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扉
試練
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いつもと違う雰囲気を醸し出されて、どうしたらいいのか心配になり、立つように促したが、首を横に振られた。
「こんな時に言うことで無いことも、行動するべきで無いことも十分理解している。だが、言わせて欲しい。」
そっと片手を取られて、手の甲に唇を…
手の甲にキスされた。
挨拶とかでされる奴だけれど、今は少し違う気がする。
「異世界から我が世界に降り立つ聖女。秋本 沙也加様。貴女のおかげで我らの世界は恐怖から救われつつある。いつも感謝しております。」
「はい。」
とりあえず頷いて返事をしてみた。
私を見つめる瞳に吸い込まれそうになる。
「沙也加。私の愛しい人。貴女が私の目の前に現れてから、私の目はいつも貴女を追っていた。出来うることならば、すべての脅威から隔絶し、真綿で包むように守りたいと願っていた。時に他の者と笑顔で話されている時には、恥ずかしながら嫉妬もした。」
嫉妬?エドワードが?
そう言うふうには見えなかった。
いつも周りを見て必要なところに補助をしていた。
仲間内からも信頼されて、実はこの世界の一国。ディール帝国に皇太子であった事には驚いたが納得もしていた。
それぐらい実力があると思ったのだ。
「沙也加。私の愛しい人。どうかこの世の脅威から逃れたならば、私と共に生きて欲しい。命尽きるまで側にいて欲しい。できればこの世界で家族を作り、共に幸せを共有して欲しい。脅威から逃れられないとしても、最後まで共に生き守り通させて欲しい。この命が尽きようと側に居させて…」
「えっと…」
頬がと言うか、顔全体が真っ赤に染まっている気がする。
これは、世間一般にゆうキュウコン…そう、求婚。プロポーズ…
えっと、この私に、このハイスペックな男性であるエドワードが?
確かに今までも色々とあった。
ただの仲間と言うよりも距離は近い。
勝手に彼氏彼女みたいな…そう思っていたりも…
「沙也加、どうか私と結婚して欲しい。私の伴侶となり、共に…」
驚きと感激と、その他色んな感情で胸の中が…
瞳からは、涙が流れ落ちた。
そっと指で拭ってくれる。
「嫌か?」
そう、悲しそうに呟かれた。
泣いたから、嫌がっていると思ったのかもしれない。
「ちっ、違うのは。嬉しい…そう嬉しいの。嬉し涙…」
「沙也加…」
「エドワード、貴女はこの世界に来た私をいつも見守り支えてくれた。それに対して感謝している。ありがとうございます。」
一旦言葉を区切って深呼吸し落ち着かせる。
「こんな訳のわからない、この世界について何も知らない私を、妹を含めて心配もしてくれたし、手助けもしてくれた。」
「そんな事は気にする事はない。この世界の事情で呼び出されたのだから。そして、貴女の妹に対しても手助けするのは当たり前のことだけど。彼女もこの世界の被害者だ。貴女を含めて…それ以上に、愛しい者の家族も守りたいと思ったのも事実だが…」
「うん。本当に、いつもありがとう。こんな私で良ければ…側にいさせて欲しい。今は『扉』の事が最優先だけれど、貴方と共に生きていきたい。」
そう答えると、なんとも嬉しそうな笑顔になり、ぎゅーっと抱きしめられた。
そして、顎を捉えられ、優しく重なる。
そっと突かれて促され、おどおどしながら空いた隙間に肉厚のものが差し込まれ、私の中を暴れ回る。
逃げ惑う舌を捉えられて、啜られる。
息が苦しくなるとそっと離され、頬に唇を滑らせながら、鼻で息をするように促されまた塞がれた。
足に力が入らなくなり、ボーツとしてくる。
膝裏に腕を差し込まれ、横抱きにしながら上半身は暖かな彼の胸に支えられる。
引き締まった肉体を感じて、彼が魔術師・魔導士であるが、剣士でもある事を自覚した。
自ら剣を携えて戦うわけではなかったけれど、いざという時には自分が手の届く範囲以上に守ろうとする。
そんな彼との未来を掴もうと心から願った。
「こんな時に言うことで無いことも、行動するべきで無いことも十分理解している。だが、言わせて欲しい。」
そっと片手を取られて、手の甲に唇を…
手の甲にキスされた。
挨拶とかでされる奴だけれど、今は少し違う気がする。
「異世界から我が世界に降り立つ聖女。秋本 沙也加様。貴女のおかげで我らの世界は恐怖から救われつつある。いつも感謝しております。」
「はい。」
とりあえず頷いて返事をしてみた。
私を見つめる瞳に吸い込まれそうになる。
「沙也加。私の愛しい人。貴女が私の目の前に現れてから、私の目はいつも貴女を追っていた。出来うることならば、すべての脅威から隔絶し、真綿で包むように守りたいと願っていた。時に他の者と笑顔で話されている時には、恥ずかしながら嫉妬もした。」
嫉妬?エドワードが?
そう言うふうには見えなかった。
いつも周りを見て必要なところに補助をしていた。
仲間内からも信頼されて、実はこの世界の一国。ディール帝国に皇太子であった事には驚いたが納得もしていた。
それぐらい実力があると思ったのだ。
「沙也加。私の愛しい人。どうかこの世の脅威から逃れたならば、私と共に生きて欲しい。命尽きるまで側にいて欲しい。できればこの世界で家族を作り、共に幸せを共有して欲しい。脅威から逃れられないとしても、最後まで共に生き守り通させて欲しい。この命が尽きようと側に居させて…」
「えっと…」
頬がと言うか、顔全体が真っ赤に染まっている気がする。
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えっと、この私に、このハイスペックな男性であるエドワードが?
確かに今までも色々とあった。
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勝手に彼氏彼女みたいな…そう思っていたりも…
「沙也加、どうか私と結婚して欲しい。私の伴侶となり、共に…」
驚きと感激と、その他色んな感情で胸の中が…
瞳からは、涙が流れ落ちた。
そっと指で拭ってくれる。
「嫌か?」
そう、悲しそうに呟かれた。
泣いたから、嫌がっていると思ったのかもしれない。
「ちっ、違うのは。嬉しい…そう嬉しいの。嬉し涙…」
「沙也加…」
「エドワード、貴女はこの世界に来た私をいつも見守り支えてくれた。それに対して感謝している。ありがとうございます。」
一旦言葉を区切って深呼吸し落ち着かせる。
「こんな訳のわからない、この世界について何も知らない私を、妹を含めて心配もしてくれたし、手助けもしてくれた。」
「そんな事は気にする事はない。この世界の事情で呼び出されたのだから。そして、貴女の妹に対しても手助けするのは当たり前のことだけど。彼女もこの世界の被害者だ。貴女を含めて…それ以上に、愛しい者の家族も守りたいと思ったのも事実だが…」
「うん。本当に、いつもありがとう。こんな私で良ければ…側にいさせて欲しい。今は『扉』の事が最優先だけれど、貴方と共に生きていきたい。」
そう答えると、なんとも嬉しそうな笑顔になり、ぎゅーっと抱きしめられた。
そして、顎を捉えられ、優しく重なる。
そっと突かれて促され、おどおどしながら空いた隙間に肉厚のものが差し込まれ、私の中を暴れ回る。
逃げ惑う舌を捉えられて、啜られる。
息が苦しくなるとそっと離され、頬に唇を滑らせながら、鼻で息をするように促されまた塞がれた。
足に力が入らなくなり、ボーツとしてくる。
膝裏に腕を差し込まれ、横抱きにしながら上半身は暖かな彼の胸に支えられる。
引き締まった肉体を感じて、彼が魔術師・魔導士であるが、剣士でもある事を自覚した。
自ら剣を携えて戦うわけではなかったけれど、いざという時には自分が手の届く範囲以上に守ろうとする。
そんな彼との未来を掴もうと心から願った。
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