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運命が回る
運命が回りだす
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息子であるカルの英霊である大賢者アルストが側に行き確認し、発言した真実。
『これは前回のとは少し違う…これもまた太古の呪いのようなものだ。』とはいったいどう言うことだろうか??
一体誰が上書きしたと言うのだろうか?
最初に姉に呪いを施したのは、神シルメールで間違いないらしい。
前回。そう、私達が関係した扉を閉める時、神シルメールが逃げるために施した。
それは真実らしいのだが…今は上書きされ、神シルメールの呪いは無いのだとしたら、一体いつ?誰が?しかも、上書きされたための効力は一体??
それは呪いなのか?それともそれ以外の何か??
「本当に解除できぬのか?そちが最初に行ったのであろうが、責任は持たねば。」
そう言いながら神々が揉めだすのを何とも言えない気持ちで聞いていた。
「そんなこと言ったって…私じゃないもの。まぁ~、最初は私だけどさ。上書きしたのは私じゃないよ。それにこれって…」
「バルマス。そちもどうにか出来ぬのか?結果としてそなたが不甲斐ないからと言う事であろう?そなたらの傍迷惑なのに巻き込まれての騒動のようだが?」
「ふむ…」
神バルマスが姉の手に残されたモノをじっと凝視する。
そして、視線を別に…その先は息子?何故??
いゃ、息子であるカルロスと言うよりも、視線がカルロスの胸元にあるペンダント。そう、胸元のが神玉の核を見つめていた。
そして、天を仰ぐような仕草をして考え込んだ。
どう言う事?この亡き神ラミアの神玉が関係するの?
また訳のわからない神の諸事情に巻き込まれてる??
「これはそなたが行ったのか?」
そう言って視線を送った先は…
いったいどう言う事??
「何だ。バレたのか。うまく誤魔化せれたと思ったのに、残念。」
そう言って笑ったのは、今代聖女である愛の側にいた…
「えっ!?どう言う事?どうして君が?」
「ふふっ、うん、今まで黙っててごめんね。」
カルロスの質問に対して、見覚えのある青年がそう言うと、ニヤッと嫌な笑みをこちら全体に見せた。
「どうして君が?何で?」
どう言ったらいいのかわからないと言う感じだろう。私も訳がわからない。
息子の今まで信じていたものが、ガラガラと崩れ落ちて行く感じが感じられる。
思わずふらつく息子の側に一歩。また一歩と近づいてくるのは…
友人だと…親友だと思っていた青年。確かスレインと呼んでいた。それに傅く魔人の国ディール帝国の魔法騎士であるマリエット•グランドルだった。
スレインが息子の目の前に来て、胸元をスーツと指でなぞる。そして、クッとネックレスを引っ張った。
何が起こっているのか、ただ背中に冷や汗をかきながらも、見守るしかできなかった。
ただ頭の中の警笛が、今はそれが奪われてはいけないと思うだけだ。
息子もそう思ったのか、握りしめて庇おうとしていた。
それよりも、この展開にどう対処すれば良いのだろうか。
夫の方に視線を送るも彼も息子を見守るしかできないようだ。
動揺を隠しきれない息子が胸元の神玉に異変を感じたようだった。
そして、彼の中から何かが少し抜け出るかのように身体が…
そうかと思えば、一瞬蒼白い光が神玉から漏れ出て、バチっとまるで静電気が走ったかのような大きな音がした。それと同時に相手…、スレインが手を離す。
「こんな状態になっても…拒む力は残ってるんだね。」
そう言いながら感電したであろう手をゆっくりと振ってみせた。
その瞳は優しく微笑んでいるようにも見えた。
「スレイン…一体どういう事??」
「はぁ~。もうどうしたもんだろうね。カル。僕達親友だろう?そのネックレス僕に渡してくれないかな?そうしたら…そうだな。君の叔母だっけ?そっちの女性の腕の刻印を消してあげるよ。どう?」
「どうって…スレイン、僕の質問にきちんと答えてくれてないよ。それにこれは…」
「ん?それ、君にはそんなに大切なものじゃないだろ?あぁ、お前にとっては大切か?」
相手のスレインは息子の質問に対して答える気がないのか?
いつもの彼と違う雰囲気であろう彼が息子に手を伸ばして、よこせと言っていた。
それを阻止しようと、私の側にいたシルバーが息子の前に出た。
そしてカルを背後にいる男に向けて突き飛ばす。
思わずよろけて転けそうなところを、その男。カルロスの運命の番であるジャディール殿下が優しく包み込むように抱き止めた。
「お前はやっぱり邪魔だね。あの時もそうだったけれど…」
「くっ…」
シルバーが白銀の聖騎士の様な鎧を身につけて剣を構えている。
何とも言えない雰囲気が洞窟内に広がる。
その雰囲気を一気に壊したのは、バルマスと呼ばれる神バルマスールだった。
「そこまでだ。」
「その姿はお前の本来の姿ではなかろう?相変わらず小賢しいことを。その姿の者はどうした?」
「ちっ、親友に裏切られて、大切なものも奪われたら面白いと思ったのに。相変わらずお前は真面目すぎる。」
そう言うと、『あ~あっ』と両手を広げてがっかりしたと言った感じでジェスチャーをしたかと思えば、スレインの姿は見知らぬ男性の姿に一瞬変わった。シルバーの警戒はまだ解かれてはいないが…驚愕の表情だ。
これは一体??
何が何だか全然わからない。
変わったと思ったら、また元のスレインの姿になっていたのだ。
だが、神々達には何やら理解できることがあるのだろう。
だからと言って、私達は一体どうしたらいいのだろうか?
思わず胸元の石を握りしめた息子を見守った。
『これは前回のとは少し違う…これもまた太古の呪いのようなものだ。』とはいったいどう言うことだろうか??
一体誰が上書きしたと言うのだろうか?
最初に姉に呪いを施したのは、神シルメールで間違いないらしい。
前回。そう、私達が関係した扉を閉める時、神シルメールが逃げるために施した。
それは真実らしいのだが…今は上書きされ、神シルメールの呪いは無いのだとしたら、一体いつ?誰が?しかも、上書きされたための効力は一体??
それは呪いなのか?それともそれ以外の何か??
「本当に解除できぬのか?そちが最初に行ったのであろうが、責任は持たねば。」
そう言いながら神々が揉めだすのを何とも言えない気持ちで聞いていた。
「そんなこと言ったって…私じゃないもの。まぁ~、最初は私だけどさ。上書きしたのは私じゃないよ。それにこれって…」
「バルマス。そちもどうにか出来ぬのか?結果としてそなたが不甲斐ないからと言う事であろう?そなたらの傍迷惑なのに巻き込まれての騒動のようだが?」
「ふむ…」
神バルマスが姉の手に残されたモノをじっと凝視する。
そして、視線を別に…その先は息子?何故??
いゃ、息子であるカルロスと言うよりも、視線がカルロスの胸元にあるペンダント。そう、胸元のが神玉の核を見つめていた。
そして、天を仰ぐような仕草をして考え込んだ。
どう言う事?この亡き神ラミアの神玉が関係するの?
また訳のわからない神の諸事情に巻き込まれてる??
「これはそなたが行ったのか?」
そう言って視線を送った先は…
いったいどう言う事??
「何だ。バレたのか。うまく誤魔化せれたと思ったのに、残念。」
そう言って笑ったのは、今代聖女である愛の側にいた…
「えっ!?どう言う事?どうして君が?」
「ふふっ、うん、今まで黙っててごめんね。」
カルロスの質問に対して、見覚えのある青年がそう言うと、ニヤッと嫌な笑みをこちら全体に見せた。
「どうして君が?何で?」
どう言ったらいいのかわからないと言う感じだろう。私も訳がわからない。
息子の今まで信じていたものが、ガラガラと崩れ落ちて行く感じが感じられる。
思わずふらつく息子の側に一歩。また一歩と近づいてくるのは…
友人だと…親友だと思っていた青年。確かスレインと呼んでいた。それに傅く魔人の国ディール帝国の魔法騎士であるマリエット•グランドルだった。
スレインが息子の目の前に来て、胸元をスーツと指でなぞる。そして、クッとネックレスを引っ張った。
何が起こっているのか、ただ背中に冷や汗をかきながらも、見守るしかできなかった。
ただ頭の中の警笛が、今はそれが奪われてはいけないと思うだけだ。
息子もそう思ったのか、握りしめて庇おうとしていた。
それよりも、この展開にどう対処すれば良いのだろうか。
夫の方に視線を送るも彼も息子を見守るしかできないようだ。
動揺を隠しきれない息子が胸元の神玉に異変を感じたようだった。
そして、彼の中から何かが少し抜け出るかのように身体が…
そうかと思えば、一瞬蒼白い光が神玉から漏れ出て、バチっとまるで静電気が走ったかのような大きな音がした。それと同時に相手…、スレインが手を離す。
「こんな状態になっても…拒む力は残ってるんだね。」
そう言いながら感電したであろう手をゆっくりと振ってみせた。
その瞳は優しく微笑んでいるようにも見えた。
「スレイン…一体どういう事??」
「はぁ~。もうどうしたもんだろうね。カル。僕達親友だろう?そのネックレス僕に渡してくれないかな?そうしたら…そうだな。君の叔母だっけ?そっちの女性の腕の刻印を消してあげるよ。どう?」
「どうって…スレイン、僕の質問にきちんと答えてくれてないよ。それにこれは…」
「ん?それ、君にはそんなに大切なものじゃないだろ?あぁ、お前にとっては大切か?」
相手のスレインは息子の質問に対して答える気がないのか?
いつもの彼と違う雰囲気であろう彼が息子に手を伸ばして、よこせと言っていた。
それを阻止しようと、私の側にいたシルバーが息子の前に出た。
そしてカルを背後にいる男に向けて突き飛ばす。
思わずよろけて転けそうなところを、その男。カルロスの運命の番であるジャディール殿下が優しく包み込むように抱き止めた。
「お前はやっぱり邪魔だね。あの時もそうだったけれど…」
「くっ…」
シルバーが白銀の聖騎士の様な鎧を身につけて剣を構えている。
何とも言えない雰囲気が洞窟内に広がる。
その雰囲気を一気に壊したのは、バルマスと呼ばれる神バルマスールだった。
「そこまでだ。」
「その姿はお前の本来の姿ではなかろう?相変わらず小賢しいことを。その姿の者はどうした?」
「ちっ、親友に裏切られて、大切なものも奪われたら面白いと思ったのに。相変わらずお前は真面目すぎる。」
そう言うと、『あ~あっ』と両手を広げてがっかりしたと言った感じでジェスチャーをしたかと思えば、スレインの姿は見知らぬ男性の姿に一瞬変わった。シルバーの警戒はまだ解かれてはいないが…驚愕の表情だ。
これは一体??
何が何だか全然わからない。
変わったと思ったら、また元のスレインの姿になっていたのだ。
だが、神々達には何やら理解できることがあるのだろう。
だからと言って、私達は一体どうしたらいいのだろうか?
思わず胸元の石を握りしめた息子を見守った。
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