スルドの声(共鳴) terceira esperança

 日々を楽しく生きる。
 望にとって、それはなによりも大切なこと。
 大げさな夢も、大それた目標も、無くたって人生の価値が下がるわけではない。


 それでも、心の奥に燻る思いには気が付いていた。
 向かうべき場所。
 到着したい場所。
 そこに向かって懸命に突き進んでいる者。

 得るべきもの。
 手に入れたいもの。
 それに向かって必死に手を伸ばしている者。


 全部自分の都合じゃん。
 全部自分の欲得じゃん。

 などと嘯いてはみても、やっぱりそういうひとたちの努力は美しかった。
 そういう対象がある者が羨ましかった。



 望みを持たない望が、望みを得ていく物語。

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