竜の恋人

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異世界の扉

試練

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二人のやり取りで、やや取り残され感が…

アルメルアと名乗る神の背後に控えている二神。この世界の光と闇の二神。
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神で、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神だったはず。確か光の神は『リーミエ』。闇の神は『カーミエ』だったよね。

結構おどおどして見守っているという事は、このアルメルア神は上位神という事?で、その神と平気に会話しているディアブロって…

「まぁ良い。して、ユウリ。そちに手に入れてもらわねばならぬ物がある。ついてまいれ。」

そう言うと、クルッと向きを変えて歩き出したので、急いでついて行く。
ディアブロも私の側を離れないようについて来た。

「あれを見よ。」

見えたのは、水辺にぽっかりと浮かんで見える小島のような場所。
そこに大きな石碑が立ち、その足元には白い花が咲き乱れていた。

「あの石碑に触れればわかるだろう。お前はついては行けない。ユウリだけじゃ。」
「そう言うわけには…」
「たとえお前でもダメじゃ。これは決定事項。ユウリだけ行き、手にせねば意味がない。」

ディアブロが顎に手をかけて考えを巡らせているようだ。

「ふむ。なら仕方ありませんね。ただし、このお方に何かあれば、容赦はしませんよ。」

うん、かなり凄んで見える。ちょっと怖い。
私の事を?心配してくれているのは伝わっているんだけどね。
私を通して別の誰かを見てる気もするけれど。

「えっと、じゃあ行ってくるけど…このままで渡れますか?」
「そなたなら大丈夫じゃ。」

アルメルア神がそう頷いてくれたから、信用して水辺に近づく。
靴は脱ぐべき??

「そのままで大丈夫じゃ。」

背後から声をかけられて、振り向き、『よし!』と気合を入れて足を踏み入れた。

チャポン…

水で濡れるのを覚悟したけれど…濡れない。
まるで、あめんぼうが水面をスイスイ行く感じで、足が触れている場所に波紋が広がる。
もう片方の足も…

チャポン…

うん、水面の上にいるね…

そのままゆっくりと歩いていく。
うん、沈まない。浮かんで歩いているよ…

思わず感動しながら目的地に足を入れた。
花は背が低く、踝ぐらい。所々に飛び石のような物が見えた。

「ここを歩いていけばいいのね。」

歩幅ぐらいの間隔で置かれた飛び石を渡っていくと、石碑についた。

向こうで見るよりも大きくて綺麗だと思う。
高さは二メートルぐらいか。横幅は何とか抱き抱えれるぐらいだから…

それよりも、これに触れるように言っていたよね。

真っ白に輝く石碑に手を伸ばして、そっと触れようとしたら、そのまま…
うん、触れる事もなく、中に飲み込まれてしまった。

予想もしない。前に倒れ込み、まずいと思ったら、意外とふんわりとした物に触れて痛くなかった。
地面がふわふわのマットのような感じで、多少の沈み込みはあったけれど、大丈夫だ。

マットの正体は…

「え?スライム??何でこんな所にスライムが?」

水色のスライムのような物。魔物?会った事なかったけれど…

ぽよんと弾ませて立たせてくれた。
そして、ボールが転がるようにして…

「こっちに来いって言っているの?」

声がしたわけではないが、何となくそう言われた気がして、ついていく事にした。
でも、スライムって、こんな動き方だっけ?
アニメなどで見たのと違うんだけれど…
ほら、『ぽよんぽよ~ん』って感じで跳ねて移動したり、『スススッ』と滑るように移動するイメージが。

うん、考えるのはやめよう。
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