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調査です

悪夢

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その日、夢を見た。
それは、悪夢としか言えない夢。
手を伸ばし、助けたいのに自分の姿は相手の目に映らず、声も届かない。
必死で助けようと手を伸ばすのに届かない……




ウィルが薄暗い建物の中で、鎖に両手足を拘束される。服を剥ぎ取られた状態で

「素敵な姿ですね。あぁ、なんて神々しい……」

そう言って、素肌を撫でられている。

『ウィルに触るな!けがわらしい手を離せ!!』

そう叫び、手を伸ばしたのに、届かない……


室内には怪しい香りが立ち込められ、ウィルの表情がおかしい……媚薬の香か?

「ふふっ、やっと……やっと手に入れました。我が神の愛されし子」

クイっと顎を掴まれ、上に向かされ、唇を貪られている。

「や……はぁ……」
「ふふっ、争っても無駄です。」

口腔内に舌を入れられ、貪りすすられ、辺り一面みだらな音が響いている。

『ウィル!ウィル!』

「素晴らしい……なんて、甘くて魅惑的なんでしょう……」

眩しいスポットライトのような光をウィルに当てながら、ウィルを貪る男は、貪りながら、何かを飲まされた……
身悶えるウィル。見ていて痛々しい……


「さぁ、皆さま。お待たせの、神に愛されし極上の身体をご堪能ください。まずは……」

そう言うと、数人の男性が現れる。ウィルの体に群がっていく。
1人は首筋から背中を舐めるように唇を這わせて……

「跡はつけないでくださいね。傷もダメですよ。つけたい気持ちはわかりますけどね~~~」

そう言いながら、ウィルの鎖骨から胸にかけて唇を這わし出す。

「やめ…………やぁ~~~~」

いきなり自信を吸いつかれた。口の中に入れながら、舌を使いしごかれる。
ウィルに群がり、蹂躙していく男達。

『止めろ~~~~!ウィルが、ウィルが』

「貴重な涙ですね。美味しそう」

そう言いながら、また別のものに涙を拭い取られ……ある者はウィルの身体に何かを塗り込んでいた。



と思ったら、ウィルに纏い付いていた男達が消え、1人の男性が前に現れた。

愛おしそうに口づけし、身体中を唇で這わしている。
苦しそうに、そして、薬のせいか恍惚とも言える表情のウィル。

翻弄されるウィル。どんなに叫んでも、手を伸ばし足掻いても届かない。

男が恍惚な表情のまま、後ろに回りこみ、もう1人の男性が現れる。
後ろに回った男と同じ顔。同じ声。

「「やっと手に入れた。私のもの……」」

そう呟き、後ろの男はウィルの背中に舌を這わせ、後ろから襲い、前の男もウィルを翻弄し続けている。
そう、彼だ。このイベントで出てくるであろう攻略対象の……

「やめて~~~~~」
「逃がしませんよ。逃がさない。もう、あなたは私のもの……」
「あっ……あぁ……」

『ウィルが壊れる……ウィル!ウィル!何故助けれない!どうして!誰か助けて!!私はどうなっても構わないから!!』

『その言葉は本当ですか?私のリリィ?』
『…………あなたは……』
『私のリリィ。見つけました。』
背後から抱きしめられ、捕らえられそうになり………



「リリィ、起きて!起きなさい!」

そう言って、揺さぶり起こされる。

「し………シロ………さん?」

シロさんに抱きしめられた。
「良かった………」
「えっ?」
「なんでもありません。悪い夢でも見たのですね。大丈夫ですか?」

頬が涙で濡れていた。シロさんはそっと拭ってくれる。

「汗をかいていますね。着替えた方がいいでしょう」

メイドを呼ぼうと離れるシロさんの服を引っ張って止める。

「私は男ですから、我が君の着替えは……隣の部屋でいます。着替えたら、お側にいますよ」
「ん」

そう返事し、名残惜しそうに、離した。
直ぐに着替えをし、シロさんがホットミルクを持って戻ってきた。

「我が君。これを飲んで休んでください。大丈夫。お側にいますから……」

受け取ってゆっくり飲み干す。
程よい温かさに蜂蜜の甘さ。心地よい睡魔に襲われ、シロさんにカップを渡しながら眠りについた。

「我が君。私の愛しい姫君。奴が貴女に気がついた………どんな手を使ってもお護りします。貴女を悲しませるものから守り通しますよ……」

そう呟いていた事は耳には届かなかった………

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