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31襲撃
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挙式2日前となった。段々と緊張してきた。何をって?そりゃあいろいろと。式もそうだし、来賓との挨拶もそうだし何より……しょ……初夜が……。イスベルクがその日まではじっくり慣らすと言って。まあその……ごにょごにょと。
それに誕生日と一緒なのに残念ながら何をプレゼントすればいいのかわからない。
「どうしよう。何が好きなんだろう?サプライズとかしたいけどなあ」
「ははは。ルミエールからもらえるならなんでもいいんじゃないか?」
ユージナルが横から口を出してくる。占い師が来るとオレを呼びに来てくれたのだ。イスベルクは先に別室でイゴール陛下と最終段取りをしているらしい。
「ユージナル様。祝いの品が続々と到着しておりますがどういたしましょう」
廊下で護衛の一人がこちらに声をかけてきた。皆準備で忙しそうだ。
「とりあえず城壁の中に入れて置いたらどうだ?あとは陛下に指示を伺うからさ」
「かしこまりました」
「すごいね。対応するだけでも大変そうじゃん」
「ははは。祝いの品物だけを送ってくる国も多いしな。この城に客が来るのは珍しいからな」
「そういえばイスベルクはこの城は鉄壁だって言ってたよね?」
「ああ。外からはこの城は見えないのさ。霧と薄いミスリルで覆われているからな」
「へえ。そうなんだ。来た時は馬車の中だったからわからなかったよ」
部屋に入ると同時にイスベルクがやってきた。
「迎えに行けずにすまない」
「ふふ。ユージナルが来てくれたからいいよ」
「そうか。どうだ?占いは好きか?」
「ん~?したことがないからよくわからない」
すぐにグラソンが老婆を一人連れてきた。老婆はオレ達をみてゆっくりと近づいてきた。
「むむむ。これはこれは……感じますぞ。厄介ごとを引き込んでくる気がしますぞ」
芝居がかった感じでオレの周りを回り始めた。すると。なんだ?ざわざわとオレの周辺で風が舞う。いやな感じがする。この婆さんのせいなのか?
「この者は凶で……」
老婆がオレに向かって何かを言おうとしたが、それを阻止しないといけない気がした。
「ねえ貴女はミコッティさんなの?」
「ひっ!……な、何故お前がその名を……?」
やっぱりこの人がわがまま姫さんなのかな?ここはひとつ賭けにでてみよう。
「僕も占えるんだよ。見えるよ……貴女は玄武の姫のミコッティさんじゃないの?」
「う、うそじゃ。うそじゃ。お前にそんなチカラがあるはずがない」
「どうして?僕はイスベルクから大きなミスリルを頂いたんだ。そこからできるようになったのさ」
オレは服の中に隠していたミスリルのネックレスをわざと見せてやる。
「なんと。そんな大きなミスリルを持っているのか?少しで良いから貸してくれ」
「いやだよ。それより貴女はドラゴンを恨んでるの?」
「何を言うのじゃ。わ、わらわは……わらわは恨んでなぞ……」
今わらわって言ったよな?普通の人は自分の事をわらわだなんて言わないはず。
「僕に嘘は通用しないよ。貴女は何をする気だったの?」
「な、なにも。わらわが何もしなくてもこの城なぞ……」
「この城がどうだというのだ?」
黙っていたイスベルクが冷たく言い放つ。
「……ほっ……ほほ。年寄りの言う事なぞ、真に受けるでないわ……ほっほほ」
「前々からおかしいと思っていた。ミコトよ。お前なにか企んでいたのか?」
グラソンが詰め寄る。いや、グラソンは占い好きなんじゃないの?
「く。くそ!竜の一族なぞ滅んでしまえっっ!!」
ミコトが手にしてたミスリルを床に投げつけるとドカン!と爆発をし大声で騒ぎだした。
「ここじゃああ!ここに居るぞい!ココじゃぞい!早う来い!」
声を合図にするようにゴォオオオ!ドォン!ボォオオッ!と燃える音がする。これは業火か?何かが城の内部を焼き始めた。
「何が起こっているのだ!ミコトめ、何を呼んだ?」
「まさか……」
この城は外からは見えない鉄壁の城。だけど、中に入り込まれてしまったら?確か祝いの品が届き始めたって。その中に隠れていたのか?それともそれを運ぶふりをして紛れ込んだのか?どちらにしても潜入されてしまっているんだ!
「炎の槍!」
ゴォオオ!ボォン!!壁が壊れ炎の槍が数本飛んできた。槍はすぐに燃え尽くすが、壁に無数の穴が開いた。こんな無茶苦茶な事をする奴なんて一人しか思い浮かばない。
「かーっかかか!俺の好敵手はどいつだ!」
真っ赤な燃え盛る火の髪をした。褐色のムキムキ野郎がそこにいた。くっきりとした釣り目で鼻筋が通った彫の深い顔立ちだ。黙っていたらさぞや女性にもてるだろう。
「……アグニ兄さん……?」
「ルミエール。こいつがアグニなのか?」
「……うん」
ああ。イスベルクに一番会わせたくない奴だったのに。
「おお。強そうじゃ!よくぞ来た!ほら、そいつじゃ。そいつが第一子じゃ!」
ミコトがイスベルクを指さす。なんだよ第一子って!でもこれであんたがこの城にこいつらを誘導したってのがバレバレだよ?様子を伺っていたユージナルがミコトを取り押さえる。
「は、離せ……むぐぐ」
「ほぉ?お前強いらしいな。俺と戦え!」
アグニがニタニタしながら肩を揺らしながら来る。その筋の危ないお兄さんみたいな歩き方だよ。
「人の城を壊しておいて戦えだと?」
「挑発に乗っちゃダメだ!」
オレはイスベルクの前に立った。ダメだよ。相手の思うつぼだ。
「なんだぁ?お前邪魔だ……っ!……お前マリアージュの息子か?」
「僕の名前覚えてもいないんだね」
「名前なんぞなんでもいいわ。しかしマリアージュにそっくりだな。俺を本気で叱ったのはあの女だけだった。そうかお前だったのか。さらわれた王子ってのは。父上の庶子は履いて捨てるほどいるからな。どいつだろうかと思っていたが」
また攫われたか。炎の国じゃオレの扱いはそうなっているのか?それともアグニに情報はほとんど言ってないのか。こいつなら追いかけて行って暴れるかもと都合よく野放しにされていたのかもしれない。
「なあ、お前。良いケツしてそうだし。俺が可愛がってやるぜ」
「はあ?何ばかな事を!兄弟だろ?」
「そんなの関係ないさ。チカラがすべてなんだから。かっかっか」
こいつヤバい。倫理観ってのがない。やっぱりただの戦闘狂だ。
「……貴様……っ」
イスベルクからピシピシと空気が凍る音が聞こえだした。
それに誕生日と一緒なのに残念ながら何をプレゼントすればいいのかわからない。
「どうしよう。何が好きなんだろう?サプライズとかしたいけどなあ」
「ははは。ルミエールからもらえるならなんでもいいんじゃないか?」
ユージナルが横から口を出してくる。占い師が来るとオレを呼びに来てくれたのだ。イスベルクは先に別室でイゴール陛下と最終段取りをしているらしい。
「ユージナル様。祝いの品が続々と到着しておりますがどういたしましょう」
廊下で護衛の一人がこちらに声をかけてきた。皆準備で忙しそうだ。
「とりあえず城壁の中に入れて置いたらどうだ?あとは陛下に指示を伺うからさ」
「かしこまりました」
「すごいね。対応するだけでも大変そうじゃん」
「ははは。祝いの品物だけを送ってくる国も多いしな。この城に客が来るのは珍しいからな」
「そういえばイスベルクはこの城は鉄壁だって言ってたよね?」
「ああ。外からはこの城は見えないのさ。霧と薄いミスリルで覆われているからな」
「へえ。そうなんだ。来た時は馬車の中だったからわからなかったよ」
部屋に入ると同時にイスベルクがやってきた。
「迎えに行けずにすまない」
「ふふ。ユージナルが来てくれたからいいよ」
「そうか。どうだ?占いは好きか?」
「ん~?したことがないからよくわからない」
すぐにグラソンが老婆を一人連れてきた。老婆はオレ達をみてゆっくりと近づいてきた。
「むむむ。これはこれは……感じますぞ。厄介ごとを引き込んでくる気がしますぞ」
芝居がかった感じでオレの周りを回り始めた。すると。なんだ?ざわざわとオレの周辺で風が舞う。いやな感じがする。この婆さんのせいなのか?
「この者は凶で……」
老婆がオレに向かって何かを言おうとしたが、それを阻止しないといけない気がした。
「ねえ貴女はミコッティさんなの?」
「ひっ!……な、何故お前がその名を……?」
やっぱりこの人がわがまま姫さんなのかな?ここはひとつ賭けにでてみよう。
「僕も占えるんだよ。見えるよ……貴女は玄武の姫のミコッティさんじゃないの?」
「う、うそじゃ。うそじゃ。お前にそんなチカラがあるはずがない」
「どうして?僕はイスベルクから大きなミスリルを頂いたんだ。そこからできるようになったのさ」
オレは服の中に隠していたミスリルのネックレスをわざと見せてやる。
「なんと。そんな大きなミスリルを持っているのか?少しで良いから貸してくれ」
「いやだよ。それより貴女はドラゴンを恨んでるの?」
「何を言うのじゃ。わ、わらわは……わらわは恨んでなぞ……」
今わらわって言ったよな?普通の人は自分の事をわらわだなんて言わないはず。
「僕に嘘は通用しないよ。貴女は何をする気だったの?」
「な、なにも。わらわが何もしなくてもこの城なぞ……」
「この城がどうだというのだ?」
黙っていたイスベルクが冷たく言い放つ。
「……ほっ……ほほ。年寄りの言う事なぞ、真に受けるでないわ……ほっほほ」
「前々からおかしいと思っていた。ミコトよ。お前なにか企んでいたのか?」
グラソンが詰め寄る。いや、グラソンは占い好きなんじゃないの?
「く。くそ!竜の一族なぞ滅んでしまえっっ!!」
ミコトが手にしてたミスリルを床に投げつけるとドカン!と爆発をし大声で騒ぎだした。
「ここじゃああ!ここに居るぞい!ココじゃぞい!早う来い!」
声を合図にするようにゴォオオオ!ドォン!ボォオオッ!と燃える音がする。これは業火か?何かが城の内部を焼き始めた。
「何が起こっているのだ!ミコトめ、何を呼んだ?」
「まさか……」
この城は外からは見えない鉄壁の城。だけど、中に入り込まれてしまったら?確か祝いの品が届き始めたって。その中に隠れていたのか?それともそれを運ぶふりをして紛れ込んだのか?どちらにしても潜入されてしまっているんだ!
「炎の槍!」
ゴォオオ!ボォン!!壁が壊れ炎の槍が数本飛んできた。槍はすぐに燃え尽くすが、壁に無数の穴が開いた。こんな無茶苦茶な事をする奴なんて一人しか思い浮かばない。
「かーっかかか!俺の好敵手はどいつだ!」
真っ赤な燃え盛る火の髪をした。褐色のムキムキ野郎がそこにいた。くっきりとした釣り目で鼻筋が通った彫の深い顔立ちだ。黙っていたらさぞや女性にもてるだろう。
「……アグニ兄さん……?」
「ルミエール。こいつがアグニなのか?」
「……うん」
ああ。イスベルクに一番会わせたくない奴だったのに。
「おお。強そうじゃ!よくぞ来た!ほら、そいつじゃ。そいつが第一子じゃ!」
ミコトがイスベルクを指さす。なんだよ第一子って!でもこれであんたがこの城にこいつらを誘導したってのがバレバレだよ?様子を伺っていたユージナルがミコトを取り押さえる。
「は、離せ……むぐぐ」
「ほぉ?お前強いらしいな。俺と戦え!」
アグニがニタニタしながら肩を揺らしながら来る。その筋の危ないお兄さんみたいな歩き方だよ。
「人の城を壊しておいて戦えだと?」
「挑発に乗っちゃダメだ!」
オレはイスベルクの前に立った。ダメだよ。相手の思うつぼだ。
「なんだぁ?お前邪魔だ……っ!……お前マリアージュの息子か?」
「僕の名前覚えてもいないんだね」
「名前なんぞなんでもいいわ。しかしマリアージュにそっくりだな。俺を本気で叱ったのはあの女だけだった。そうかお前だったのか。さらわれた王子ってのは。父上の庶子は履いて捨てるほどいるからな。どいつだろうかと思っていたが」
また攫われたか。炎の国じゃオレの扱いはそうなっているのか?それともアグニに情報はほとんど言ってないのか。こいつなら追いかけて行って暴れるかもと都合よく野放しにされていたのかもしれない。
「なあ、お前。良いケツしてそうだし。俺が可愛がってやるぜ」
「はあ?何ばかな事を!兄弟だろ?」
「そんなの関係ないさ。チカラがすべてなんだから。かっかっか」
こいつヤバい。倫理観ってのがない。やっぱりただの戦闘狂だ。
「……貴様……っ」
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