竜の恋人

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異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ

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「ユーリ。」

急にポンとと肩を叩かれてビクッとする。
ここは誰でも入れないはずだから、そんなにビクビクする必要性は無いんだけど…

ゆっくりと身体の向きを変えられて、抱きしめられる。
こんな事をするのはこの人だけだ。
思わず囲われた腕の中に更に入り込むように引っ付いてみた。
ピクッと身体を震わせながらも、嬉しそうにつむじにキスを贈られる。

「楽しそうにしていて悪いんだけれど、約束を忘れては困るよ。」

そう言って、そっと頬を撫でられた。

「頑張りすぎ。お昼、食べ忘れてるだろ?リン達から連絡が飛んできたよ。」

思わず腕から逃れて背後を振り返ると、やれやれと言う感じで二人が立っていた。

お茶は何度か飲んだけど、そういえば集中しすぎたかもしれない。
だって、妖精や精霊達がせっかく祝福を送ってくれた素材があるからと…

作り終えた棚には、ぎっしりと…

二人の手伝ってくれたから、いつも以上に出来上がっていた。

「作ってくれたのは有難いけど、無理はダメだと言っただろ?困ったもんだ。」

そう言って、抱き上げられて強制終了。
『今日はここまで』と言われてしまえば、無理強いはできない。
作業禁止令でも出されては困るんだ。


「後片付けなどは、こちらでしておきますね。」

そう言って、ここの管理を任されている者達からも追い出されてしまった。

「おろして…欲しいな…」
「だ~め。これもお仕置きだ。向こうで軽食を準備しているから、一緒に食べよう。」

そう言って、長い脚ですたすたと連れて行かれたのは、庭園の中にある東屋だった。
そっと横に下ろしてくれたら良いものを、膝の上にそのまま降ろされて、恒例の餌付けタイムだ。

「これも美味しいよ。」

そう言って差し出されたサンドイッチを美味しくいただく。

「ふふふっ、ここに付いてる。」

そう言っては、唇を舐められて、顔が火照るのは仕方ない。

「この果汁のジュースも美味しいよ。疲れが取れる効果もあるしね。」

そう言って渡してくれると手を出すも、スルーされて、口元に持ってこられた。

「自分で飲めるのに…」

苦言を言ってもニコニコしながら取り合ってもらえず、もう諦めた。

「約束を破った私が悪いんです。御免なさい。だから、もう許して…」

上目遣いで懇願し…

「仕方ないな…次からは気をつけてね。でも、おろすのは無しだ。」

グラスをやっと手渡してもらい、自分で飲む事を許可してもらった。

竜人族、恐るべし…
しっかりと心に刻んだが…
多分またやらかしそうだ…
うん、気をつけよう…



そう強く心に刻み込んだ。

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