竜の恋人

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異世界生活スタートです。

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屋敷では、エルザさんと侍女ズが待っていた。
待っていたんだけど、みんなの間を駆け抜けるように走り過ぎ、エルザさん達が慌てて追いかけてきた。
アルもすごいけど、エルザさん達もすごい。
あの長いスカートでその速度で走ってこれるのね…

ついた先は、私の私室。
ドアを器用に開けて、ソファに座らされた。
追いついたエルザさん達に私を託して、アルは颯爽と出ていった。
私は走ったわけではないけれど…
はぁはぁと肩で息をしています。

「ユーリ様、どうぞ」

渡された果汁が入ったお水をもらう。
うん、爽やか~~~じゃなくて…

「入浴の準備ができていますよ。さぁ」

侍女ズに有無も言わさず連れて行かれ、チャプンと音をたてながら湯に浸かる。
もういいですよ…

諦めて、お風呂を堪能した。
髪もマッサージされながら洗われるのは気持ちいい。
身体は自分で洗うって抵抗してたけど、抵抗虚しくいつも洗われてしまっているから、諦めた。

「あっ、またこんな所に。いつのまに…」

そんな声が聞こえてきたが、問いただそうにもいつも誤魔化されるから、気に留めるのもやめた。
虫にでも刺された跡があるのかもしれない。
前にも赤くなっていた所あったしね。
薬草園だから、虫もいるわよ。
昔、ハーブを植えて育てていた時も、知らない間に虫に刺されていたってあったものね。

ケイトさんとエミリーさんにシリルさん特製オイルで全身マッサージの施術まで受けて、少し休憩する。
夕食までまだ時間がある。
借りておいた本を眺めて…

いつのまにか、アルが戻ってきていた。
侍女ズやエルザさんは席を外してくれていた。

「ユウリ。明日の件。頼んでおいたよ。朝食後迎えにくるからね」

そう言って、森の地図を見せてくれた。
日本で見た地図とはちょっと感じは違うけれど、上空から見た感じの地図はわかりやすい…
手書き?

「あぁ、俺が描いたんだ。頭上を飛んでいた時に見たからね。もう少し詳しく書けなくてごめんね」
「いゃいゃ…アルが描いたの?」
「ん?そうだよ。こう言うのはよく描くんだ。領地の確認とか、補給物資を運ぶ時のルート確認とかね。どの種族も上空を飛べるわけではないから、便利でしょ?」

そうなんだ。確かに上から見た地図は誰でもが…
便利だけど……

納得と感心しながら地図を眺める。

「ここがこの屋敷。そして、このルートで馬を走らせようと思う。」
「馬の手配もしたんだ。私、乗ったことないよ」
「俺の馬だから大丈夫。」
「俺の馬?いつの間に連れてきたの?」

確か、飛んでたよね。上を…
その時、馬いた?

詳しく聞いたら、呼んだら自分でここまで来たんだって。
異世界あるあるなのか?
呼んだら勝手にくるなんて?

そんな事をきいたら、訓練したら出来るらしい。
全ての馬がそうではないのだろうが…
明日会うのが楽しみだ。
うん。もう、そう言う事にしよう…
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