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異世界の扉
異世界の扉
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翌朝、姉達は浄化巡礼のメンバーだけで出向いていった。
護衛の騎士達も行きたがっていたようだが、この地と障壁の方の対処が必要という事でそうなったようだ。
障壁に対しての指示はキャラハン殿下が行っていくから大丈夫なのだとか。
それなりの魔法具を使用もするしとも言っていた。
オーリス殿下は扉の方に残り指示していくらしい。
私達は、少し距離があるために、竜体での飛行で移動となった。
私はアルに乗せられて、ディアブロは自分で飛んでいた。
グレデリックの背中にはロインが乗っていた。
いつの間に合流していたんだろう!?
他の者達は扉の方で協力するようにおいて来たんだけれどね。
ディアブロがそうした方が良いと進言し、オーリス殿下も、『そうしてくれたらありがたい』と言われてだ。
あと、既に城から目的地で合流予定の聖職者と魔塔の者、騎士達が向かっているとの情報ももらい、協力する事になっていた。
「もう少しで目的地です。ほら、あの前方に。」
ディアブロが指差して教えてくれる先を見つめる。
うん、ものすごくどんよりしている。
あんなどんよりしている場所を、姉は頑張っていっているのか…
すごいね…
それよりも、こんな高速移動で飛んでいる竜体の竜人族の者とほぼ互角で飛べるディアブロって、どれだけ凄いのだろうか。
しかも、平然としている…
見えて来たのは場所には既に数十人が待機していた。
ゆっくりと降りていき、アルは竜体から人の姿に戻りながら、私を抱き抱えて地面に降り立った。
後方のグレデリックもロインもそれぞれに器用に降り立っていた。
「ようこそおいでくださいました。ご協力感謝致します。」
「あぁ、こちらこそよろしく頼む。それで…」
アルが現状を確認し、すぐさま目的地に向かうと告げて来た。
「ここは湿地帯ではありますが、元々はこれほどひどい状態では…」
「えっと、グレデリックはこの辺りのことを知っているの?」
「はい。私とロインはこの近隣に幼い頃住んでいましたから…」
そう言いながら、当時の事を少しだけ話してくれた。
自分達の幼少期のこの地域がどうであったか。
当時の自分達の身の上をほんの少しだけ。
自分が知っている場所が、こんな状態に陥っているのは悲しい事なのだと思う。
湿地帯ゆかりの植物は枯れてしまい、広範囲がヘドロ状態になっている。
生き物は、生息していないんじゃないかと思われるほどの、何とも言えない状態だった。
見渡す限りの悪環境。特に奥に見えるものが何とも言えない状態で…
沼地から這い出てくるのは、ドロドロ状態からヘドロが流れ落ちて這い上がる魔獣。
まるで巨大な猿。
牙を剥き出し、威嚇するように襲って来た。
ある騎士は剣で薙ぎ倒し、魔塔の者達であろう者達は、ロッドを使って魔法を展開して攻撃していた。
アルは私の周りに来るものを弾き飛ばし、切って捨てた。
ディアブロも、何だか楽しそうに屠っているよう…
皆んなの戦闘風景を、まるで映画を見る観客のように見つめてしまった。
そう、大迫力パノラマ状態で見ている感じだ。
「ユ~リ。ちょっと行ってくるね~」
そう言っていきなり姿を現したルシルが飛んでいき、その後をサクラとソラがついていく。
この国の聖職者が祈りを捧げて、光り輝き、それを助長させるように飛んでいた。
すると、一気に風が吹き、光の粒子が舞いながら辺り一面を覆い隠していく。
結局私はただアルに守られて、見守るだけだった。
何もしてないよね…
護衛の騎士達も行きたがっていたようだが、この地と障壁の方の対処が必要という事でそうなったようだ。
障壁に対しての指示はキャラハン殿下が行っていくから大丈夫なのだとか。
それなりの魔法具を使用もするしとも言っていた。
オーリス殿下は扉の方に残り指示していくらしい。
私達は、少し距離があるために、竜体での飛行で移動となった。
私はアルに乗せられて、ディアブロは自分で飛んでいた。
グレデリックの背中にはロインが乗っていた。
いつの間に合流していたんだろう!?
他の者達は扉の方で協力するようにおいて来たんだけれどね。
ディアブロがそうした方が良いと進言し、オーリス殿下も、『そうしてくれたらありがたい』と言われてだ。
あと、既に城から目的地で合流予定の聖職者と魔塔の者、騎士達が向かっているとの情報ももらい、協力する事になっていた。
「もう少しで目的地です。ほら、あの前方に。」
ディアブロが指差して教えてくれる先を見つめる。
うん、ものすごくどんよりしている。
あんなどんよりしている場所を、姉は頑張っていっているのか…
すごいね…
それよりも、こんな高速移動で飛んでいる竜体の竜人族の者とほぼ互角で飛べるディアブロって、どれだけ凄いのだろうか。
しかも、平然としている…
見えて来たのは場所には既に数十人が待機していた。
ゆっくりと降りていき、アルは竜体から人の姿に戻りながら、私を抱き抱えて地面に降り立った。
後方のグレデリックもロインもそれぞれに器用に降り立っていた。
「ようこそおいでくださいました。ご協力感謝致します。」
「あぁ、こちらこそよろしく頼む。それで…」
アルが現状を確認し、すぐさま目的地に向かうと告げて来た。
「ここは湿地帯ではありますが、元々はこれほどひどい状態では…」
「えっと、グレデリックはこの辺りのことを知っているの?」
「はい。私とロインはこの近隣に幼い頃住んでいましたから…」
そう言いながら、当時の事を少しだけ話してくれた。
自分達の幼少期のこの地域がどうであったか。
当時の自分達の身の上をほんの少しだけ。
自分が知っている場所が、こんな状態に陥っているのは悲しい事なのだと思う。
湿地帯ゆかりの植物は枯れてしまい、広範囲がヘドロ状態になっている。
生き物は、生息していないんじゃないかと思われるほどの、何とも言えない状態だった。
見渡す限りの悪環境。特に奥に見えるものが何とも言えない状態で…
沼地から這い出てくるのは、ドロドロ状態からヘドロが流れ落ちて這い上がる魔獣。
まるで巨大な猿。
牙を剥き出し、威嚇するように襲って来た。
ある騎士は剣で薙ぎ倒し、魔塔の者達であろう者達は、ロッドを使って魔法を展開して攻撃していた。
アルは私の周りに来るものを弾き飛ばし、切って捨てた。
ディアブロも、何だか楽しそうに屠っているよう…
皆んなの戦闘風景を、まるで映画を見る観客のように見つめてしまった。
そう、大迫力パノラマ状態で見ている感じだ。
「ユ~リ。ちょっと行ってくるね~」
そう言っていきなり姿を現したルシルが飛んでいき、その後をサクラとソラがついていく。
この国の聖職者が祈りを捧げて、光り輝き、それを助長させるように飛んでいた。
すると、一気に風が吹き、光の粒子が舞いながら辺り一面を覆い隠していく。
結局私はただアルに守られて、見守るだけだった。
何もしてないよね…
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