上 下
7 / 129
転生ですか?

シロさん

しおりを挟む
数日の調べで出るわ出るわ、汚職の臭い……って感じだった。
今日はウィルが一人で頑張ってるはずだ。

たまたま2人で見つけた魔道具の保管場所。
そこに、『廃棄処分』と書かれた箱があった。
覗くと色んなものが入れられていた。
明かに使えない物…………ん?これ、面白そうだ。
どうせ捨てるんだからと拝借した。

銀の懐中時計。綺麗な装飾がされている。
少しバラして時計としての機能を先に直し、魔力を行使して少し展開してみる。

「おっと、ここをこういじくって、これはここと入れ替えて……」

独りぶつぶついいながら、うん、うまくいった。よし。
試しにボタンを押してみると、ほのかな明かりが浮かび上がった。
いい感じだ。
で、この部分を………
懐中時計を開けて、写真を撮るようにボタンを押してみる
それから…………
うまく行った。撮ったものが映像のように浮かび上がる。

「ウィル、ちょっと見てみて」
「ん?」
「ここ押して」
「えっ、明かり?」
「次のここをこれを撮るように押してみて」
「ん?」
「で、ここを押すと」
「お~~~~~っ、凄い」
「で、ここをそのまま押すと削除」
「ライトとカメラ機能?凄い。しかも懐中時計だから、怪しまれないね」

そうだろそうだろ………良いもの手に入れた。
また見に行ったらもっと面白いものがあるかもしれない……
そうすると、今後に役に立つ可能性大だ。

ゲーム上、モブキャラのウィルは色んな不幸に見舞われる。
そんなの許せやすない。
同じ転生者でもあるが、兄妹なんだから……

あと、この世界はゲームにそっくりだから、『番』ってものもいるかも知れない……
あれは下手に捕まると面倒だ……
ゲームと違う事を祈ってるんだけど……

「ウィル、また書類を監査していくのなら、これはウィルが持ってた方がいい。また、もっと良い機能を付けれそうなら付けるから、使って」
「ありがとう。でも、リリィは?」
「この前の魔道具部屋。また使えそうなものがあれば貰って直そうと思うんだ。きっと役に立つ!」
「なるほど………って、また男の子ぽいよ!」
「ははは………」

気をつけよう。今の私は女の子………



さてと何か良いものは………っと……
魔道具の保管している部屋で今日もゴソゴソやっている。

廃棄処分の物で修理出来そうな物を持ち帰り直すためだ。
いくつか良いものがあった。
そうそう、これ使ってっと

この前拾ったロケットペンダント。
今、首に掛けて使っている。
これも魔道具だったみたいで、直してた。
ロケットには家族写真を入れてみた。
なかなか良い感じだ。

これは何でも入る収納ボックス目的で作られたみたいだけど、中途半端に作られて、上手く作動せず破棄された……
そんな感じだった。
自分の魔力を注ぎ込んで操作したら上手くいったから、ウキウキで使っている。
そう、持ち帰る時の収納用だ。
魔道具沢山持っては帰れないからね。

今は自分使用登録してるから、私しか使えない。
そのうち、贈りたい相手のみ使えるようにしていきたいと思ってるんだ。
ウィルが『どんだけチートなんだか……』と呆れていたけど、自分としては自覚がないなぁ……

さてと、こんなものか………ウィルと合流しよう。
そう思って、部屋をでた。

ん?なんだあれ?
この部屋の近くにある少し変わった建物。
前から気にはなったたんだけど………
少し変わった出っ張りを見つけ、押してみる。
この前は気にならなかったものだ……

ギギギギー
軋む音がし、隠し扉を見つけ開けてみる。
下に降りる階段?
気になり降りていく。

「 ………………      」
白い衣装を身に纏った銀髪の………
隠しキャラの『シロさん』?
クリスタルに閉じ込められていた。
なぜ閉じ込められていたのかは…………忘れた……

確か、男性だったか?それとも、女性だった?

「綺麗。でもなんでこんな所に?」

クリスタルに触れた…………
げっ、足元から何か光出して………

クリスタルは霧散し、少し浮かんでいたシロさんが、ゆっくりと降りてくる。
まるで、妖精王か神様のようだ……
睫毛が揺れ、ゆっくりと瞳が開かれた。
紫に近い蒼だ……

「お前はだれ?」
「俺?じゃない、私?」

頷かれた

「私はリリィ。あなたは?シロさん」
「シロさん?」
「名前しらないから、何となく……」

自分の格好をみて納得したようだ

「私を助けてくれたのは、お前か?」
「お前じゃなくて、リリィ!」
「そうか……」

そう言って、シロさんが私の両手を掴む
何だ?
「すまない。私を解放した事で、私の主人は貴女だ。よって、今の世界と主人の事を理解するために情報をもらった。一部は見えなかったが、面白いな。まぁ、よろしく。」

主従関係?やっちまった?
ウィルになんて言ったらいい?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ラストグリーン

桜庭かなめ
恋愛
「つばさくん、だいすき」  蓮見翼は10年前に転校した少女・有村咲希の夢を何度も見ていた。それは幼なじみの朝霧明日香も同じだった。いつか咲希とまた会いたいと思い続けながらも会うことはなく、2人は高校3年生に。  しかし、夏の始まりに突如、咲希が翼と明日香のクラスに転入してきたのだ。そして、咲希は10年前と同じく、再会してすぐに翼に好きだと伝え頬にキスをした。それをきっかけに、彼らの物語が動き始める。  20世紀最後の年度に生まれた彼らの高校最後の夏は、平成最後の夏。  恋、進路、夢。そして、未来。様々なことに悩みながらも前へと進む甘く、切なく、そして爽やかな学園青春ラブストーリー。  ※完結しました!(2020.8.25)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしています。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

処理中です...