オメガ転生。

学園生活

そんな事が(雅貴)

大きな音を立てながら、空間を無理やりこじ開ける。
身体に多少の電気が走り、ビリビリしたが、これくらいはどうとでもなる。

妖である自分を拒絶するようなそんな感覚だが、いかんせん、私にとってはたわいもない事だ。
そうこうすると、向こう側は薄暗く、蝋燭の光が揺れているようだ。

この場所と酷似した異空間。その入り口の向こう側に…いた…

こちら側の光が向こうに急に差し込んでしまったためか、眩しさに瞳を閉じているようだ。
視線がさまよっているようにも、見てとれた。
すぐさま側に行き跪き、そっと壊物を抱きしめるように優しく腕の中に閉じ込める。


「あっ…」

「どこも怪我は無いですか？気分は？」

そう言いながら、覗き込むように視線が合わせる。
私の妖魔特有の瞳に見つめ、彼は思わず安堵の息をついた。

「無事でよかった…」

さらに懐深く抱き込み、頬に唇にと…そうやって、無事を確かめたかったが、彼の精神が限界に近かったのか、そこで意識を手放した。


だが、戻って来た…