竜の恋人

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異世界生活スタートです。

デート

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翌朝は、清々しいほどのお天気になりました。

エルザさん達に動きやすい服をお願いしたら、男の子の服が届けられた。
着心地の良い木綿のようなシャツに、長ズボン。ベストとジャケットもついていた。
シャツとズボンは少し長かったので、折々して着たんだけど、うん。いい感じだ。

「流石ですね」

そう呟くように言っている侍女ズですが、何が流石なのでしょうか?
でも、ありがたいです。
動き回るのは、やっぱりズボンがいい。
この世界に女性用のズボンスタイルがあるかどうかは?
あるにはある?そうなの?
これとは違う?
そうなんだ。
なら、私ように数着お願いできるかな?
便利だし…

そう言うと、『伝えておきます』と返事が来た。
衣服担当者に伝えてくれるんだろう。
ごめんね。無理言って…

髪を結んで準備ができた。
アルが迎えに来てくれて、なんだか異常なほど喜んでいるけど、まぁいっか。

「似合うよ」

そう言ってくれたのは嬉しかったから。

「行こっか」

そう言って連れて行かれた場所には、えっと…
思っていたのと違う『馬』がいた。

「あぁ、ユウリの世界の馬とは違うんだったか?確かそう書いていたな…この馬は、ユーデルという種類だ。軍用によく使われる種類でね、竜人族の国に多くいるんだ。牝馬だよ。『シュリル』って言うんだ。シュリル。僕のユウリだよ。可愛いだろ?」

そう言って、額のあたりを撫でていた。
連れているのは、黒毛の艶々した馬に翼が付いてて、額にツノが縦に並んで二本ある。
日本での馬よりも、かなり大きいと思うのよ。
筋肉もがっしりついていて、瞳は…可愛い。

「触っても大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。」

シュリルに触ってもいいかと確認したら、そっと頭を下げてくれた。
うん。可愛い。
思わず頬擦りしてしまったけれど、嫌がられる事はなかった。

「さてと」

そう言うと、ひらりと飛び乗って、私に手を伸ばしてくれる。
私も手を伸ばすと、そのまま勢いよく引き上げてくれた。
ストンと前に乗せられ、後ろから支えられる。

おっかなびっくりの私だけど、『大丈夫』と言ってくれるから、安心してしまっていた。
そのまま駆けていく景色がなんとも言えない。

「喋っても大丈夫だ。きちんと魔力操作しているから、舌を噛むこともないし、落としもしないよ」

そう言って笑っていた。
楽しい………
ついつい浮かれて楽しんでしまったが、今だけは許されるだろうか…
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