竜の恋人

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運命が回る

運命が回り出す

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グラグラと地面が揺れて、壁もポロポロと小石が…
一瞬潰れる?なんて思ったけれど、それはすぐに収まった。
ホッとするのも束の間、今度はあたり一面が光に覆われて…

「うゎっ、眩しい!」
「何なのよ~!」
私達や他の面々も一瞬息を止めて身構えるた。
向こうの聖女達、確かスレインという息子の友人以外は大騒ぎだ。
ここ、洞窟内だってわかってる?
響くんだよね~~~それに、危ないのよ~

「お前達、やかましい!」

そう言っ現れたのは、この世界の二神だった。
光と闇の二神であるリーミエ様とカーミエ様。
その後に…

「御主が出て来たか。懐かしいのぉ。」

のほほんといつもの口調のアルメルア神だ。

えっと?お知り合いですか?
神様は悪魔とも顔見知り??
あの扉からは悪魔が出てくると言われていたはずですが?

そんな馬鹿げたことを考えながら呆然とした。
夫も義兄達も警戒体制を解いていない。
私は夫に守られて、姉は義兄に守られている。
あの子の側は…あぁ、良かった。ジャディール殿下がついておられる。

ディアブロは…何か物知り顔だ。
何か見知っている感じがする。

「ディアブロ、説明して。何か知ってるんだろう?」
「はい。我が主人。」

耳をすませば、二人の会話がおかしい。
だって、この状況下でそう言って、そっとお茶を出してるのだもの。

「ちょうど喉が渇いて…じゃなくて!」

そう言いながら、渡されたグラスの中身は美味しくいただきましたよ。
かなりに緊張でおかしな行動をするのは理解できるけれども、それは???

この周りの緊張感とマッチしなさすぎでしょう?!

一気に飲んだグラスをディアブロに渡して、それを器用に異空間にしまったようだ。

「もう良いよ。それで。」

そこまで聞こえたら、いきなり…あれ??
そこで意識が消えてしまった。



そんな妻の姿を守りながら見ていたら、どういうわけだか異変に気がついた。
周りを見ると、皆んなの動きが止まっていたのだ。
妻達はまるで彫刻様に動かない。
私とエドワード殿下。そして友のジャディール殿下は…完全では無いが停止中と言った感じか。
思考はできるが動けない…
これはあえてディアブロが行ったのだろう。

「皆さんにもお聞かせしたほうがよろしいですか?」

聞かせた方がいいのか微妙な事なのか?だからあえて時間を止めた。
だが、我ら三人は敢えてこの状態にしたと…

「内容によるけれど…取り敢えず、ディと父と叔父は聞かせれるようにして。」
「畏まりました。」

そう言うと、パチンと指を鳴らした。おかげで我ら三人の時間が動き出す。
体勢が体勢であったから、一瞬転倒しそうになる。
妻はやはり動かない。他の者達も…

「これは一体?」
「ディアブロが時間を止めたのか?」
「何と言うか…」

うん、言いたい事は分かるよ。私もそう思ったから。しかも、神様まで止めてしまうなんて…
どんだけだろうか…

「では、ご説明させていただきます。まず、扉から最初に出て来ようとしたのは悪魔族の者です。そしてそれは後から出てきた者に背後に飛ばされたのと、聖女の力で押し込められたようです。で、次に出て来たのは神ですね。この扉、異世界空間に繋がっておりまして、扉の力によって出てこられる者が多少変わります。低俗の物はどの扉からでも出て来られますがね。あの小さき翼の小悪魔とか。本来は妖精族も通れるのですが、小悪魔を嫌っていますから、余程でない限り出てきません。それぐらいの異世界が向こうで無数に繋がっております。で、今回のは少し強力な力を持った扉ですね。これはあの神アルメルアと聖女の身体に潜んでいる神シルメールの影響でしょう。」

ディアブロの話を真剣に聞く。
そして…

「扉によって違うのは初耳だ。過去の文献にも記載されていない。」
「そうでしょうね。まぁ、ここまでの物は初めてでしょうから。これに類似した格下の扉は過去に一度。初代聖女の時に出現しています。ですから、あの当初は大変だったでしょうね。聖女に協力した神は…異世界に自分のカケラを飛ばしたぐらいですから…。」
「自分のカケラ?」
「はい。神力や魔力と言った特殊な力を枯渇状態まで使い切った場合、神の力量によって治癒再生が叶わない場合が有ります。神と言っても、永遠にとはいかない場合もあるのです。いわゆる神の死。消滅ですね。消滅の場合、本来は全てが溶け込む?吸収?まぁ完全に消えるのですが、初代聖女アカリに手を貸した神は幾つかのカケラとなって異世界に渡ったのでしょう。この世界に隠されたカケラはマスターがお持ちです。それ以外は…そうですね、母君の中にあるようです。」

「どう言う事だ!!」

思わず表情が険しくなる。
それはそうだ。ここで妻のことを言われたのだから…
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