番いになんてなりたくない！(byリリィ)

調査です

父の呟き

「父上、これは……」
「ウィルとリリィが調べ上げたようだ。気候変動で、収穫量が減っているとはいえ、明かにおかしい。あと、急激な樹々の伐採の件だが」
「航海用の大型造船と、ある宗教関連の建物ですか……」
「それにしても、造船の発注も多すぎる。私の方の申請書は老朽化した神殿の建て直しとあったが、それは、あの宗教関連のようだ」
「ウィルを誘拐した……例のですね。」
「あぁ、それに関しては、貴族関係もどうも出資しているようだ。それに、隣国の動きも怪しい。」
「これは……」
「殿下、我が一族の者達も動かせています。ほぼ殿下方の報告と同じ報告が上がっているので、すぐさま手を打つ必要があるかと……」

大きくため息をつく。
それら及び、流行病の発生とは……2人が先に動いてくれたのはありがたいが、まだまだ小さな子供達だ。

「殿下達には素晴らしい人材が集まっているみたいですね。誰に似たのか……」
「ん？私の可愛い子供を、人たらしみたいに言わないで欲しいな」
「十分だと思いますが……奥様に似たのかも知れませんね」

妻はこの所体調を崩している。
今は療養で、彼女の故郷に戻っていた。
早く良くなって帰ってきて欲しい。
彼女のいない城の中は寂しいからな。

「彼女に心配をかけたくないしね。早急に対処しよう」
「そうですね、でないと、母上が改善しないまま帰城して、さらに体調崩しそうですしね……」

「議会に邪魔されないようにしないといけないね。五月蝿いハエどもが何かしそうだ……」
「そうですね」

そう言って、今後の対策を練り、指示を出した。
闇に葬れるものは、密かにそうしよう。
あくまでも、傀儡のふりをしながら、家族を国を守らないと……
この国の闇は深い。
少しでも減らせるように………そう配慮しながら……