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30玄武の姫様
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幻想奇談のお話の一つに玄武の話がある。北の大地を護っていた玄武の一族。長命な玄武の王ははなかなか子に恵まれなかったが、皇后の命と引換に待望の姫が産まれる。だが大事に甘やかしすぎて育ててしまった為にかなりの我儘になってしまった。高齢の王が他界すると姫を押さえるものがいなくなり我儘は増大し悪政が続きやがて内乱が起きてしまう。それは北の地の深くに眠っていたドラゴンを起こし、終末を迎えるまで続いたと言う物語だった。確か姫様の名前はミコッティだったような。まさかね……。
幻想綺談は最初は一巻ずつ別の物語となっていたが、やがて巻を進めるごとに各物語の登場人物が小説の中で交差しあうようになる。そこで初めて謎解きがされていくのだ。
オレは最新刊を買いに行った帰りに事故にあった。だからまだ読んでないお話もあったのだろう。あ~読みたかったなあ。だがすでにオレがここに存在してる段階でもう小説とは違う物語になっているのかもしれない。
「ちょっといいか?」
不意に声をかけられシーヴルがオレを庇うように身構えた。速い。
「まって、その声はユージナル?」
「……おっかねえ」
「いきなり現れるのが悪いのだ」
シーヴルに睨まれてユージナルが怯んだ。
「えっと。ルミエール様に伺いたいことがございまして」
この城に来てからユージナルは護衛に徹していたからオレに直接話しかけることはなかった。だから声をかけるならそれはきっと……。
「イスベルクに何かあったの?」
「おう!最近急に調子が悪くなったりしてないか?イスベルク様はなかなか弱みをみせられないのでわかりづらいんだが……ちょっと気になってな」
「べつにないと思うけど、どうかしたの?」
「そうか。ならいいんだが」
「……体調を崩されているように思われます」
シーヴルがぼそっと囁くように小声で言う。ほんとに?全然気づかなかった。オレってまだ修行が足りない!ユージナルが更に声を落として尋ねる。
「やはりか。午後の公務の時に少し辛そうなのだ。俺は夜の営みが激し過ぎるのかと思ってたんだが」
「それはございません。挙式まで私が見張ってますゆえ。ほどほどです。無茶はさせてません。それにルミエール様から癒しをもらわれてます」
「え?……ええ?」
見張って?見張ってるって?ナニをですか~!ひゃああ。
「そうか。じゃあ日中元気なのはルミエールのおかげなのか」
「そのようですね。長年チカラを使いすぎて無理がでてきてるのではないでしょうか?」
「考えられるな。気を付ける様にする。ありがとう 」
二人ともサラッと今すごい会話したよね?夜の営みとか……。王族ってそういうの全部監視されてるの?
「イスベルク様は気づかれておいででしたよ」
「そうなの?シーヴルが居るのをき……気づいててあんなこととか……」
普段から一番身近にいるシーヴルに痴態を知られてたというのがめっちゃ恥ずかしい。
「お気になさらないで下さい。これも仕事のうちなのです」
「気になるよ~~っっ。恥ずかしいじゃん!」
半泣きになって訴えるとやっとシーヴルが笑ってくれた。
「迷いましたが、やはり……お伝えしておきます」
シーヴルが言いよどむなんて珍しい。
「何?僕がしっておいたほうが良いこと……なんだね?」
「はい。イスベルク様はこのままだと短命で終わられる可能性があります」
「え? どういうこと?」
それって小説の中の冷酷皇太子と同じ設定ってこと?
「竜人になられる前にチカラを使いすぎた場合、寿命が削られ、肉体がついていかなくなるのです」
「寿命が?そんなの嫌だ!何か方法はないの?」
「方法は龍に成ることです。イスベルク様が龍に成ることが出来ればあふれるチカラと強い肉体でバランスがとれていくでしょう」
「どうすればいいの?」
「私たちも模索中です。ルミエール様は傍にいて支えていただけますか?」
「わかった。僕のチカラを使えばいいんだね?治癒は得意なんだ」
「そのまま傍に居てくださるだけで充分癒しになっておりますよ」
よし。これから全力で癒しのチカラを使って行こう。
◇◆◇
挙式が行われると聞いて炎の国から祝いが送られてくるらしい。本当なのか?半信半疑だが。
「ルミエール様の国ですが、念のため警戒はさせていただきます」
グラソンからの報告で一番心配だった兄達の来賓はないようで安心した。
「もちろんです。気を抜かないで下さい。そしてご心配かけて申し訳ありません」
「式が終わればルミエール様は名実ともに氷の国の王族と政治的に認められます。さすれば炎の国から何を言われてもこちらとしても強く出れますが、それまでは貴方は皇太子の内縁という事になることをお忘れなく」
「わかっているよ。儀礼的なものがもつ意味を無視するつもりはないよ」
「……まあ、内縁でも伴侶なので守れるのですがね。イスベルク様もそのおつもりなのでしょう。ただ外交的に挙式をあげて知名度をあげておいたほうがいいのです。はあ、貴方はときどき年齢よりも大人めいた反応をされますね」
「そうかな?物事には順序というのがあると理解しようとしているだけで。一番はイスベルクと共に居られるかどうかなんだよね。贅沢や階級とか興味はないんだ」
正直いえば王族とかも興味ないけど、イスベルクがそうならオレも無視することが出来ない。学べるものは学び。守りたいものを守れる強さがあればいいなと思う。それはチカラだけではないはずだ。母様がそうであったように。
「ところで占い師が今後の吉凶を占いたいと申し出ておりまして、式当日ではなく明日にでもお時間いただきたく」
「うん。わかったよ。ねえ、その人玄武の子孫なの?」
「そうらしいですが。それがなにか?」
「この地は昔玄武が治めていたの?」
「……ええ。よくご存じですね」
「その人って本当にその子孫なの?」
「さあ。真偽はわかりかねます。よく当たる占いなのですが……」
「その反応って。ひょっとして僕のことはあまりよく言われてなかったりして?」
「っ!高齢なので最近は勘違いもあるようでして」
「それで挙式当日は避けたいんだね?」
「おっしゃる通りでございます」
なんとなく感じていた。グラソンのルミエールへの反応がいまいち定まっていないのが気になっていたんだ。炎の王子として警戒してるだけじゃなくて何か思うところがありそうな伺うような反応がずっと続いていた。
「グラソンは占いを信じるタイプなの?」
「いえ。そんなことは……ただの気休め程度で……」
あ。これは占いとか信じやすいタイプだな?
幻想綺談は最初は一巻ずつ別の物語となっていたが、やがて巻を進めるごとに各物語の登場人物が小説の中で交差しあうようになる。そこで初めて謎解きがされていくのだ。
オレは最新刊を買いに行った帰りに事故にあった。だからまだ読んでないお話もあったのだろう。あ~読みたかったなあ。だがすでにオレがここに存在してる段階でもう小説とは違う物語になっているのかもしれない。
「ちょっといいか?」
不意に声をかけられシーヴルがオレを庇うように身構えた。速い。
「まって、その声はユージナル?」
「……おっかねえ」
「いきなり現れるのが悪いのだ」
シーヴルに睨まれてユージナルが怯んだ。
「えっと。ルミエール様に伺いたいことがございまして」
この城に来てからユージナルは護衛に徹していたからオレに直接話しかけることはなかった。だから声をかけるならそれはきっと……。
「イスベルクに何かあったの?」
「おう!最近急に調子が悪くなったりしてないか?イスベルク様はなかなか弱みをみせられないのでわかりづらいんだが……ちょっと気になってな」
「べつにないと思うけど、どうかしたの?」
「そうか。ならいいんだが」
「……体調を崩されているように思われます」
シーヴルがぼそっと囁くように小声で言う。ほんとに?全然気づかなかった。オレってまだ修行が足りない!ユージナルが更に声を落として尋ねる。
「やはりか。午後の公務の時に少し辛そうなのだ。俺は夜の営みが激し過ぎるのかと思ってたんだが」
「それはございません。挙式まで私が見張ってますゆえ。ほどほどです。無茶はさせてません。それにルミエール様から癒しをもらわれてます」
「え?……ええ?」
見張って?見張ってるって?ナニをですか~!ひゃああ。
「そうか。じゃあ日中元気なのはルミエールのおかげなのか」
「そのようですね。長年チカラを使いすぎて無理がでてきてるのではないでしょうか?」
「考えられるな。気を付ける様にする。ありがとう 」
二人ともサラッと今すごい会話したよね?夜の営みとか……。王族ってそういうの全部監視されてるの?
「イスベルク様は気づかれておいででしたよ」
「そうなの?シーヴルが居るのをき……気づいててあんなこととか……」
普段から一番身近にいるシーヴルに痴態を知られてたというのがめっちゃ恥ずかしい。
「お気になさらないで下さい。これも仕事のうちなのです」
「気になるよ~~っっ。恥ずかしいじゃん!」
半泣きになって訴えるとやっとシーヴルが笑ってくれた。
「迷いましたが、やはり……お伝えしておきます」
シーヴルが言いよどむなんて珍しい。
「何?僕がしっておいたほうが良いこと……なんだね?」
「はい。イスベルク様はこのままだと短命で終わられる可能性があります」
「え? どういうこと?」
それって小説の中の冷酷皇太子と同じ設定ってこと?
「竜人になられる前にチカラを使いすぎた場合、寿命が削られ、肉体がついていかなくなるのです」
「寿命が?そんなの嫌だ!何か方法はないの?」
「方法は龍に成ることです。イスベルク様が龍に成ることが出来ればあふれるチカラと強い肉体でバランスがとれていくでしょう」
「どうすればいいの?」
「私たちも模索中です。ルミエール様は傍にいて支えていただけますか?」
「わかった。僕のチカラを使えばいいんだね?治癒は得意なんだ」
「そのまま傍に居てくださるだけで充分癒しになっておりますよ」
よし。これから全力で癒しのチカラを使って行こう。
◇◆◇
挙式が行われると聞いて炎の国から祝いが送られてくるらしい。本当なのか?半信半疑だが。
「ルミエール様の国ですが、念のため警戒はさせていただきます」
グラソンからの報告で一番心配だった兄達の来賓はないようで安心した。
「もちろんです。気を抜かないで下さい。そしてご心配かけて申し訳ありません」
「式が終わればルミエール様は名実ともに氷の国の王族と政治的に認められます。さすれば炎の国から何を言われてもこちらとしても強く出れますが、それまでは貴方は皇太子の内縁という事になることをお忘れなく」
「わかっているよ。儀礼的なものがもつ意味を無視するつもりはないよ」
「……まあ、内縁でも伴侶なので守れるのですがね。イスベルク様もそのおつもりなのでしょう。ただ外交的に挙式をあげて知名度をあげておいたほうがいいのです。はあ、貴方はときどき年齢よりも大人めいた反応をされますね」
「そうかな?物事には順序というのがあると理解しようとしているだけで。一番はイスベルクと共に居られるかどうかなんだよね。贅沢や階級とか興味はないんだ」
正直いえば王族とかも興味ないけど、イスベルクがそうならオレも無視することが出来ない。学べるものは学び。守りたいものを守れる強さがあればいいなと思う。それはチカラだけではないはずだ。母様がそうであったように。
「ところで占い師が今後の吉凶を占いたいと申し出ておりまして、式当日ではなく明日にでもお時間いただきたく」
「うん。わかったよ。ねえ、その人玄武の子孫なの?」
「そうらしいですが。それがなにか?」
「この地は昔玄武が治めていたの?」
「……ええ。よくご存じですね」
「その人って本当にその子孫なの?」
「さあ。真偽はわかりかねます。よく当たる占いなのですが……」
「その反応って。ひょっとして僕のことはあまりよく言われてなかったりして?」
「っ!高齢なので最近は勘違いもあるようでして」
「それで挙式当日は避けたいんだね?」
「おっしゃる通りでございます」
なんとなく感じていた。グラソンのルミエールへの反応がいまいち定まっていないのが気になっていたんだ。炎の王子として警戒してるだけじゃなくて何か思うところがありそうな伺うような反応がずっと続いていた。
「グラソンは占いを信じるタイプなの?」
「いえ。そんなことは……ただの気休め程度で……」
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