竜の恋人

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運命が回る

運命が回り出す

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洞窟内は地図で記載されていた通りの順路であり、あの時話に出てきた魔物や魔獣達が襲ってきた。
さすが聖女達とも言える感じで打ちのめしていたけれどね…
私も夫と共に、契約妖精のルシルやサクラとソラと名付けた猫と小鳥達にお願いしながら頑張っていった。特に植物系の魔物や魔獣は私が思った通りに何とかではあるが倒せていた。

そうしながら昨日のことを思い出す。
そう、報告から、私を守るように動くシルバーの事を思い出して。
彼女は自身の秘密を打ち明けて、私にも見せてくれたことのなかったネックレスを渡していたらしい。
封印の時に役に立つものなのだろう。
彼女…当時は彼、男性体の体。その前はスライムだったけれど、その彼から渡された短剣があの時の扉の鍵だった。
だから、もしかして今度はそのネックレス。特にペンダントトップが鍵となるんじゃないかと考えたのだ。
あの時の短剣は、私が最後まで使用したのではなく、最終的に姉が…

当時のことを思い出す。そしてその結果、姉は呪われた。
呪いをかけたのは、扉では無いけれども…

もしまた呪いなのだとしたら、私が受けよう。
あの子に呪いが行かないように…呪いの矛先を自分に向けれるように。
夫達家族や姉達に相談すれば大反対されそうだけれども…

私だって、あの後多くを読みあさったんだ。
またあの時のように呪いが発動するなら。
自分の大切な人達がその標的になるなら、そうならないようにどうすれば良いのかを読みあさったんだ。
解き方も調べたけれども、それは良い結果が出なかった。
姉の腕にはまだ残されているから…

そうこう考えながら歩いて行くと、洞窟内は細道や天井が低い。もしくは広く整備されている所もあった。
さすがはダンジョンって感じ?
わからないけれども…

みんなはいつも以上に慎重に気を使いながら進んでいく。
洞窟内である為、長剣は使用できないし、炎の魔法なども慎重に使用しないと危険だからだ。
剣を使う者達は、長剣は短剣に変更し、かなり広い場所のみ長剣を使用していた。
魔法においても制御しながら周りの確認も十分に行って…

息子のカルロスは魔法で対応していた。
あの子のスキルで召喚した英霊の一人、大賢者であるアルストを師匠し、教えを乞うて頑張った結果無詠唱で行使できるようになったと、はにかみながら教えてくれた。

ディアブロとディアはカルロスの影に潜みながら護衛をしている。
あのディアブロが…
この男がどういうモノであるかはわからないが、息子をマスターと呼び心酔した感じであるから余り追及はしなかったけれども…ディアブロは影から遠隔魔法とか平気に使っていると言っていた。上位の魔法使いしかわからないだろうとも…教えてくれたのは義兄であるエドワード殿下だ。

何も知らなければ、『何で?』って感じかもしくは『自分すごい!』って過信してしまう者がいるだろう。
実質…先頭にいる聖女メンバーにそう感じている者がいるようだ。
防御結界を張ってくれているから、前衛が取り逃した物が特にカルロスを襲わないように注意してるようだった。
私達にも気を遣ってくれてるけれど…
聖女は無視なんだ。
何となくだがかなり怒っていると理解した。
息子に対しての誹謗中傷の原因はあの聖女であるし、息子に対しての彼女自身が行った行為や言動を、報告からだけれども許せなかった。
国家間の問題として提出しても良い具合だ。

我が家の子飼いがその一部始終を映像として収めた物を持ち帰ってくれたのだ。
魔道具の録画機能が付いていた物をだ。
音声が無くても、それを見ただけで理解した。
どうも一緒にいた騎士が録画して、聖女に関して他国に知れ渡らないように緘口令をしき、映像は闇に葬ろうと画策していたようだった。そう考える気持ちもわからないけれども、許せない。

それよりもだ。我が子達もスパスパ切り捨てて、うん、とってもいい。素晴らしいよ。そのドヤ顔最高!
私の可愛い子供達の成長ぶりを不謹慎だが喜んでしまった。
夫も…姉達もそう思ってくれてる気がする。

アルもエドワード達もニコニコしながら屠っていた。
姉も元聖女。現役時代よりは劣っているかも知れないけれども、未だ健在という感じだ。
私もお願いしたり、微力ながら魔力行使で、植物系の魔物は枯れて行くし、動物系は何処からか蔓が伸びてきて拘束されていくという感じだ。そこをサクサクと皆んながで片付けて行く。

カルロスの出番は今でない。まぁ最終的にはカルロスが最重要任務として必要だから力温存の方向だと思う。

そうこうして行くと…カルロスの反応がどうもおかしい。
何処かを注視している気がする。
夫も気がついたけれども、姉達夫婦もだ。だが、ちょうど厄介な魔獣と魔物が現れた為、その応戦で手が回らなかった。私もだけれどね…。

あの子の影で守っているディアブロは何故反応しない?反応はできるけど、対応できないのか??

そうこうしていると、カルロスの足元に魔法陣が現れて、体は包み込まれて…
あれは、見た事がある…けども、個人指定の転移魔法陣?
あれを刻めるのはもしかしたら…

思わず背筋が凍る。嫌な汗をかきだし、足元がふらつくような感じがする。
あれは、きっとあの男が…一体いつまであの男が…

思わず唇を噛み締めてしまった。
そんな私を急いで抱き止めに夫が近づいた。
私よりも息子の方に駆けつけて欲しいと声を張り上げたいが…出なかった。
竜人族の番に対しての執着からの行動だとしても…

抱き止められながら、震える身体を叱咤しようと頑張ってみたのだった。



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