114 / 190
114 女の武器
しおりを挟む
砦を占拠し、拠点を構えたエスタール帝国軍では、ディフトの街方面へ街道を侵攻し始めた部隊の、全滅が報告されていた。
「2000の部隊がほぼ壊滅、敗走だとぉ!? 敵軍の数はぁ!?」
「はっ、それが……。騎馬隊30と、高ランクの冒険者が数名の一団だと……」
「ふざけるなぁぁぁぁ!」
「も、申し訳ございません。敵の冒険者、魔術師が強力で……」
指揮官の怒りの怒号が、拠点に響き渡る。
「第16から22までの部隊を街道に回せ!! 魔術師ごとき、蹴散らしてこい!!
それで、ゼリス城塞はまだ落とせんのか!!」
「ゼリス要塞を包囲して3日、敵の反攻も収まってきました。
明日には城壁を突破し、占領できる見込みです」
砦への侵攻から順調な戦火を上げていた帝国軍であったが、数名の冒険者によって計画を崩された。
砦の防衛にあたっていた部隊に出撃の命が下る。
その頃ルリ達は、森の中を疾走していた。
周囲の敵軍の位置は完全につかんでいるので、急な戦闘などに警戒する必要もない。
「右前方、敵遊軍6人」
バシュ、バシュバシュ
森を掛けながら、偵察なのか逃げはぐれたのか、森をさ迷う少人数の部隊を見つけては、魔法を打ち込んで倒していく。
「見つけたわ! ラミア達、ゼリスの街の手前で待機中のようね!」
「敵は?」
「ラミア達の周囲に敵なし。ゼリスの街は、全方位を敵部隊に囲まれてるみたい」
「了解、とりあえず、ラミア達に合流しよう!」
ゼリスの街を囲む敵に気付き、ラミア達は身を潜めていたようだ。
伝説級の魔物が3人も同行しているので突破しようと思えば出来なくは無いのであろうが、彼女たちが自らの意思で無理をするとは考えにくい。
「「「「お待たせ~」」」」
「ミリアーヌ様、セイラ様!!」
「リフィーナ様、メアリーもご無事で!」
何事も無かったかのように合流する。
護衛騎士とメイド三姉妹が、安心した顔で駆け寄ってきた。
「へへ~ん。ちゃんと送ってきたわよ! 途中ねぇ、魔物とか敵っぽいヒト族がいたけど、ラミア姉さんが倒したんだよ! すごいでしょぉ!!」
「ラミアもアルラネも、ありがとう。もちろん、セイレンもね」
「ふん、私は何もしてないわよ」
余程楽しかったのか、アルラネがテンション高く、道中の様子を話してくる。
セイレンは、……いつも通りだ。
森が避けて道が出来たり、蛇の群れが敵を討ったり……。
領兵たちが蒼白な表情になっているのは、驚き疲れた結果だろうか……。
「さて、次の問題は、どうやってゼリスの街に入るかね」
「完全に包囲されてるけど……」
ゼリスの街は、360度を高く強力な城壁に囲まれた城塞都市である。
出入り口も正面の街門のみで、そこは当然、敵兵が多くなっている。
「正門から入るのは難しいわね。たどり着く前に、敵のほぼ全軍と戦闘になるわ」
「抜け道とかって無いの? ほら、秘密の地下道とか、よくあるじゃない?」
領兵たちに聞いてみるものの、秘密の抜け道を知る者はいなかった。
街は目の前だが、入る術がないとは想定外だ。
「セイラ、もし抜け道を、地下道を掘るとしたら、出口はどこに作るかしら?」
「普通なら、領主の屋敷から外に向けて掘るわね。ただ、馬鹿正直に真っ直ぐな道だとバレるから、近くの街道に向かって、すぐに逃げられるように曲げて掘るわ。すると、出口はこの辺かなぁ?」
地図を見ながらセイラが指差したのは、今いる場所から南西に300メートルほど進んだ、領都に向かう街道にほど近い場所だった。
「いつまでもここに居るのも危険だし、そっちに移動してみましょうか。
それとは別で、ルリ、何とかして中に侵入してくれる? 抜け道があれば聞きたいし、無いとしても、物資を届けることが出来れば少しは状況が変わるかもしれない」
「ねぇ、その役、私にやらせてくれない?
ルリは、ここに居て欲しいの。もし大規模な戦闘になるとしたらここ。その時にルリがいてくれた方が良いわ」
「セイラ?」
中に侵入するというメアリーの作戦に対して、立候補したのはセイラだった。
ルリ程ではなくともセイラも収納魔法を使える。さらに、戦闘が派手なルリと比べ、セイラは目立たずに隠密行動が出来る。
「では、私どもにご一緒させてください」
さらに手を上げたのは、メイド三姉妹だ。
近接戦闘においては最強の3人を加えた、メイド戦闘服の4人組が、侵入作戦を担当する事に決定する。
「ルリ、ミリア達をよろしくね!」
「うん、そっちも気を付けてね!」
包囲網が薄そうな場所を探しながら、敵軍に近づくセイラ達。
ルリ達は、抜け道の出口の予想地点へと、慎重に移動を開始した。
「戦闘せずに城壁の近くまで行ければベストなのですが、どこも敵がいっぱいですね……」
「セイラ様、私たちが敵を引き付けますので、その隙に中に侵入されては?」
「うん、でもそれは、最悪のケース。あなた達が危険だわ。まぁ見てて! 女の武器を使うのよ!!」
「「「女の武器?」」」
敵陣を前に、侵入方法を模索しているメイド服の4人であるが、突然、セイラが不思議な言葉を残すと、敵陣に向けて歩き出した。隠れる事もなく……。
「誰だ!!」
「こんちには。前線の兵士さん達をお世話するようにと、派遣されてきました。セイラと申します」
メイド服を翻しながら優雅に挨拶するセイラ。慌ててメイド三姉妹も続く。
突然の女性の訪問に驚く兵士、奥から小隊長と呼ばれる男がやってきた。
「そんな話は聞いていない、正面の貴族兵ではないのか?」
「正面には別の者が行っております。私どもは、奥を担当するよう言われまして、こちらに参った所です。
朝までしっかり奉仕するようにと……。ご不要でしたでしょうか……」
「い、いや、ならば仕方がないな。3日間戦い詰めだ、労ってやってくれ」
セイラ……どこでそんな話術を身につけたのか……。
実際、長期の戦で、男ばかりの兵士の元に女奴隷が送り込まれる事は珍しくない。
メイド姿と言うのは、稀であるが……。
鼻の下を伸ばした小隊長に続き、部隊の中を進む。
城壁まではまだ20メートル近くあり、城壁を飛び越えるにしても、もう少し近づきたい所だ。
「では、兵士さん達に飲み物を配ってまいりますわ」
小隊長のお世話を終え、4人は展開する兵士の元へと散らばっていった。
それぞれ動きを合わせながら、少しずつ城壁に近づいていく。
もちろん、戦争の真っ最中。城壁の上からは弓兵が常に睨みを利かせており、いつ撃たれても文句を言えない状況なのだが、幸い今は、弓矢や投石が飛び交うタイミングでは無かったようだ。
城壁の前までたどり着くと、4人は目配せする。
「では、ごきげんよう。さようなら!」
セイラは魔力を見に纏うと、サッと飛び上がった。
メイド三姉妹も、忍者のように壁を駆けあがる。
「「「なっ!!」」」
驚く帝国兵が声を上げるが、時既に遅し。
あっさりと城壁を飛び越えると、セイラ達は城壁の中に飛び降りた。
『敵襲~』
『侵入者だ~』
城壁内で兵士の声が響く。
射られた弓矢を大盾で防ぎ、メイド三姉妹が短剣で打ち払う。
「み、味方です!! 補給部隊を連れてきました! 攻撃を止めてください~!!」
悲鳴のような声で、攻撃停止を求めるセイラ。
そう言われても、簡単に信じられるはずが無い。
「武装を解除し、名を名乗れ!」
攻撃が止むのを確認して、武器を捨て両手を上げる。
「コンウェル公爵家が三女、セイラと申します。
外に補給部隊、近衛騎士団とディフトの街の領兵、それにアメイズ子爵家のリフィーナが待機しております。それを知らせに参りました!」
「公爵家のご令嬢だと!? しかも子爵家の姫が待機してる? 信じられるか!?
……。捕らえて本部に連行しろ!!」
王族である公爵家令嬢が、メイド服を着て、敵軍を突破し侵入してくるなど、一般の兵士の想像を越えた状態であった。
後ろ手を縛られ、連行される。もちろん、抵抗はするべきではない。
せっかく侵入できたのに一転ピンチになる……詰めの甘いセイラ達であった。
「2000の部隊がほぼ壊滅、敗走だとぉ!? 敵軍の数はぁ!?」
「はっ、それが……。騎馬隊30と、高ランクの冒険者が数名の一団だと……」
「ふざけるなぁぁぁぁ!」
「も、申し訳ございません。敵の冒険者、魔術師が強力で……」
指揮官の怒りの怒号が、拠点に響き渡る。
「第16から22までの部隊を街道に回せ!! 魔術師ごとき、蹴散らしてこい!!
それで、ゼリス城塞はまだ落とせんのか!!」
「ゼリス要塞を包囲して3日、敵の反攻も収まってきました。
明日には城壁を突破し、占領できる見込みです」
砦への侵攻から順調な戦火を上げていた帝国軍であったが、数名の冒険者によって計画を崩された。
砦の防衛にあたっていた部隊に出撃の命が下る。
その頃ルリ達は、森の中を疾走していた。
周囲の敵軍の位置は完全につかんでいるので、急な戦闘などに警戒する必要もない。
「右前方、敵遊軍6人」
バシュ、バシュバシュ
森を掛けながら、偵察なのか逃げはぐれたのか、森をさ迷う少人数の部隊を見つけては、魔法を打ち込んで倒していく。
「見つけたわ! ラミア達、ゼリスの街の手前で待機中のようね!」
「敵は?」
「ラミア達の周囲に敵なし。ゼリスの街は、全方位を敵部隊に囲まれてるみたい」
「了解、とりあえず、ラミア達に合流しよう!」
ゼリスの街を囲む敵に気付き、ラミア達は身を潜めていたようだ。
伝説級の魔物が3人も同行しているので突破しようと思えば出来なくは無いのであろうが、彼女たちが自らの意思で無理をするとは考えにくい。
「「「「お待たせ~」」」」
「ミリアーヌ様、セイラ様!!」
「リフィーナ様、メアリーもご無事で!」
何事も無かったかのように合流する。
護衛騎士とメイド三姉妹が、安心した顔で駆け寄ってきた。
「へへ~ん。ちゃんと送ってきたわよ! 途中ねぇ、魔物とか敵っぽいヒト族がいたけど、ラミア姉さんが倒したんだよ! すごいでしょぉ!!」
「ラミアもアルラネも、ありがとう。もちろん、セイレンもね」
「ふん、私は何もしてないわよ」
余程楽しかったのか、アルラネがテンション高く、道中の様子を話してくる。
セイレンは、……いつも通りだ。
森が避けて道が出来たり、蛇の群れが敵を討ったり……。
領兵たちが蒼白な表情になっているのは、驚き疲れた結果だろうか……。
「さて、次の問題は、どうやってゼリスの街に入るかね」
「完全に包囲されてるけど……」
ゼリスの街は、360度を高く強力な城壁に囲まれた城塞都市である。
出入り口も正面の街門のみで、そこは当然、敵兵が多くなっている。
「正門から入るのは難しいわね。たどり着く前に、敵のほぼ全軍と戦闘になるわ」
「抜け道とかって無いの? ほら、秘密の地下道とか、よくあるじゃない?」
領兵たちに聞いてみるものの、秘密の抜け道を知る者はいなかった。
街は目の前だが、入る術がないとは想定外だ。
「セイラ、もし抜け道を、地下道を掘るとしたら、出口はどこに作るかしら?」
「普通なら、領主の屋敷から外に向けて掘るわね。ただ、馬鹿正直に真っ直ぐな道だとバレるから、近くの街道に向かって、すぐに逃げられるように曲げて掘るわ。すると、出口はこの辺かなぁ?」
地図を見ながらセイラが指差したのは、今いる場所から南西に300メートルほど進んだ、領都に向かう街道にほど近い場所だった。
「いつまでもここに居るのも危険だし、そっちに移動してみましょうか。
それとは別で、ルリ、何とかして中に侵入してくれる? 抜け道があれば聞きたいし、無いとしても、物資を届けることが出来れば少しは状況が変わるかもしれない」
「ねぇ、その役、私にやらせてくれない?
ルリは、ここに居て欲しいの。もし大規模な戦闘になるとしたらここ。その時にルリがいてくれた方が良いわ」
「セイラ?」
中に侵入するというメアリーの作戦に対して、立候補したのはセイラだった。
ルリ程ではなくともセイラも収納魔法を使える。さらに、戦闘が派手なルリと比べ、セイラは目立たずに隠密行動が出来る。
「では、私どもにご一緒させてください」
さらに手を上げたのは、メイド三姉妹だ。
近接戦闘においては最強の3人を加えた、メイド戦闘服の4人組が、侵入作戦を担当する事に決定する。
「ルリ、ミリア達をよろしくね!」
「うん、そっちも気を付けてね!」
包囲網が薄そうな場所を探しながら、敵軍に近づくセイラ達。
ルリ達は、抜け道の出口の予想地点へと、慎重に移動を開始した。
「戦闘せずに城壁の近くまで行ければベストなのですが、どこも敵がいっぱいですね……」
「セイラ様、私たちが敵を引き付けますので、その隙に中に侵入されては?」
「うん、でもそれは、最悪のケース。あなた達が危険だわ。まぁ見てて! 女の武器を使うのよ!!」
「「「女の武器?」」」
敵陣を前に、侵入方法を模索しているメイド服の4人であるが、突然、セイラが不思議な言葉を残すと、敵陣に向けて歩き出した。隠れる事もなく……。
「誰だ!!」
「こんちには。前線の兵士さん達をお世話するようにと、派遣されてきました。セイラと申します」
メイド服を翻しながら優雅に挨拶するセイラ。慌ててメイド三姉妹も続く。
突然の女性の訪問に驚く兵士、奥から小隊長と呼ばれる男がやってきた。
「そんな話は聞いていない、正面の貴族兵ではないのか?」
「正面には別の者が行っております。私どもは、奥を担当するよう言われまして、こちらに参った所です。
朝までしっかり奉仕するようにと……。ご不要でしたでしょうか……」
「い、いや、ならば仕方がないな。3日間戦い詰めだ、労ってやってくれ」
セイラ……どこでそんな話術を身につけたのか……。
実際、長期の戦で、男ばかりの兵士の元に女奴隷が送り込まれる事は珍しくない。
メイド姿と言うのは、稀であるが……。
鼻の下を伸ばした小隊長に続き、部隊の中を進む。
城壁まではまだ20メートル近くあり、城壁を飛び越えるにしても、もう少し近づきたい所だ。
「では、兵士さん達に飲み物を配ってまいりますわ」
小隊長のお世話を終え、4人は展開する兵士の元へと散らばっていった。
それぞれ動きを合わせながら、少しずつ城壁に近づいていく。
もちろん、戦争の真っ最中。城壁の上からは弓兵が常に睨みを利かせており、いつ撃たれても文句を言えない状況なのだが、幸い今は、弓矢や投石が飛び交うタイミングでは無かったようだ。
城壁の前までたどり着くと、4人は目配せする。
「では、ごきげんよう。さようなら!」
セイラは魔力を見に纏うと、サッと飛び上がった。
メイド三姉妹も、忍者のように壁を駆けあがる。
「「「なっ!!」」」
驚く帝国兵が声を上げるが、時既に遅し。
あっさりと城壁を飛び越えると、セイラ達は城壁の中に飛び降りた。
『敵襲~』
『侵入者だ~』
城壁内で兵士の声が響く。
射られた弓矢を大盾で防ぎ、メイド三姉妹が短剣で打ち払う。
「み、味方です!! 補給部隊を連れてきました! 攻撃を止めてください~!!」
悲鳴のような声で、攻撃停止を求めるセイラ。
そう言われても、簡単に信じられるはずが無い。
「武装を解除し、名を名乗れ!」
攻撃が止むのを確認して、武器を捨て両手を上げる。
「コンウェル公爵家が三女、セイラと申します。
外に補給部隊、近衛騎士団とディフトの街の領兵、それにアメイズ子爵家のリフィーナが待機しております。それを知らせに参りました!」
「公爵家のご令嬢だと!? しかも子爵家の姫が待機してる? 信じられるか!?
……。捕らえて本部に連行しろ!!」
王族である公爵家令嬢が、メイド服を着て、敵軍を突破し侵入してくるなど、一般の兵士の想像を越えた状態であった。
後ろ手を縛られ、連行される。もちろん、抵抗はするべきではない。
せっかく侵入できたのに一転ピンチになる……詰めの甘いセイラ達であった。
0
お気に入りに追加
3,908
あなたにおすすめの小説
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
【完結(続編)ほかに相手がいるのに】
もえこ
恋愛
恋愛小説大賞に参加中、投票いただけると嬉しいです。
遂に、杉崎への気持ちを完全に自覚した葉月。
理性に抗えずに杉崎と再び身体を重ねた葉月は、出張先から帰るまさにその日に、遠距離恋愛中である恋人の拓海が自身の自宅まで来ている事を知り、動揺する…。
拓海は空港まで迎えにくるというが…
男女間の性描写があるため、苦手な方は読むのをお控えください。
こちらは、既に公開・完結済みの「ほかに相手がいるのに」の続編となります。
よろしければそちらを先にご覧ください。
【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました
ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。
それは王家から婚約の打診があったときから
始まった。
体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。
2人は私の異変に気付くこともない。
こんなこと誰にも言えない。
彼の支配から逃れなくてはならないのに
侯爵家のキングは私を放さない。
* 作り話です
【完結】地味令嬢の願いが叶う刻
白雨 音
恋愛
男爵令嬢クラリスは、地味で平凡な娘だ。
幼い頃より、両親から溺愛される、美しい姉ディオールと後継ぎである弟フィリップを羨ましく思っていた。
家族から愛されたい、認められたいと努めるも、都合良く使われるだけで、
いつしか、「家を出て愛する人と家庭を持ちたい」と願うようになっていた。
ある夜、伯爵家のパーティに出席する事が認められたが、意地悪な姉に笑い者にされてしまう。
庭でパーティが終わるのを待つクラリスに、思い掛けず、素敵な出会いがあった。
レオナール=ヴェルレーヌ伯爵子息___一目で恋に落ちるも、分不相応と諦めるしか無かった。
だが、一月後、驚く事に彼の方からクラリスに縁談の打診が来た。
喜ぶクラリスだったが、姉は「自分の方が相応しい」と言い出して…
異世界恋愛:短編(全16話) ※魔法要素無し。
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、見守ります
岡暁舟
恋愛
「気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにしませんか」の続編。
エリスと婚約したボリスが抱く不安。そして、婚約破棄されたナターシャの暴走。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる