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学園生活
事件です
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「翔、大丈夫か?顔色悪いぞ!」
景正が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「うん、大丈夫」
「本当か?何か悩みでもあるのか?僕では頼りにならいない?」
「そう言う訳ではないよ。ちょっと寝不足なだけだ」
「もしかして、この前の事で?」
「………」
「翔?」
「大丈夫だから、次の授業移動教室だったよな、行こう!」
ガタッと勢いよく立ち上がろうとして、クラッとした。
やばい…
倒れそうになるところを、景正に腕を引かれ抱きとめられた。
これ、不味いかも…
「哉太(かなた)、翔、調子が悪そうだから保健室連れていくよ。先生にはそう伝えておいてくれる?」
「翔、大丈夫か?顔色悪そうだな…」
「あぁ…頼んだ」
「了解!」
「景正、大丈夫だから…」
「黙って」
ヒョイと横抱きされた。いわゆるお姫様抱っこだ。
男なのに、恥ずかしい…でも、ムリ、くらくらしだした…
「暴れず大人しくしてろ」
そう言って、教室を出て連れて行かれた。
保健室には誰もいなかった。
「翔?」
そっとベットに降ろしてシーツをかけてやる。
青白い顔をし、瞳を閉じている翔。
時折苦悩するような表情が見てとれた。
この前のことが翔を苦悩させている事はわかる。
だが、何故その事で翔が苦悩しているのかは…
翔の好意を持った者の誰かがあの件に関わっているのか?
それとも…
いや、それはあくまでも自分の望みだ。
そう、もし翔がオメガなのであれば、自分にとっては好都合で…
翔にとっては嫌かもしれないが…
幼少よりの付き合いだ。
妹といつも仲良くし、いつも妹を心配している翔。
初めは翔の妹の事が少し気になった。
異性だし、可愛かったから。
今も可愛いが、妹のようにしか思えないが…
だが、翔は、いつの間にか気になる存在になり、側にいてやりたい存在となった。
ただ見守り、手助けするだけでなく、友人としてではなく、もっと近い存在に…
翔の額にかかる髪をそっと払いながら…
「翔、僕は君のことが…」
両手で頬を包み込み、唇に……
カタンと音がし、ハッとする。
「景正君いる?先生が呼んでるよ」
入って来たのはクラスメイトの夕霧君だった。
「高藤君、君はクラスに戻りなさい」
「田村先生」
「大丈夫だから、早く、夕霧君が待ってるし」
そう言われて、後ろ髪引かれるも、夕霧君と共に田村先生に後をお願いして教室に戻った。
景正が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「うん、大丈夫」
「本当か?何か悩みでもあるのか?僕では頼りにならいない?」
「そう言う訳ではないよ。ちょっと寝不足なだけだ」
「もしかして、この前の事で?」
「………」
「翔?」
「大丈夫だから、次の授業移動教室だったよな、行こう!」
ガタッと勢いよく立ち上がろうとして、クラッとした。
やばい…
倒れそうになるところを、景正に腕を引かれ抱きとめられた。
これ、不味いかも…
「哉太(かなた)、翔、調子が悪そうだから保健室連れていくよ。先生にはそう伝えておいてくれる?」
「翔、大丈夫か?顔色悪そうだな…」
「あぁ…頼んだ」
「了解!」
「景正、大丈夫だから…」
「黙って」
ヒョイと横抱きされた。いわゆるお姫様抱っこだ。
男なのに、恥ずかしい…でも、ムリ、くらくらしだした…
「暴れず大人しくしてろ」
そう言って、教室を出て連れて行かれた。
保健室には誰もいなかった。
「翔?」
そっとベットに降ろしてシーツをかけてやる。
青白い顔をし、瞳を閉じている翔。
時折苦悩するような表情が見てとれた。
この前のことが翔を苦悩させている事はわかる。
だが、何故その事で翔が苦悩しているのかは…
翔の好意を持った者の誰かがあの件に関わっているのか?
それとも…
いや、それはあくまでも自分の望みだ。
そう、もし翔がオメガなのであれば、自分にとっては好都合で…
翔にとっては嫌かもしれないが…
幼少よりの付き合いだ。
妹といつも仲良くし、いつも妹を心配している翔。
初めは翔の妹の事が少し気になった。
異性だし、可愛かったから。
今も可愛いが、妹のようにしか思えないが…
だが、翔は、いつの間にか気になる存在になり、側にいてやりたい存在となった。
ただ見守り、手助けするだけでなく、友人としてではなく、もっと近い存在に…
翔の額にかかる髪をそっと払いながら…
「翔、僕は君のことが…」
両手で頬を包み込み、唇に……
カタンと音がし、ハッとする。
「景正君いる?先生が呼んでるよ」
入って来たのはクラスメイトの夕霧君だった。
「高藤君、君はクラスに戻りなさい」
「田村先生」
「大丈夫だから、早く、夕霧君が待ってるし」
そう言われて、後ろ髪引かれるも、夕霧君と共に田村先生に後をお願いして教室に戻った。
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