竜の恋人

運命が回る

運命が回り出す

「では、我らはこれで…」

神バルマスは神シルメールを伴って去ろうとしたが、ちょっと待って欲しい。

「ちょっと待って頂きたい。」

私が声を上げてが言う前に、エドワード殿下がそう声を上げた言った。

「扉は無事閉まり、世界の恐怖は去りましたが…まだこれが…我が妻の呪いが解かれていません。」

そう言って、姉の腕を見せた。
そこには何とも言えない痣のような刻印がまだ残されていた。

「そうじゃ。シルメール。そなたが前回逃げる時につけたのであろう？きちんと解除せよ。」
「五月蝿いわね！私の邪魔をしたからよ。」
「そもそも、そなたが悪いのじゃ。少しは反省せよ！」
「あ～～～～！！元々はバルマスが悪いのじゃ！」
「この俺が？」

神バルマスが何とも言えない顔をしたが…その表情も何とも言えない…

「そうじゃ。妾のことを…あぃ…愛してるとか言う割にも、神ラミアと親しくしおって。そなたらが恋仲であった事は知っておるのじゃ！！」

豆鉄砲を喰らったような何とも言えない表情を神バルマスがしたが、直ぐに元の表情から蕩ける表情に変わる。
要は、友人同士とは言え、優しく接ししすぎたのか、その様子を見てシルメールは嫉妬。相手の神が大切にしていた世界をついでに混乱させて遊ぼうと考えた？

「それは誤解だ。確かに俺とラミアは親しいが恋仲ではないし、そんな事を思ったこともない。ラミアの大切なオルベスが亡くなった…無くなったと言っても良いが…悲しみ哀しむ友を支えはしたがな。どうせ他の神々の噂を聞いて暴走したのだろう？そこも可愛いが…嫉妬してくれたのか。」

そう言いながら、シルメールの顔中にキスの嵐を贈っていた。
神同士の執着も強いのか？その影響下がこちらにも多大にある？？

恋情のもつれ、嫉妬の嵐でシルメールが暴走したんだ。元々の性格もあったのだろうが…

「神バルマス、話ができぬから、一旦おやめください。で、前回我から逃げる時にお主がこの者に施したであろう？」
「ん～、確かに我が施しはしたが…別の者が上書きしておる。我がした地盤のようなモノは消えておる。よく見るが良い。」

シルメールがそう言い放つと、姉の腕にある呪いの刻印をしっかりと…

「確かに、ここから感じる何と言うか…違和感は変わった気がするけれど…」
沙也加がそう言うと…
「確かに、模様が少し変わった。濃さもそうだが…」

沙也加の刻印はまだ残されているようだ。つけたのは一体誰？

大賢者であるアルストが側に行き確認する。

「これは前回のとは少し違う…これもまた太古の呪いのようなものだ。」

そう言った。