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イベント前(LINK:primeira desejo 108)

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 ミーティングが終わると、スタッフの私たちはあまりやることがない。

 女性ダンサーはサンバ用の特殊なメイクに、ビキニのような衣装の『タンガ』、頭飾りの『カベッサ』、羽飾りのついた背負子の『コステイロ』にサンバシューズなど、準備に二時間はかかるため逆算した集合時間になっている。
 バテリアは着替えはそれほどでもないがチューニングや音出しのため、ダンサーより早めに移動開始となるが、ダンサーよりは余裕があった。


 女性控え室では、一部のダンサーは早くもメイクを開始していた。

 せっかく同じ場にそれなりの長時間居られるのだ。この機会にビオラと少し話したいなと思ったが、ビオラもメイク開始組だった。お昼は摂らないようだ。
 話しかけるなら、メイクがひと段落した頃が良いだろう。


 外はお祭りの真っ最中。
 イベント前にお腹にはあまり入れないようにしているダンサーもいるが、軽く食事をしたい者もいる。既に外に出ている者も多い。

 せっかくなので祭りに繰り出そうというメンバーに混ざって私も食料の調達に外に繰り出すことにした。がんちゃんも一緒だ。

 ダンサーは準備があるため、短い時間だったがお祭りを堪能させてもらいながら、たこ焼きやらチーズハットグやらベビーカステラやらを仕入れた。たまたま遭遇したマランドロのアキにヤンニョムチキンも奢ってもらった。


 同じチームのメンバー。老若男女幅広い。
 普段の生活ではあまり関わることのないようなひとたちとも、同じチーム内では仲間として共に在る。
 サンバを始めていなければ人生で交わらなかった可能性の高いひとたちとの交流、ひとときは、とても楽しい。
 同世代とだけ遊んでいては、なかなか得られない歓びだ。
 より若いがんちゃんにとっても、きっと良い体験になる。


 戦利品を持って控え室に戻ると、そこにはメイクに勤しむパシスタたち。

 室内の様子、雰囲気を見る。
 まだ話しかけられるタイミングにはなっていないか。


 私とがんちゃんは食事を取ることにした。
 一緒に買い出しに行ったひいは、ほづみに頼まれていた食料を持ってメイク中のほづみの元へと行った。


 私とがんちゃんは空いていた机に自分たちのスペースをつくり、戦利品を広げる。
 同じくスタッフとして参加するメンバーにベビーカステラをお裾分けしたり、焼き鳥をお裾分けしてもらったりしながら食事の差時間に充てた。


 ひいが中途半端なメイクと格好でバタバタとこちらにやってきた。


「ねー、から揚げ食べない?」


 どうやらひいは少しメイクしては何か食べ、少し着替えては何か食べ、と言った準備の仕方をしているようだ。
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