22 / 31
22 こんな筈じゃなかったと奮えた結果⑤
しおりを挟む
リチャードから金を手に入れたネイサンは急いでドーンズ家に向かった。ティアラに婿入りさえすれば貴族でいられる、今は婚約だけでも急がなければと焦りを感じていた。
だがやはり門兵が通してくれなかった。
それどころが剣先を向けられた。
「俺は貴族だぞ!」
「はい。次期平民のアトス令息でございますね」
「は?」
「来月には不用意に貴族の屋敷、その門に近付いただけでも叩っ斬られる平民になると、自覚はおありですか?」
「……ぐっ」
いつのまに自分の情報を。
まだ婚約してないだけで、自分はティアラの恋人だと言いそうになったが、そのようなはったりが通じる空気ではなかった。
次にネイサンが向かったのは学園だ。
卒業したティアラは既にいない。
しかしその後どうしたかを知る教師はいる。
「ティアラ・ドーンズ? 彼女は──」
ネイサンは教師からティアラが王宮で文官になったという情報を聞き、そのことに余計焦って翌朝には王宮に向かった。
急いだのは訳がある。
ティアラには継ぐ爵位があるにも関わらず王宮の文官になった。
女が王宮で働く理由の殆どが婚活だ。
もしかしてティアラは王宮で婿を探す気なのかと、流石に疎いネイサンでも気付いた。そして今まで手紙を送ることしかしておらず、無理にでも会いにいかなかったことを場違いにも悔やんだ。
仕事中でも昼休憩には会えるだろうと、そう思っていたのだが、ネイサンは王宮の中に入れなかった。それどころか門兵に斬られそうになった。
「お、俺は貴族だぞ! こんな事してどうなるか解ってんのか!」
「我々も貴族だが、馬車での登城はおろか、侍者もつけずに徒歩で入ろうとした貴族は初めて見る」
「上官、早く叩っ斬って昼を摂りにいきましょう。そろそろ交代の時間です」
「だめだ。正門をこんな奴の血で汚してはならん」
斬られそうになった、その理由は実に簡単なものだった。
ネイサンは王宮の正門を徒歩で素通りしようとしたのだが、それくらいならキチガイな平民扱いで摘まみ出されて終わりだった。しかしネイサンは帯剣していた。
全ての貴族は登城の際、武器の持ち込みは禁止されている。破れば牢屋入りだ。
そもそも王宮とはこの国一番の安全な場所で、護身とはいえ帯剣することは王家を侮辱する行為となる。
だから貴族達は正門に着くと馬車からおり、侍者に剣を預け、一人で登城するのだ。
そもそも招待状もないネイサンが安易に足を踏み入れることはできない。
ネイサンは門兵からキチガイな冒険者か何かと判断され、剣で脅されたあと、解放された。
なんでこんな目に……。
幼少期から夢だった騎士にはなれたものの、実際は騎士とはこんなものかという気持ちしか湧かなかった。
ティアラと結婚さえできたら自分はまた爵位が伯爵になる。それにティアラに後継ぎを生ませたら仮当主となることもできるのだ。そうなればドーンズ家の利権が譲られ、私兵も持つことができる。
「そうだ……元々貴族なんだから、俺は誰かに使われるより、使う立場の方が合ってる。くそっ……早くそれに気付いてれば」
騎士よりも貴族でいる方が自分には向いている。だからティアラとは絶対に結婚しなければいけない。
何かいい方法はないかと考えた末、ネイサンが思い出したのは、ドロテアだった。
そうだ、ドロテアがいる。
あいつはいま騎士団の主となったブラッドリーの妻だ。次期侯爵夫人の騎士となれば、ティアラとの婚約もスムーズにいく。
そう考えた。
だがドロテアと会うには既に壁が高すぎた。そのことにネイサンは全く気付いていなかった。
ジューン家の門兵は顔見知りだというのに門前払いだった。仕方なく先触れを出すも未封のまま送り返されてくる。
まさか格上の侯爵家に嫁いだから、伯爵家の実家とは今は交流がないのか? とネイサンは的外れなことを考えた。
クワイス家宛に手紙を出すのは気が引けたが、ネイサンは騎士団を経由して送ろうと考えた。
しかし騎士団の発送所で手紙の送り先、その名前を見た受付は「気でも触れたか?」と言ってその場で蝋燭の火で手紙を燃やした。ネイサンは呆気に取られて、怒ることすらできなかった。
「……な、なんなんだよッ!」
ネイサンは混乱していた。
もう時間がない。
流石に王都にある侯爵邸に乗り込むほど馬鹿ではなかったが、ティアラと結婚して貴族籍を得るためにも、今はなんとしてでもドロテアと会わねばと奮闘した。
そこでネイサンは騎士団で聞き込みをして、数日後に騎士団の主であるブラッドリーが訓練場に訪れるという情報を得ることができた。
これだ、とネイサンは拳を握り締めた。
自分が妻の幼馴染だと知ったら、ブラッドリーはドロテアに会わせてくれる筈だと愚かにも考えた。
その考えに至ったのが後に身の滅ぼすことになるとは、この時のネイサンはまだ知らない。
だがやはり門兵が通してくれなかった。
それどころが剣先を向けられた。
「俺は貴族だぞ!」
「はい。次期平民のアトス令息でございますね」
「は?」
「来月には不用意に貴族の屋敷、その門に近付いただけでも叩っ斬られる平民になると、自覚はおありですか?」
「……ぐっ」
いつのまに自分の情報を。
まだ婚約してないだけで、自分はティアラの恋人だと言いそうになったが、そのようなはったりが通じる空気ではなかった。
次にネイサンが向かったのは学園だ。
卒業したティアラは既にいない。
しかしその後どうしたかを知る教師はいる。
「ティアラ・ドーンズ? 彼女は──」
ネイサンは教師からティアラが王宮で文官になったという情報を聞き、そのことに余計焦って翌朝には王宮に向かった。
急いだのは訳がある。
ティアラには継ぐ爵位があるにも関わらず王宮の文官になった。
女が王宮で働く理由の殆どが婚活だ。
もしかしてティアラは王宮で婿を探す気なのかと、流石に疎いネイサンでも気付いた。そして今まで手紙を送ることしかしておらず、無理にでも会いにいかなかったことを場違いにも悔やんだ。
仕事中でも昼休憩には会えるだろうと、そう思っていたのだが、ネイサンは王宮の中に入れなかった。それどころか門兵に斬られそうになった。
「お、俺は貴族だぞ! こんな事してどうなるか解ってんのか!」
「我々も貴族だが、馬車での登城はおろか、侍者もつけずに徒歩で入ろうとした貴族は初めて見る」
「上官、早く叩っ斬って昼を摂りにいきましょう。そろそろ交代の時間です」
「だめだ。正門をこんな奴の血で汚してはならん」
斬られそうになった、その理由は実に簡単なものだった。
ネイサンは王宮の正門を徒歩で素通りしようとしたのだが、それくらいならキチガイな平民扱いで摘まみ出されて終わりだった。しかしネイサンは帯剣していた。
全ての貴族は登城の際、武器の持ち込みは禁止されている。破れば牢屋入りだ。
そもそも王宮とはこの国一番の安全な場所で、護身とはいえ帯剣することは王家を侮辱する行為となる。
だから貴族達は正門に着くと馬車からおり、侍者に剣を預け、一人で登城するのだ。
そもそも招待状もないネイサンが安易に足を踏み入れることはできない。
ネイサンは門兵からキチガイな冒険者か何かと判断され、剣で脅されたあと、解放された。
なんでこんな目に……。
幼少期から夢だった騎士にはなれたものの、実際は騎士とはこんなものかという気持ちしか湧かなかった。
ティアラと結婚さえできたら自分はまた爵位が伯爵になる。それにティアラに後継ぎを生ませたら仮当主となることもできるのだ。そうなればドーンズ家の利権が譲られ、私兵も持つことができる。
「そうだ……元々貴族なんだから、俺は誰かに使われるより、使う立場の方が合ってる。くそっ……早くそれに気付いてれば」
騎士よりも貴族でいる方が自分には向いている。だからティアラとは絶対に結婚しなければいけない。
何かいい方法はないかと考えた末、ネイサンが思い出したのは、ドロテアだった。
そうだ、ドロテアがいる。
あいつはいま騎士団の主となったブラッドリーの妻だ。次期侯爵夫人の騎士となれば、ティアラとの婚約もスムーズにいく。
そう考えた。
だがドロテアと会うには既に壁が高すぎた。そのことにネイサンは全く気付いていなかった。
ジューン家の門兵は顔見知りだというのに門前払いだった。仕方なく先触れを出すも未封のまま送り返されてくる。
まさか格上の侯爵家に嫁いだから、伯爵家の実家とは今は交流がないのか? とネイサンは的外れなことを考えた。
クワイス家宛に手紙を出すのは気が引けたが、ネイサンは騎士団を経由して送ろうと考えた。
しかし騎士団の発送所で手紙の送り先、その名前を見た受付は「気でも触れたか?」と言ってその場で蝋燭の火で手紙を燃やした。ネイサンは呆気に取られて、怒ることすらできなかった。
「……な、なんなんだよッ!」
ネイサンは混乱していた。
もう時間がない。
流石に王都にある侯爵邸に乗り込むほど馬鹿ではなかったが、ティアラと結婚して貴族籍を得るためにも、今はなんとしてでもドロテアと会わねばと奮闘した。
そこでネイサンは騎士団で聞き込みをして、数日後に騎士団の主であるブラッドリーが訓練場に訪れるという情報を得ることができた。
これだ、とネイサンは拳を握り締めた。
自分が妻の幼馴染だと知ったら、ブラッドリーはドロテアに会わせてくれる筈だと愚かにも考えた。
その考えに至ったのが後に身の滅ぼすことになるとは、この時のネイサンはまだ知らない。
678
お気に入りに追加
8,680
あなたにおすすめの小説
婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!
ユウ
恋愛
10歳の頃から伯爵家の嫁になるべく厳しい花嫁修業を受け。
貴族院を卒業して伯爵夫人になるべく努力をしていたアリアだったが事あるごと実娘と比べられて来た。
実の娘に勝る者はないと、嫌味を言われ。
嫁でありながら使用人のような扱いに苦しみながらも嫁として口答えをすることなく耐えて来たが限界を感じていた最中、義妹が出戻って来た。
そして告げられたのは。
「娘が帰って来るからでていってくれないかしら」
理不尽な言葉を告げられ精神的なショックを受けながらも泣く泣く家を出ることになった。
…はずだったが。
「やった!自由だ!」
夫や舅は申し訳ない顔をしていたけど、正直我儘放題の姑に我儘で自分を見下してくる義妹と縁を切りたかったので同居解消を喜んでいた。
これで解放されると心の中で両手を上げて喜んだのだが…
これまで尽くして来た嫁を放り出した姑を世間は良しとせず。
生活費の負担をしていたのは息子夫婦で使用人を雇う事もできず生活が困窮するのだった。
縁を切ったはずが…
「生活費を負担してちょうだい」
「可愛い妹の為でしょ?」
手のひらを返すのだった。
【完結】浮気現場を目撃してしまい、婚約者の態度が冷たかった理由を理解しました
紫崎 藍華
恋愛
ネヴィルから幸せにすると誓われタバサは婚約を了承した。
だがそれは過去の話。
今は当時の情熱的な態度が嘘のように冷めた関係になっていた。
ある日、タバサはネヴィルの自宅を訪ね、浮気現場を目撃してしまう。
タバサは冷たい態度を取られている理由を理解した。
吸血鬼公爵に嫁いだ私は血を吸われることもなく、もふもふ堪能しながら溺愛されまくってます
リオール
恋愛
吸血鬼公爵に嫁ぐこととなったフィーリアラはとても嬉しかった。
金を食い潰すだけの両親に妹。売り飛ばすような形で自分を嫁に出そうとする家族にウンザリ!
おまけに婚約者と妹の裏切りも発覚。こんな連中はこっちから捨ててやる!と家を出たのはいいけれど。
逃げるつもりが逃げれなくて恐る恐る吸血鬼の元へと嫁ぐのだった。
結果、血なんて吸われることもなく、吸血鬼公爵にひたすら愛されて愛されて溺愛されてイチャイチャしちゃって。
いつの間にか実家にざまぁしてました。
そんなイチャラブざまぁコメディ?なお話しです。R15は保険です。
=====
2020/12月某日
第二部を執筆中でしたが、続きが書けそうにないので、一旦非公開にして第一部で完結と致しました。
楽しみにしていただいてた方、申し訳ありません。
また何かの形で公開出来たらいいのですが…完全に未定です。
お読みいただきありがとうございました。
【完結】双き狼の相愛 人狼シリーズ③
remo
恋愛
「最初から、お前だけだった、…―――」
人間を犯して喰らう残虐な人狼のボスは、人間の妹を愛した。
――――――
由緒ある侯爵家に嫁いだ娘は、人狼の子だった。
帝都を跋扈する「ハイイロ」と呼ばれる人狼たちは、人間を襲い、欲しいままに犯し、喰らう。特に満月の夜は凶暴性が増し、若い娘を好んで凌辱した末に無残に食い散らすため、夜が明けると惨殺された娘の亡骸が帝都中に転がることになる。
そんな満月の夜。
類まれな美貌を持つ娘を匿った侯爵家の子息、京月院(きょうげついん)スミカは、娘に一目ぼれし、決まっていた羽菱(はねびし)財閥家との縁談を断って、娘を娶る。しかし、祝言の夜、乗り込んできた羽菱家の令嬢率いる無法者たちが凶行に走り、娘は銃弾を浴びる。瀕死の状態で倒れた娘の元に、白き人狼が降り立った、…――――――
【ロウ】 白き人狼。灰色人狼(ハイイロ)たちの統領(ボス)。人間と人狼の混血。ユイの双子の兄。
【ユイ】 人間の女の子。人間と人狼の混血。ロウの双子の妹。
【ヴィル】 灰色人狼の雄。ロウの側近。武勇に優れた元帥。
【シュン】 灰色人狼の雄。ロウの側近。武勇に優れた元帥。
【カルナ】 灰色人狼の雌。元老院によるロウの番(つがい)候補。
【ナツナ】 灰色人狼の雌。元老院によるロウの番(つがい)候補。
【京月院スミカ】 由緒ある侯爵家の跡取り息子。ユイを見初め、求婚する。
【羽菱アキコ】 財閥家の娘。スミカの婚約者だったが破棄される。
【羽菱ハルコ】 財閥家の奥方。アキコの母親。
*『蒼き狼の愛慕』続編。
*【完結】読んで頂きありがとうございます。
【完結】何度時(とき)が戻っても、私を殺し続けた家族へ贈る言葉「みんな死んでください」
リオール
恋愛
「リリア、お前は要らない子だ」
「リリア、可愛いミリスの為に死んでくれ」
「リリア、お前が死んでも誰も悲しまないさ」
リリア
リリア
リリア
何度も名前を呼ばれた。
何度呼ばれても、けして目が合うことは無かった。
何度話しかけられても、彼らが見つめる視線の先はただ一人。
血の繋がらない、義理の妹ミリス。
父も母も兄も弟も。
誰も彼もが彼女を愛した。
実の娘である、妹である私ではなく。
真っ赤な他人のミリスを。
そして私は彼女の身代わりに死ぬのだ。
何度も何度も何度だって。苦しめられて殺されて。
そして、何度死んでも過去に戻る。繰り返される苦しみ、死の恐怖。私はけしてそこから逃れられない。
だけど、もういい、と思うの。
どうせ繰り返すならば、同じように生きなくて良いと思うの。
どうして貴方達だけ好き勝手生きてるの? どうして幸せになることが許されるの?
そんなこと、許さない。私が許さない。
もう何度目か数える事もしなかった時間の戻りを経て──私はようやく家族に告げる事が出来た。
最初で最後の贈り物。私から贈る、大切な言葉。
「お父様、お母様、兄弟にミリス」
みんなみんな
「死んでください」
どうぞ受け取ってくださいませ。
※ダークシリアス基本に途中明るかったりもします
※他サイトにも掲載してます
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
【完結】結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが
Rohdea
恋愛
結婚式の当日、花婿となる人は式には来ませんでした───
伯爵家の次女のセアラは、結婚式を控えて幸せな気持ちで過ごしていた。
しかし結婚式当日、夫になるはずの婚約者マイルズは式には現れず、
さらに同時にセアラの二歳年上の姉、シビルも行方知れずに。
どうやら、二人は駆け落ちをしたらしい。
そんな婚約者と姉の二人に裏切られ惨めに捨てられたセアラの前に現れたのは、
シビルの婚約者で、冷酷だの薄情だのと聞かされていた侯爵令息ジョエル。
身勝手に消えた姉の代わりとして、
セアラはジョエルと新たに婚約を結ぶことになってしまう。
そして一方、駆け落ちしたというマイルズとシビル。
二人の思惑は───……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる