オメガ転生。

学園生活

やばいです

散々泣いて、あやされてどのくらい時間が経ったのだろうか。
ここぞとばかりに、いろんな話をした。
と言うか、うまく誘導されてしゃべらされた。
だが、全てを話したわけではない。
バレてるかも知れないけど、きっとわかんないと思うんだよね…
前世が女性で、しかも別の世界の日本という国に住んでた記憶があるとか、今の現実が、その当日楽しんでいたゲームの世界と同じとか言われても、自分だったら困るし、『コイツ大丈夫か？』みたいな感じになるよ。
だから、そこら辺はごまかし、ごまかしきれないところは、『夢でみた』みたいな感じにした。

妹をかまいまくり、家族を守るためのしてきた行動は、夢で見たことが現実になると悲しいから、そのために行動してきたと話したし、自分がオメガである事を隠している件は、今までの自分の努力と、妹や家族を守るにはその方が都合がいいと言うことにして話した。
半分以上は本当に事だから、決して嘘を言っているわけではない。

「わかりました。私にとっても義理の妹になるのですから、そのような不幸が起こる可能性は阻止したいですね。翔が悲しむのも嫌ですし…」

そう言いながら、色々と思案してくれている姿は頼もしいと思う。
うん。さすが、宰相職についているだけある。いろんな対応方法を考え提案してくれた。

「その『ヒロイン』でしたか？今は姉妹なのでしょ？どちらの女生徒がそうなのかわかりますか？」
「それが、初めに学園に通い始めた方がそうだと思ったんだけど、イメージとかが少し違って…後からの女生徒は会って話してないから分からないんだ。もしかしたら後者の女生徒がそうかも知れないし、2人とも？と言う可能性も捨てきれなくて…」
「ふむ。その件は少しこちらで調べてみましょう。そうそう、学園で何か困ったことがあれば直ぐに教えてください。解決してから知らされるのは嫌ですよ」

そう言って、色々と念を押された。
十分落ち着いたから、寮に戻った方が良いかもと思い声をかけると、それは思いっきり却下された。
『何故？！』と詰め寄ると、今回のような事が再度起こるかも知れないから、心配との事だった。
でも、そこは頑張って粘ってみた。
なぜなら、寮で生活せず、この屋敷からの通学だと、自分がオメガだって言っているような気持ちがするんだ。
オメガだから、寮で生活できない。オメガだから上位アルファの保護下で生活を…みたいな感じだ。