竜の恋人

文字の大きさ
上 下
191 / 216
運命が回る

運命が回り出す

しおりを挟む
ディアブロからの説明を受け、夫と共に現地に向かう準備をしないといけない。
扉の脅威があるからだ。
夫であるアルは子供達に連絡を行った。
自分達が現地に向かうにあたって、領内を任せる必要性とかがあるからだ。

連絡を受けて直ぐに飛んできてくれた息子達。
お互いのパートナーも連れてきて…

えっと??

普通に考えたら場違いに思えるそのお方がいた。
しかも私の息子の腰をしっかりと引いてだ。
本当は、指差してはいけないんだけれども…
思わずプルプルと震わせながら指差してしまった。声は出さなかったのだけれども…

夫はなんとも言えない顔をしていた。
他の子供達もだけれども…

「あぁ、お久しぶりですね。私はルーズベルト•アステード。アステード王国の王子です。この度ご子息と婚約と婚姻を極秘に結ばせて頂きました。義父上。義母上。義兄上方もよろしくお願いします。」

「何故かそう言うことになってしまいました。逃げきれませんでした…」

我が国の王子が息子の事を懇意にしていただき、仕事においても常に側に置いていたのは知っていた。
文官として職についた次男のリカルト。
ヒト族である息子は、次男であるからセイクリオン公爵家の後継者とはなり得ない。
夫の持つ爵位の一つを渡す事はあるかも知れないけれども…

だから、次男以降は大概どの貴族も文官として務めるか、騎士として務めるものが多い。
婚約して婚姻によって相手側の家に婿入りする事もあるけれども…

この世界の常識は、この地に来てから沢山学ばせてもらったから、大体は理解できていたと思っていたけれど…

確かに、竜人族達は自ら『運命の番』を見つける能力に長けている。ヒト族とは違って…
皇太子殿下である王子と息子がそのような関係だとは、私は知らなかった。

「うん、やはりそうなったんだね。幼少の時からよく城に同行させていた時に会いに来られていたし、職務に付いていた時も他のもの達に牽制していたらしいし…身分から言い出せなかったのかもしれないけれど…」
「まぁそれもある。だが、リカルトから私を求めて欲しかったのもあってね。なかなか上手くはいかなかったけれども、最終的には婚姻できたから良しとしよう。」

そう言ってリカルトのこめかみにキスを贈っている。
リカルトは逃れようとしているみたいだけれど…うん、無理だと思うよ。彼らの執着は凄まじいからね。
そっか…リカルトもついに…

「ご主人様。準備は整いました。」
「あぁ、ディアブロ、この人数だが頼めるか?」
「大丈夫ですよ。では、荷物はこちらに…」

そう言うと、ディアが空間魔法で荷物をせっせと納めて行く。
終わればディアブロが転移魔法陣を構築させた。

「我ら屋敷の者一同で領内を守らせていただきますのでご安心して皆様でお息ください。」

家令であるベスターが代表してそう言ってくれたので、小さな孫達は留守番として、その他の子供達と数名の従者とでサークルに入り転移した。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。 長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH! 途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

【R18】絶倫にイかされ逝きました

桜 ちひろ
恋愛
性欲と金銭的に満たされるからという理由で風俗店で働いていた。 いつもと変わらず仕事をこなすだけ。と思っていたが 巨根、絶倫、執着攻め気味なお客さんとのプレイに夢中になり、ぐずぐずにされてしまう。 隣の部屋にいるキャストにも聞こえるくらい喘ぎ、仕事を忘れてイきまくる。 1日貸切でプレイしたのにも関わらず、勤務外にも続きを求めてアフターまでセックスしまくるお話です。 巨根、絶倫、連続絶頂、潮吹き、カーセックス、中出しあり。

処理中です...