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試練

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「大丈夫か?」

そう言って抱き込まれてしまい、バンバンと背中を叩き、『大丈夫だから、離してほしい!』とアピールした。

そっと拘束が緩み、ホッとする。
どうしてこれほど心配しているのか、一体何が起こっていたのかを確認する必要性がある。

私は多分あの神に呼ばれて、別世界に連れて行かれたのだろう。そして情報を得ることができた。
とんでもない内容だったけれど、それでも、それに向かって奮闘するつもりでいる。
止められそうになる可能性も一部あるけれど…

それよりもだ。エドワード達側からしたら、どうなっていたんだろうか?どう見えていた??

エドワードにそっと尋ねてみた。すると、建物内に入った途端に、私が硬直したように動かなくなったらしい。
声をかけるも、触れるも反応しなくなったとか。

慌てて抱き寄せると、硬直が溶けたように自分に倒れ込み、そのまま抱き込んで支えていたらしい。
時間にしてものの五分程度。

あんなに長い時間、向こうに呼ばれていたと思っていたんだけれど…
こっちと向こうでは時の流れが違うのかもしれない。
あくまで予測だが…

「で、何があった?」
「えっと…あの時の神アルメルアに会ってきた。」
「アルメルア神?あの少女神?」
「そう…」
「それで?」
「この前のように、伝えれることはできにくいと思う。あの時と同じように…」

一瞬エドワードが考えるそぶりをしたが、『なるほど』と納得してくれた。

あの時は、二人であの神に会ったのだ。
そして、その事を伝えれた人の制限があった。今回は人と内容の制限があると思う。
内容は、一部と言っていたから…

「今は…伝えにくいか…ふむ。なら後で教えてもらえれる事だけでも教えて欲しい。」

そう小声で呟かれ、頷いて答えた。
私達の『アルメルア神に会った』という会話は、他の者達には伝わっていなかったようだ。
『大丈夫』とだけ聞こえ、他は意味不明な言葉であったと言っていた。
異世界から来た聖女様であるから、向こうの言葉なのだろうと思っているようだった。

不思議だな…
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