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未来のために
未来のために
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それから数ヶ月後、あの未来視で見た事を考慮して行動しようとノートにいっぱい書き出す作業に没頭した。
エドワードも、取り逃した者達の追跡調査を各国に依頼したり、魔獣被害で崩壊した地域の復興のために多くの者を派遣したり、ギルドを通して冒険者達に協力を得たりしていた。
北にある障壁も再度確認を行い、騎士達を駐屯させる手筈も整えた。
魔族達の中には協力的な者もいる事がわかり、その者達を通しての流通確保も行っているらしい。
障壁を取っ払うのかと思ったけれど、それはしないほうが良いとの事。
それは、向こう側からの指摘と案だった。
魔族の中でも階級のようなものがあり、人を襲う恐れがある者も多くいるためだとか。
お互いの物資を交換したり、知識の交流は大いに喜ばしいが、被害が出るものは出来るだけ遠ざけた方が良いと…
詳しい事はよくわからないし、この世界の事も熟知していない私がしゃしゃり出るのは可笑しいから、うん、聞き流そう…
宗教関係もなんだかあるようだしね…
向こうはこの世界ではない神、悪魔信仰があるらしいから…
でも、よくよく聞くと、悪魔信仰は一部の過激派らしい。
どの世界も過激派はいるんだね…
もう、考えたくないよ…
まぁ、それよりもだ。未来視しで見た事を…
「そんなにこんを詰めて、大丈夫か?」
背後から覗き込まれるが、うん、読めないだろう。
何せ、日本語で書いてあるのだから。
元日本人なら読めるだろうけどね。
ほら、過去に来た聖女達とか…
一部の聖女が伝えてたりして…知らないけど…
「うん、読めないな。何を書いているの?」
「秘密。でも、大切なものだよ。」
そう言って、背後の愛しい人にそっと手を伸ばした。
忙しい合間に、この男は私との婚姻を結んでしまった。
ほぼ身内での式を挙げて…
国全体には、今は復興が大切であるからと、大きな婚姻の儀式は行わないとし、聖女との婚姻を発表してみせた。
過去の事例もあったらしく、周りからの反対もねじ伏せたらしい。
私が『聖女』出会った事も、婚姻に結びつけれるものであったらしい。
まぁ、彼のことは…うん、好きだしね…
「沙也加?なんだか眠そうだね。体調が悪いのか?」
そっと抱きしめられて、何やら確認しているようだが…
「………」
「どうしたの?」
「うん、休もう。服も薄着はダメだ。身体を冷やしてしまう。それから、そう、医師を…」
そう言い出して、そっと私を抱き上げながら、背後に控えていた者達に指示を出していく。
バタバタと駆け出す者もいるなぁ…
エレンに手伝ってもらい、寝衣に着替えさせられて、ベッドの住人。
そうこうすれば、医師が息を切らすようにして入ってきて、医師とエレン、エドワード以外、外に出された。
エドワードも出されそうになったが、自分は夫であるからと強く拒んで同席。
結果は…
どうもできたようだ。
私のお腹の中に彼の子供が…
なら、この後は…
嬉しいのと、この後に起こる未来視で見たものを思い浮かべる。
「沙也加…」
いつのまにか、部屋は私とエドワードの二人きり。
「沙也加。ありがとう。これからは家族で頑張っていこう。私は国を預かる者であるから、兄達の協力を得て全力で君や子供達を守るよ。そして、あの時見た未来の…」
「うん、ありがとう。お腹の中にあなたの…エドワード、エドの子供がいるなんて…実感はわかないけれど…でも嬉しい。未来視で見た多くの中から、絶対にみんなが幸せになる方を選んでいくよ。家族を守るんだ…」
「そうだね。だが、私にとって一番は君だ。忘れないで…愛しているよ。」
そう言ってさらに抱き込まれてしまう。
彼の胸に耳を傾けて聞こえてくる心音と体の温もりで安心感をもらいながら…
絶対に、幸せになる。
ママと一緒に頑張ろうね。
そう呟いてしまった。
エドワードも、取り逃した者達の追跡調査を各国に依頼したり、魔獣被害で崩壊した地域の復興のために多くの者を派遣したり、ギルドを通して冒険者達に協力を得たりしていた。
北にある障壁も再度確認を行い、騎士達を駐屯させる手筈も整えた。
魔族達の中には協力的な者もいる事がわかり、その者達を通しての流通確保も行っているらしい。
障壁を取っ払うのかと思ったけれど、それはしないほうが良いとの事。
それは、向こう側からの指摘と案だった。
魔族の中でも階級のようなものがあり、人を襲う恐れがある者も多くいるためだとか。
お互いの物資を交換したり、知識の交流は大いに喜ばしいが、被害が出るものは出来るだけ遠ざけた方が良いと…
詳しい事はよくわからないし、この世界の事も熟知していない私がしゃしゃり出るのは可笑しいから、うん、聞き流そう…
宗教関係もなんだかあるようだしね…
向こうはこの世界ではない神、悪魔信仰があるらしいから…
でも、よくよく聞くと、悪魔信仰は一部の過激派らしい。
どの世界も過激派はいるんだね…
もう、考えたくないよ…
まぁ、それよりもだ。未来視しで見た事を…
「そんなにこんを詰めて、大丈夫か?」
背後から覗き込まれるが、うん、読めないだろう。
何せ、日本語で書いてあるのだから。
元日本人なら読めるだろうけどね。
ほら、過去に来た聖女達とか…
一部の聖女が伝えてたりして…知らないけど…
「うん、読めないな。何を書いているの?」
「秘密。でも、大切なものだよ。」
そう言って、背後の愛しい人にそっと手を伸ばした。
忙しい合間に、この男は私との婚姻を結んでしまった。
ほぼ身内での式を挙げて…
国全体には、今は復興が大切であるからと、大きな婚姻の儀式は行わないとし、聖女との婚姻を発表してみせた。
過去の事例もあったらしく、周りからの反対もねじ伏せたらしい。
私が『聖女』出会った事も、婚姻に結びつけれるものであったらしい。
まぁ、彼のことは…うん、好きだしね…
「沙也加?なんだか眠そうだね。体調が悪いのか?」
そっと抱きしめられて、何やら確認しているようだが…
「………」
「どうしたの?」
「うん、休もう。服も薄着はダメだ。身体を冷やしてしまう。それから、そう、医師を…」
そう言い出して、そっと私を抱き上げながら、背後に控えていた者達に指示を出していく。
バタバタと駆け出す者もいるなぁ…
エレンに手伝ってもらい、寝衣に着替えさせられて、ベッドの住人。
そうこうすれば、医師が息を切らすようにして入ってきて、医師とエレン、エドワード以外、外に出された。
エドワードも出されそうになったが、自分は夫であるからと強く拒んで同席。
結果は…
どうもできたようだ。
私のお腹の中に彼の子供が…
なら、この後は…
嬉しいのと、この後に起こる未来視で見たものを思い浮かべる。
「沙也加…」
いつのまにか、部屋は私とエドワードの二人きり。
「沙也加。ありがとう。これからは家族で頑張っていこう。私は国を預かる者であるから、兄達の協力を得て全力で君や子供達を守るよ。そして、あの時見た未来の…」
「うん、ありがとう。お腹の中にあなたの…エドワード、エドの子供がいるなんて…実感はわかないけれど…でも嬉しい。未来視で見た多くの中から、絶対にみんなが幸せになる方を選んでいくよ。家族を守るんだ…」
「そうだね。だが、私にとって一番は君だ。忘れないで…愛しているよ。」
そう言ってさらに抱き込まれてしまう。
彼の胸に耳を傾けて聞こえてくる心音と体の温もりで安心感をもらいながら…
絶対に、幸せになる。
ママと一緒に頑張ろうね。
そう呟いてしまった。
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