竜の恋人

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異世界生活

異世界(アルホンス)

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「明日は薬草研究所の方に行く予定だと聞いている。この手紙が本当であれば、明日以降は俺は付かなくてもいいか?」
「ん~~~~」

瞳を閉じて思案しているようだ。
この手紙には、明後日ぐらいにこちらに来ると書かれている。
それで屋敷内は大急ぎで準備しているのだろう。
いつもより従者や侍女達が、家令や執事の指示で動いていたか…
この屋敷は辺境にあり、国境の関係や薬草関係で隣国の者達をもてなす事も多いであろう。
慣れているとはいえ、来訪者が多いと慣れば大変だ。
しかも、高貴の者となれば尚更だ。

皇太子からこちらの領主にこの件も頼むと言ってきてるのであろう。

「そうだな。多分エルデガルド•オリクサ殿下が動かれるだろうから、様子を見ながらだな。向こうの邪魔だけはするなよ?」
「するわけないだろ?これでやっと、やっと側に入れる。やっとだ~~~」
「そうだな。無理言ってすまん。もう少しだけ付き合ってやってくれ」
「あぁ、わかった」

その返事を聞いて展開していた結界を解いた。

「それじゃ、頼んだ。まだ問題はあるが少しはマシになる。が、気を抜くなよ。相手は魔塔に在籍している者だ。何をしでかすか…協力者は巡礼についているから、そちらは当てにできないだろう。浄化巡礼は大切なものだからな。彼らしか出来ない事だ。例の扉が開かれたら、この問題だけでは済まされないからな!」
「わかっております殿下。それでは失礼させていただきます」

そう言って例をして部屋を出た。
これで一つ、いゃ、二つは問題が解決するかもしれない。

「はぁ…………」

今までの悩みが一挙に減ることの喜び。
今まで何だったのだろうと思うぐらいだ。

部屋に戻る前に、彼女がいた場所に赴く。
ここに彼女がいた。
悲しそうにしていた彼女。
もしかしたらと期待もするが、それ以上にその時自分はなぜ側に入れなかったのだろうかと思う。
仕方がないとはいえ…

この事は彼女は知らない。
そうでなくても、多くに悲しみを負わされたのだ。
この世界に連れてこられ、姉と引き離され、姿、そう、あの綺麗だった彼女の色。瞳と髪の色を奪われた。
仕方がないと理解できるが、それでもだ。
そして、人と扱わない考えを持つ者に狙われている。
絶対に奪わさせない。
彼女は私のものだ。奪われるわけにはいかないし、奪わさせない。
以前殿下にもお伝えしたが、場合によっては…
許可は取り敢えず得ている。
極力そうならないと良いとも言われている。

この国の皇太子にも仕方ないと了承を得たとも言っていた。

国益にならず、ただ害にしかならないのであれば、例え異母腹の弟であろうと切り捨てる。
国を預かる者として、当然だと理解している。

さて、明日の準備をするか。
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