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調査です
父の悩み
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「あの子達は、いったい………」
ウィルからの書状を読み、思わずため息が出た。
確かに、今までも色々とやっていたのは知っていたんだけど……
執務室のドアをノックする者に入室許可する。
「父上、お呼びでしょうか」
「あぁ、ウィルとリリィの件だが」
「あの2人、何かしたのですか?」
エドワード・ルゼリア。このガルディアン大陸に位置する大国、ルゼリア皇国の皇帝であり、ウィルことウィルバーンとリリィことリリアーナの父である。ウィルからの書状が届き、現在この城にいる息子達を呼ぶ。
皇太子であるエドモンド、第二皇子のエディオン。第三皇子のディーン。第一皇女のアリシアは隣国に嫁ぎ、第四皇子であるディオールは隣国に留学中だ。
第一専属執事兼護衛のジュドーは私の背後に控えている。
幼少からの幼馴染みであり、気心の知れている優秀な男だ。暗部組織も彼が率いている。
皇太子であるエドモンドことエドは私の政務を手伝いながら、下の2人を可愛がっている。
「あぁ、実は2人とも今、視察でクロランス領にいるようだが、どうもそこでトラブルが発生しているようだ」
「トラブルですか?いったい……」
エディオンことエディも、ディーンことディも一瞬表情をこわばらせた。
「この手紙によると、ここの所大幅な森林伐採が行われたためか、流行病が発生しているらしい。森林伐採に伴い、そこにいた生物や昆虫などが媒体になって、感染した可能性があるらしい。この国では見た事もないような症状らしいが、白の一族の協力と、リリィに仕えるブランの知識で対応してるらしい」
「それで?」
「うむ、この所の気候変動の影響による農作物の収穫減もあり、かなり厳しい状況で、これを放置すれば、我が国の利益や戦力まで削がれ、他国の侵略もありうるとのことだ。げんに、一部の怪しい動きも見られたので、救援を要請したいらしい。詳しい詳細はここにある」
そう言って、子供達に資料を開示した。私自身も、秘密裏に探っていたのだが、なにぶんうるさいハエどもがこの国に存在し、その始末に戸惑っていた。
皇帝ではあるが、昔からの名残で、貴族の中でも私服を肥やすために権力を誇示してくるものもいる。
子供達が自由に行動できるように抑えることしかできてない現状でもあった。
「父上、では、私が行きましょう。父上や兄上は動けない状態でも、私なら、スムーズに行動できる。それに、私の騎士団を連れて行けば、他国の牽制にもなるでしょうし」
「エディ、行ってくれるか?」
「お任せください。でも、この所、あの2人は良くも悪くもトラブルに巻き込まれてるようなんですが……帰ってきたら、お仕置きですね」
「まぁ、色んな事を知る事は、良い事なんだけどね」
思わず苦笑いしてしまう。
ジュドーの報告から、あの2人は普通の子供達と少し違っていた。
幼くも大人が読むような書物を読み漁り、官僚のようにいろんな事を調べ上げ、ハイレベルな魔道具も作り上げているとか……
幼い子供も心配だが、幼くして大人のような行動をするのも心配だ。
とりあえず、いつでも他に必要物資があればおくれるよう耐性を作っておこう。あと、もう一つの問題も解決する必要性がある。
ウィルの調べ上げた資料をこちら側からも再度確認し、処分を言い渡し対処する必要がある。
ディにエディのフォローをするよう指示し、退出させる。残ったエドに、もう1つの重要案件を伝え,
情報の確認をするよう指示。もちろん、ジュドーにも指示を出した。
ウィル、リリィ、無事に帰ってくるんだよ。
ウィルからの書状を読み、思わずため息が出た。
確かに、今までも色々とやっていたのは知っていたんだけど……
執務室のドアをノックする者に入室許可する。
「父上、お呼びでしょうか」
「あぁ、ウィルとリリィの件だが」
「あの2人、何かしたのですか?」
エドワード・ルゼリア。このガルディアン大陸に位置する大国、ルゼリア皇国の皇帝であり、ウィルことウィルバーンとリリィことリリアーナの父である。ウィルからの書状が届き、現在この城にいる息子達を呼ぶ。
皇太子であるエドモンド、第二皇子のエディオン。第三皇子のディーン。第一皇女のアリシアは隣国に嫁ぎ、第四皇子であるディオールは隣国に留学中だ。
第一専属執事兼護衛のジュドーは私の背後に控えている。
幼少からの幼馴染みであり、気心の知れている優秀な男だ。暗部組織も彼が率いている。
皇太子であるエドモンドことエドは私の政務を手伝いながら、下の2人を可愛がっている。
「あぁ、実は2人とも今、視察でクロランス領にいるようだが、どうもそこでトラブルが発生しているようだ」
「トラブルですか?いったい……」
エディオンことエディも、ディーンことディも一瞬表情をこわばらせた。
「この手紙によると、ここの所大幅な森林伐採が行われたためか、流行病が発生しているらしい。森林伐採に伴い、そこにいた生物や昆虫などが媒体になって、感染した可能性があるらしい。この国では見た事もないような症状らしいが、白の一族の協力と、リリィに仕えるブランの知識で対応してるらしい」
「それで?」
「うむ、この所の気候変動の影響による農作物の収穫減もあり、かなり厳しい状況で、これを放置すれば、我が国の利益や戦力まで削がれ、他国の侵略もありうるとのことだ。げんに、一部の怪しい動きも見られたので、救援を要請したいらしい。詳しい詳細はここにある」
そう言って、子供達に資料を開示した。私自身も、秘密裏に探っていたのだが、なにぶんうるさいハエどもがこの国に存在し、その始末に戸惑っていた。
皇帝ではあるが、昔からの名残で、貴族の中でも私服を肥やすために権力を誇示してくるものもいる。
子供達が自由に行動できるように抑えることしかできてない現状でもあった。
「父上、では、私が行きましょう。父上や兄上は動けない状態でも、私なら、スムーズに行動できる。それに、私の騎士団を連れて行けば、他国の牽制にもなるでしょうし」
「エディ、行ってくれるか?」
「お任せください。でも、この所、あの2人は良くも悪くもトラブルに巻き込まれてるようなんですが……帰ってきたら、お仕置きですね」
「まぁ、色んな事を知る事は、良い事なんだけどね」
思わず苦笑いしてしまう。
ジュドーの報告から、あの2人は普通の子供達と少し違っていた。
幼くも大人が読むような書物を読み漁り、官僚のようにいろんな事を調べ上げ、ハイレベルな魔道具も作り上げているとか……
幼い子供も心配だが、幼くして大人のような行動をするのも心配だ。
とりあえず、いつでも他に必要物資があればおくれるよう耐性を作っておこう。あと、もう一つの問題も解決する必要性がある。
ウィルの調べ上げた資料をこちら側からも再度確認し、処分を言い渡し対処する必要がある。
ディにエディのフォローをするよう指示し、退出させる。残ったエドに、もう1つの重要案件を伝え,
情報の確認をするよう指示。もちろん、ジュドーにも指示を出した。
ウィル、リリィ、無事に帰ってくるんだよ。
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