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異世界生活
異世界(アルホンス)
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殿下から見せられたのは二通の手紙であった。
一つはロザリアン神聖国の皇太子、フェリックス•ロザリアンからの物。
もう一つは、『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下だった。
「フェリックス皇太子殿下は分かりますが、エルデガルド王弟殿下の書状がなぜ?この前の討伐に関しての令状であれば理解できますが??」
「そうだね」
そう言って一口お茶を口にし、『まずは読んでみろ』と促された。
本来なら、自分が読んでいい物でないだろうが、許可されるにであれば…
とりあえず、ロザリアン神聖国の皇太子、フェリックス•ロザリアンからの物を手に取る。
現在の聖女巡礼の状態に関してと、現在の瘴気問題に関して。
そして、例の危険人物に関しては、まだまだ調査中及び対策続行中と記載されていたが…
これは??
「これは本当ですか?一体いつ?彼の方は国からいつ出られた?」
「本当にね。気ままなお方だからね。しかも、薬草研究に熱心でおられたから、こちらの薬草園にフラット来られて向こうに急ぎ戻られたみたいだ。さすがエルフ族というか何というか…こちらに来た事は連絡もなかったし、会ってもいないんだがね。もちろん、ここの領主であるアルバート•シュタルク殿もご存知なかったようだ。同じ内容のものを頂いたとさっき来られて言っていたか。そしてもう一つの方だ読んでみろ」
クスクス笑いながらそう勧められ、もう一つを読む。
この前の討伐に対しての感謝から始まり、現在の自国の瘴気問題の事。聖女が巡礼で現在訪れているという事には驚いた。
もうそこまで来ているのか。出来る事なら、会わせてあげたいと思った。
姿は変わっても双子の姉妹だ。直ぐに理解してくれるし、喜び合えるだろう。
だが、危険性もある。
どこに奴の目があるかわからない。
上手くかわしながらも、虎視眈々と狙っているのは知っている。
この屋敷に、あの皇女達以外で潜り込もうとした者は全て排除して行った。
領主と研究所所長という男の協力もあってだ。
あの男も中々のものだ。
見た目で判断すれば痛い目に遭う。
そして、その男を補佐し、ユウリの指導と称している男もだ。
国境に住む者達であるから、屈強な男達で当たり前と言われればそれまでであるが…
これは…
「なっ?朗報。天の助けと言ってもいいだろう?」
「本当に?」
「あぁ、影の者達からの報告もある。驚いたがな。皇女がこの領内。屋敷に来他頃に知ったようだ。お前との関係をしつこく聞いて来たみたいだ。フェリックス皇太子にな。俺の方にも問い合わせの書簡が来たか?まぁ、その時は気にせずにいたんだ。もっと早く教えておけばよかったな」
そう言って楽しそうにしている。
まさか…そんな事があるとは…
「まぁ、皇女はその事は知らん。ヒト族であるからな。そこは慎重にと思っているんだろう。まぁこれで少しは楽になるだろ?」
「あぁ、これが事実で、実際にそうなればかなりの安心になる」
「というわけで、明日は?」
脚を組み直して、少し前屈みになり聞いて来た。
俺の表情を楽しんでニヤッとしている。
コイツには学生時代から敵わない。
歳は自分の方が上であるが、成長過程で彼は凄まじい成長を見せ、他の者達より早くアカデミーに入った。
おかげで同期の学友であり、悪友。親友でもあるのだが…
一つはロザリアン神聖国の皇太子、フェリックス•ロザリアンからの物。
もう一つは、『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下だった。
「フェリックス皇太子殿下は分かりますが、エルデガルド王弟殿下の書状がなぜ?この前の討伐に関しての令状であれば理解できますが??」
「そうだね」
そう言って一口お茶を口にし、『まずは読んでみろ』と促された。
本来なら、自分が読んでいい物でないだろうが、許可されるにであれば…
とりあえず、ロザリアン神聖国の皇太子、フェリックス•ロザリアンからの物を手に取る。
現在の聖女巡礼の状態に関してと、現在の瘴気問題に関して。
そして、例の危険人物に関しては、まだまだ調査中及び対策続行中と記載されていたが…
これは??
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「本当にね。気ままなお方だからね。しかも、薬草研究に熱心でおられたから、こちらの薬草園にフラット来られて向こうに急ぎ戻られたみたいだ。さすがエルフ族というか何というか…こちらに来た事は連絡もなかったし、会ってもいないんだがね。もちろん、ここの領主であるアルバート•シュタルク殿もご存知なかったようだ。同じ内容のものを頂いたとさっき来られて言っていたか。そしてもう一つの方だ読んでみろ」
クスクス笑いながらそう勧められ、もう一つを読む。
この前の討伐に対しての感謝から始まり、現在の自国の瘴気問題の事。聖女が巡礼で現在訪れているという事には驚いた。
もうそこまで来ているのか。出来る事なら、会わせてあげたいと思った。
姿は変わっても双子の姉妹だ。直ぐに理解してくれるし、喜び合えるだろう。
だが、危険性もある。
どこに奴の目があるかわからない。
上手くかわしながらも、虎視眈々と狙っているのは知っている。
この屋敷に、あの皇女達以外で潜り込もうとした者は全て排除して行った。
領主と研究所所長という男の協力もあってだ。
あの男も中々のものだ。
見た目で判断すれば痛い目に遭う。
そして、その男を補佐し、ユウリの指導と称している男もだ。
国境に住む者達であるから、屈強な男達で当たり前と言われればそれまでであるが…
これは…
「なっ?朗報。天の助けと言ってもいいだろう?」
「本当に?」
「あぁ、影の者達からの報告もある。驚いたがな。皇女がこの領内。屋敷に来他頃に知ったようだ。お前との関係をしつこく聞いて来たみたいだ。フェリックス皇太子にな。俺の方にも問い合わせの書簡が来たか?まぁ、その時は気にせずにいたんだ。もっと早く教えておけばよかったな」
そう言って楽しそうにしている。
まさか…そんな事があるとは…
「まぁ、皇女はその事は知らん。ヒト族であるからな。そこは慎重にと思っているんだろう。まぁこれで少しは楽になるだろ?」
「あぁ、これが事実で、実際にそうなればかなりの安心になる」
「というわけで、明日は?」
脚を組み直して、少し前屈みになり聞いて来た。
俺の表情を楽しんでニヤッとしている。
コイツには学生時代から敵わない。
歳は自分の方が上であるが、成長過程で彼は凄まじい成長を見せ、他の者達より早くアカデミーに入った。
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