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調査です
我が君へ
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自室で必要であろう物の準備をしていた。
その時、何か嫌な予感がした。
クロさんから、ウィルがこの頃悪夢にうなされていると聞き、双子であるリリィもその夢に引きずられるのでは……そう考えていた矢先のことだ。
ウィルも、我が主人であるリリィも、幼少ながらも不思議な力をお持ちだ。
自身から魅惑の魔力を行使しているわけではないし、その魔力も無いはずだが、何故か全てのものを魅惑してしまう。
魅了された私もしかり、2人に真髄している犬達。(実際は犬ではなく、凄腕の騎士や影から支えるもの達だが、私もクロさんも犬と言っている。)
そして、双子特有の共有をお持ちのようで、不思議な意思疎通をされてもいた。
そんな事を考えて作業をしていたら、リリィの部屋にかけている結界から違和感を感じ、慌てて訪れる。
寝室で眠っているが…………
そっとリリィの額に手をかざし、彼女の夢を覗き見る。
本来はこんな事はしない。でも、今回は……
彼女の夢の中………
薄暗い場面。
これは……未来視?16歳から18歳ぐらいのウィルが………凌辱されている。
しかもそれは、例の教団のようだ……
それを、見えない壁で隔たれながら、見ているリリィ。泣き崩れ、見えない壁を叩きながら叫んでいる。
そう、ウィルの未来視の夢をリリィが共感して見ているのだ。
そして、リリィの存在を確かめるように、近づいてくる別の意思。あれは………
そうこうしていると、ウィルに纏わり付く男が恍惚な表情のまま、後ろに回りこみ、もう1人の男性が現れる。
後ろに回った男と同じ顔。同じ声。
「「やっと手に入れた。私のもの……」」
そう呟き、後ろの男はウィルの背中に舌を這わせ、後ろから襲い、前の男もウィルを翻弄し続けている。
「やめて~~~~~」
「逃がしませんよ。逃がさない。もう、あなたは私のもの……」
「あっ……あぁ……」
なんとも言えない光景……こんな事が未来に起こりうるのか?
起こらせてはならない!!
これは、起こってはならない未来!
『ウィルが壊れる……ウィル!ウィル!何故助けれない!どうして!誰か助けて!!私はどうなっても構わないから!!』
リリィが叫ぶ。
まずい………
『その言葉は本当ですか?私のリリィ?』
奴が、リリィの言質をとり、リリィを絡めとってしまう!!
『…………あなたは……』
『私のリリィ。見つけました。』
我が主人を奴に渡すわけにはいけない。
奴が背後からリリィを抱きしめ、捕らえそうになる。
奴との繋がりを経つために、結界を強め、無理やりリリィの夢の中に入り込み、奪い去る。そして、現実として覚醒させるべく、揺さぶり起こす!
「リリィ、起きて!起きなさい!」
リリィがゆっくりと瞼を開ける。
奴の気配はない。何とか奴との絆を結ばせる事は阻止できた。
「し………シロ………さん?」
リリィをおもいっきり抱きしめる。
「良かった………」
「えっ?」
「なんでもありません。悪い夢でも見たのですね。大丈夫ですか?」
本当によかった。でも、あの粘着体質の奴がリリィを諦めるわけがない。
どうすれば………
リリィの頬が涙で濡れている。
思わず口づけたくなるのを押さえ込む。そして、そっと涙を拭った。
「汗をかいていますね。着替えた方がいいでしょう」
今は安全だが、今日は側いよう。
メイドを呼ぼうと離れようとした……すると、服を引っ張り、止めようとしているリリィの行動に、驚きと歓喜が沸き起こる。
すぐさま、リリィに跪き、声をかける。
「私は男ですから、我が君の着替えは……隣の部屋でいます。着替えたら、お側にいますよ」
「ん」
そう返事し、名残惜しそうに、離してくれた。
愛おしい我が君。貴女が私を拒絶しようとも、どんな時にもお側に居させて欲しい。
そんな気持ちが湧き上がる。
まぁ、私の側が危険であれば、話は別ですが……
リリィが着替えをしている間に、心を落ちつかし、安眠できるようにと、ホットミルクを持ってリリィの元に行く。
「我が君。これを飲んで休んでください。大丈夫。お側にいますから……」
受け取ってゆっくり飲み干してくれた。
程よい温かさに蜂蜜の甘さを足し、さらに特別な香草を入れておいた。
味は変わっていないはず。
リリィが心地よい睡魔に襲われ、ウトウトしだし、カップを受け取り、眠りにつく主人を見守る。
「我が君。私の愛しい姫君。奴が貴女に気がついた………どんな手を使ってもお護りします。貴女を悲しませるものから守り通しますよ……」
そう呟いていた事は彼女の耳には届かなかった………
その時、何か嫌な予感がした。
クロさんから、ウィルがこの頃悪夢にうなされていると聞き、双子であるリリィもその夢に引きずられるのでは……そう考えていた矢先のことだ。
ウィルも、我が主人であるリリィも、幼少ながらも不思議な力をお持ちだ。
自身から魅惑の魔力を行使しているわけではないし、その魔力も無いはずだが、何故か全てのものを魅惑してしまう。
魅了された私もしかり、2人に真髄している犬達。(実際は犬ではなく、凄腕の騎士や影から支えるもの達だが、私もクロさんも犬と言っている。)
そして、双子特有の共有をお持ちのようで、不思議な意思疎通をされてもいた。
そんな事を考えて作業をしていたら、リリィの部屋にかけている結界から違和感を感じ、慌てて訪れる。
寝室で眠っているが…………
そっとリリィの額に手をかざし、彼女の夢を覗き見る。
本来はこんな事はしない。でも、今回は……
彼女の夢の中………
薄暗い場面。
これは……未来視?16歳から18歳ぐらいのウィルが………凌辱されている。
しかもそれは、例の教団のようだ……
それを、見えない壁で隔たれながら、見ているリリィ。泣き崩れ、見えない壁を叩きながら叫んでいる。
そう、ウィルの未来視の夢をリリィが共感して見ているのだ。
そして、リリィの存在を確かめるように、近づいてくる別の意思。あれは………
そうこうしていると、ウィルに纏わり付く男が恍惚な表情のまま、後ろに回りこみ、もう1人の男性が現れる。
後ろに回った男と同じ顔。同じ声。
「「やっと手に入れた。私のもの……」」
そう呟き、後ろの男はウィルの背中に舌を這わせ、後ろから襲い、前の男もウィルを翻弄し続けている。
「やめて~~~~~」
「逃がしませんよ。逃がさない。もう、あなたは私のもの……」
「あっ……あぁ……」
なんとも言えない光景……こんな事が未来に起こりうるのか?
起こらせてはならない!!
これは、起こってはならない未来!
『ウィルが壊れる……ウィル!ウィル!何故助けれない!どうして!誰か助けて!!私はどうなっても構わないから!!』
リリィが叫ぶ。
まずい………
『その言葉は本当ですか?私のリリィ?』
奴が、リリィの言質をとり、リリィを絡めとってしまう!!
『…………あなたは……』
『私のリリィ。見つけました。』
我が主人を奴に渡すわけにはいけない。
奴が背後からリリィを抱きしめ、捕らえそうになる。
奴との繋がりを経つために、結界を強め、無理やりリリィの夢の中に入り込み、奪い去る。そして、現実として覚醒させるべく、揺さぶり起こす!
「リリィ、起きて!起きなさい!」
リリィがゆっくりと瞼を開ける。
奴の気配はない。何とか奴との絆を結ばせる事は阻止できた。
「し………シロ………さん?」
リリィをおもいっきり抱きしめる。
「良かった………」
「えっ?」
「なんでもありません。悪い夢でも見たのですね。大丈夫ですか?」
本当によかった。でも、あの粘着体質の奴がリリィを諦めるわけがない。
どうすれば………
リリィの頬が涙で濡れている。
思わず口づけたくなるのを押さえ込む。そして、そっと涙を拭った。
「汗をかいていますね。着替えた方がいいでしょう」
今は安全だが、今日は側いよう。
メイドを呼ぼうと離れようとした……すると、服を引っ張り、止めようとしているリリィの行動に、驚きと歓喜が沸き起こる。
すぐさま、リリィに跪き、声をかける。
「私は男ですから、我が君の着替えは……隣の部屋でいます。着替えたら、お側にいますよ」
「ん」
そう返事し、名残惜しそうに、離してくれた。
愛おしい我が君。貴女が私を拒絶しようとも、どんな時にもお側に居させて欲しい。
そんな気持ちが湧き上がる。
まぁ、私の側が危険であれば、話は別ですが……
リリィが着替えをしている間に、心を落ちつかし、安眠できるようにと、ホットミルクを持ってリリィの元に行く。
「我が君。これを飲んで休んでください。大丈夫。お側にいますから……」
受け取ってゆっくり飲み干してくれた。
程よい温かさに蜂蜜の甘さを足し、さらに特別な香草を入れておいた。
味は変わっていないはず。
リリィが心地よい睡魔に襲われ、ウトウトしだし、カップを受け取り、眠りにつく主人を見守る。
「我が君。私の愛しい姫君。奴が貴女に気がついた………どんな手を使ってもお護りします。貴女を悲しませるものから守り通しますよ……」
そう呟いていた事は彼女の耳には届かなかった………
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