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転生ですか?

シロさん

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数日の調べで出るわ出るわ、汚職の臭い……って感じだった。
今日はウィルが一人で頑張ってるはずだ。

たまたま2人で見つけた魔道具の保管場所。
そこに、『廃棄処分』と書かれた箱があった。
覗くと色んなものが入れられていた。
明かに使えない物…………ん?これ、面白そうだ。
どうせ捨てるんだからと拝借した。

銀の懐中時計。綺麗な装飾がされている。
少しバラして時計としての機能を先に直し、魔力を行使して少し展開してみる。

「おっと、ここをこういじくって、これはここと入れ替えて……」

独りぶつぶついいながら、うん、うまくいった。よし。
試しにボタンを押してみると、ほのかな明かりが浮かび上がった。
いい感じだ。
で、この部分を………
懐中時計を開けて、写真を撮るようにボタンを押してみる
それから…………
うまく行った。撮ったものが映像のように浮かび上がる。

「ウィル、ちょっと見てみて」
「ん?」
「ここ押して」
「えっ、明かり?」
「次のここをこれを撮るように押してみて」
「ん?」
「で、ここを押すと」
「お~~~~~っ、凄い」
「で、ここをそのまま押すと削除」
「ライトとカメラ機能?凄い。しかも懐中時計だから、怪しまれないね」

そうだろそうだろ………良いもの手に入れた。
また見に行ったらもっと面白いものがあるかもしれない……
そうすると、今後に役に立つ可能性大だ。

ゲーム上、モブキャラのウィルは色んな不幸に見舞われる。
そんなの許せやすない。
同じ転生者でもあるが、兄妹なんだから……

あと、この世界はゲームにそっくりだから、『番』ってものもいるかも知れない……
あれは下手に捕まると面倒だ……
ゲームと違う事を祈ってるんだけど……

「ウィル、また書類を監査していくのなら、これはウィルが持ってた方がいい。また、もっと良い機能を付けれそうなら付けるから、使って」
「ありがとう。でも、リリィは?」
「この前の魔道具部屋。また使えそうなものがあれば貰って直そうと思うんだ。きっと役に立つ!」
「なるほど………って、また男の子ぽいよ!」
「ははは………」

気をつけよう。今の私は女の子………



さてと何か良いものは………っと……
魔道具の保管している部屋で今日もゴソゴソやっている。

廃棄処分の物で修理出来そうな物を持ち帰り直すためだ。
いくつか良いものがあった。
そうそう、これ使ってっと

この前拾ったロケットペンダント。
今、首に掛けて使っている。
これも魔道具だったみたいで、直してた。
ロケットには家族写真を入れてみた。
なかなか良い感じだ。

これは何でも入る収納ボックス目的で作られたみたいだけど、中途半端に作られて、上手く作動せず破棄された……
そんな感じだった。
自分の魔力を注ぎ込んで操作したら上手くいったから、ウキウキで使っている。
そう、持ち帰る時の収納用だ。
魔道具沢山持っては帰れないからね。

今は自分使用登録してるから、私しか使えない。
そのうち、贈りたい相手のみ使えるようにしていきたいと思ってるんだ。
ウィルが『どんだけチートなんだか……』と呆れていたけど、自分としては自覚がないなぁ……

さてと、こんなものか………ウィルと合流しよう。
そう思って、部屋をでた。

ん?なんだあれ?
この部屋の近くにある少し変わった建物。
前から気にはなったたんだけど………
少し変わった出っ張りを見つけ、押してみる。
この前は気にならなかったものだ……

ギギギギー
軋む音がし、隠し扉を見つけ開けてみる。
下に降りる階段?
気になり降りていく。

「 ………………      」
白い衣装を身に纏った銀髪の………
隠しキャラの『シロさん』?
クリスタルに閉じ込められていた。
なぜ閉じ込められていたのかは…………忘れた……

確か、男性だったか?それとも、女性だった?

「綺麗。でもなんでこんな所に?」

クリスタルに触れた…………
げっ、足元から何か光出して………

クリスタルは霧散し、少し浮かんでいたシロさんが、ゆっくりと降りてくる。
まるで、妖精王か神様のようだ……
睫毛が揺れ、ゆっくりと瞳が開かれた。
紫に近い蒼だ……

「お前はだれ?」
「俺?じゃない、私?」

頷かれた

「私はリリィ。あなたは?シロさん」
「シロさん?」
「名前しらないから、何となく……」

自分の格好をみて納得したようだ

「私を助けてくれたのは、お前か?」
「お前じゃなくて、リリィ!」
「そうか……」

そう言って、シロさんが私の両手を掴む
何だ?
「すまない。私を解放した事で、私の主人は貴女だ。よって、今の世界と主人の事を理解するために情報をもらった。一部は見えなかったが、面白いな。まぁ、よろしく。」

主従関係?やっちまった?
ウィルになんて言ったらいい?
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