい。
いくらモブ扱いでも……
ゲーム状で、いろんなルートがあった。
その各ルートでいろんな「番」とされた。
その物達の「番」となりたくないから、そして、不吉なフラグを折りたいから……
国、国民、家族、自分が幸せになりたいから、ウィルを守りたくて頑張っているのに……
未来は一つじゃない。選択さえ間違えなければ…そうしていけば、きっと……
実際に、クロさんはウィルの側にいてくれているし、私の側にシロさんもいる。
これらは、ゲームと違ってきてるんだ。
『犬』と呼ばれてるけど、過去は敵国の者達が、今は私達の仲間。
だから、きっと大丈夫……
さっきの夢のようにならない……なりたくない…
「リリィ、まだ早い。もう少し寝た方がいい。側にいますから。」
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