竜の恋人

異世界生活

異世界生活

専属侍女であるエルザさんは、何事もないようについて来てくれていた。
部屋に戻り、『何かありましたら、お呼びください』と言って、一人にもしてくれた。
まるで、母親のように見守られてる感が…

それよりもだ。
私はアルにどう接したら良いんだろうか…

「距離、そうよ、距離を置こう。朝食もここに運んでもらって、護衛も外れてもらおう。ほら、きっとお仕事忙しいはずだから、無理に私の護衛する必要ないはず。魔獣討伐に参加してもらう方が、この領地の人達にも良いだろうし、薬草をとりに行きやすくなるよね。うん。それが良い…」

頭の中での考えをそのまま口にしながら計画を…
何故か虚しく感じてしまう。

気のせい…そう、気のせいよ。
あんなに素敵な男性だから、きっとお国とかでもモテるだろうし…
この屋敷でも、モテているのは知っている。
侍女達が噂話をしていたから…

私は『要らない』と言われたのだ。
この国のあの人達に。
とりあえずで姿を変えて、生かされているだけだろう。
姉に何かあればの時のために。

姉のような期待された『力』は無いけれど、同じ異世界から渡って来たのだから…

部屋の窓から外を見る。
いつか夕陽が沈みかけて…

何やら光が私の側に…
なんだろう？
温かい光。

まるで私に好意を向けるようにまとわりつく。
何か言いたいのだろうか？

「あなたは誰？私にようがあるのかしら？お友達になりたいの？なってくれる？」

声をかけると、反応するように回り出す。
頷いてくれているようだ。

「お友達になってくれるの？なら、姿を見せて欲しいな…」

側から聞けば、独り言のように呟くと、飛び交っていた光がまるで破裂するように…
眩しすぎて、目を閉じる。
そこに現れたのは、可愛らしい小さな女の子？