竜の恋人

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異世界生活スタートです。

とりあえずは…

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エルザさんが苦笑いしている。
そういう訳なんだね……


「姉は元気にしてるのだろうか…」

ポソっと呟いてみた。
『聖女様』の仕事って、危険はないのだろうか…

「聖女様は、この国の事を少し知っていただきながら、討伐隊と同行されると思いますよ。かなりの精鋭部隊ですから大丈夫だとは思いますが…」
「精鋭部隊?」
「はい。『瘴気』の増加で、魔獣やそれ以上のモノが出現し、全ての国に被害が出てしまうと、どの国も混沌となってしまうため、各国から集って協力しながら行動されているんですよ。」

そんな話を歩きながらしていると…見た事がある花が…

「あれは?」

そう言って、気になる場所を指差した。

「あぁ、あれは薬草園です。自然豊かで気候も良いこの領地では、薬草を多く栽培しています。隣国に住んでいるエルフ族などは、薬草学などに特に精通しておりまして、その影響かこの地でも栽培され、ポーションも作られているんですよ。」
「ポーション?」
「はい。ポーションです。回復薬ですね。ヒト族が作るポーションは性質がよろしいですから…」

「ゲームの世界のようだ…でも、何でヒト族が作るのは性質が良いのだろう?エルフ族が精通してるんだよね。エルフ族が作った方が性質が良いように思うんだけど…」

薬草園に植っている植物をマジマジと見つめる。
ラベンダーにそっくりだ…

「それはラベンダーと言う薬草です。『ゲーム』と言うのはよくわかりませんが、『ヒト族』の魔力はどの種族にも相性が良いんです。ですから、『獣人族』の方々のように、『番』を持たれる種族に治療として魔力を送ると、心地よく感じてしまい、勘違いされる事が多いのです。」

「??????」

首を傾げてしまう。

「聖女様方の故郷の世界では、『番』の概念がないとお聞きしています。簡単にいえば『相性』でしょうか?こちらもまた、講師から説明があると思いますが、『番』の関係の場合、お互いの魔力を交換するように流すと、心地よく感じますが、そうでない場合、拒絶反応と言いますか、痛みや気分不快。嘔気嘔吐や発熱などの様々な症状が出るんです。それでも、治療として必要なら、治癒魔法の一つとして魔力を相手に流すのですけれどもね…『ヒト族』はどの種族に流しても、その拒絶反応が見られないのです。ですが、逆に『番』でない他種族から魔力を流されると、拒否反応が出るんです。それが、『ヒト族』に関しての、『番』かどうかの判別の仕方です。で、ポーションを作る際、薬草を煮込んで抽出液を作るのですが、その際に魔力を流して作ります。誰でも作れるわけではなく、ある一定以上の魔力操作や魔力自体必要ですが、他種族に拒否されにくい魔力である『ヒト族』の魔力で作った場合、結果、良い物ができる事が理解できると思います。」

「何となく理解できました。」
「説明が下手で申し訳ありません。」
「いえいえ、ありがとうございます。」

そっか。相性ってあるんだ…
じゃ、魔力を流さず、薬としてなら、他種族でも問題ない…
『ヒト族』はポーション作りが得意で、エルフ族は、薬を調合するのにたけてるかもしれないなぁ…
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