39 / 120
第三十九話 女子会
しおりを挟む
消灯時間になり、アイザックと別れると自室へと戻る。
すると早速、私に聞きたいことがあるとずっとウズウズとしていたらしいハーパーとオリビアの二人にベッドの端に追いやられた。
なぜかその後ろにいるマリアンヌも、「私も混ぜてちょうだいな」と満面の笑みを浮かべている。
「ねぇねぇ、クラリスちゃん! 一体どういうことよー!」
「そうよそうよ。エディオンさまといい感じになったと思ってたら、アイザック・ノースと仲良くしてるだなんて!」
「しかも、さっき見た感じだとすごくいい感じだったじゃない~! いつ急接近したの!?」
ハーパーとオリビアはきゃいきゃいといつものノリだが、マリアンヌはいつもよりも食い気味で聞いてくる。
その瞳はかなり真剣で、私は思わず後ずさった。
「えっと……、エディオンから助けてもらったりマリアンヌのことを相談したりしてたら、結構気が合って……」
「そうだったのね! あー、クラリスとクラスが一緒じゃなかったのが悔やまれる! 二人が仲良くなる過程が見たかった……!!」
(たまにマリアンヌが怖いことを言っているような気がするのだが、気のせいだろうか)
私も大概マリアンヌのことは好きだが、それ以上にマリアンヌが私のことを好いてくれているような気もする。
ありがたいことではあるのだが、ちょっとだけ怖い。
「べ、別に大したことないと思うわ。ただ勉強を教えてるだけだし」
「えー!! アイザック・ノースに勉強を教えてるの、クラリスちゃん!」
「魔法統括大臣の子息に魔法教えるって結構凄いことよね……可愛くて秀才で魔法力も高いってクラリスちゃん凄すぎない!?」
「いや、そんなことはないと思うけど……」
だが、言われてみたら確かにそうだ。
すっかり忘れていたが、アイザックは魔法能力が最も高いと言われている人の息子であったことを思い出す。
(そのわりには勉強も魔法もからっきしだと言っていたし、実際その通りだったけど、一体どういうことだろうか?)
勉強も魔法も苦手そうだったけど、教えたら教えたぶんだけ覚えていたし、魔法も別に程々には使えていたように思う。
多少魔法を使っているときに違和感があったが、それも体調の問題か単なる気のせいだろう。
そもそもNMAは優れた魔法使いが入学資格を得られるのだし、NMAはコネ入学等がまるっきりないというのだから、アイザックにだってここに入学できるほどの優れたところが色々とあるはずだ。
とはいえ、今までの覚え方が悪かったのか、それとも勉強をまるっきりしてこなかったのか全体的にからっきしであったが。
何となくエディオンも普段とは違ってトゲのある言い方をしてたし、アイザック自身もファミリーネームも嫌っていたし、何かしらアイザックにも悩みがあるのかもしれない。
「クラリス?」
「え? あ、ごめん。ちょっと考えごとしてた」
「もう~。それで、アイザック・ノースもだけど、エディオンさまとはどうなったの?」
「ずっとクラリスのこと追いかけてたわよね、見てたわよ」
「結構、他のクラスでも噂になってるわよね」
「そ、そんなに……?」
まさか他のクラスにまで噂が広がっているなんて、と青ざめる。
それと同時に、そりゃそんな勘違いをみんなからされるほどに接触していたら婚約者が怒るのも無理はないと思った。
すると早速、私に聞きたいことがあるとずっとウズウズとしていたらしいハーパーとオリビアの二人にベッドの端に追いやられた。
なぜかその後ろにいるマリアンヌも、「私も混ぜてちょうだいな」と満面の笑みを浮かべている。
「ねぇねぇ、クラリスちゃん! 一体どういうことよー!」
「そうよそうよ。エディオンさまといい感じになったと思ってたら、アイザック・ノースと仲良くしてるだなんて!」
「しかも、さっき見た感じだとすごくいい感じだったじゃない~! いつ急接近したの!?」
ハーパーとオリビアはきゃいきゃいといつものノリだが、マリアンヌはいつもよりも食い気味で聞いてくる。
その瞳はかなり真剣で、私は思わず後ずさった。
「えっと……、エディオンから助けてもらったりマリアンヌのことを相談したりしてたら、結構気が合って……」
「そうだったのね! あー、クラリスとクラスが一緒じゃなかったのが悔やまれる! 二人が仲良くなる過程が見たかった……!!」
(たまにマリアンヌが怖いことを言っているような気がするのだが、気のせいだろうか)
私も大概マリアンヌのことは好きだが、それ以上にマリアンヌが私のことを好いてくれているような気もする。
ありがたいことではあるのだが、ちょっとだけ怖い。
「べ、別に大したことないと思うわ。ただ勉強を教えてるだけだし」
「えー!! アイザック・ノースに勉強を教えてるの、クラリスちゃん!」
「魔法統括大臣の子息に魔法教えるって結構凄いことよね……可愛くて秀才で魔法力も高いってクラリスちゃん凄すぎない!?」
「いや、そんなことはないと思うけど……」
だが、言われてみたら確かにそうだ。
すっかり忘れていたが、アイザックは魔法能力が最も高いと言われている人の息子であったことを思い出す。
(そのわりには勉強も魔法もからっきしだと言っていたし、実際その通りだったけど、一体どういうことだろうか?)
勉強も魔法も苦手そうだったけど、教えたら教えたぶんだけ覚えていたし、魔法も別に程々には使えていたように思う。
多少魔法を使っているときに違和感があったが、それも体調の問題か単なる気のせいだろう。
そもそもNMAは優れた魔法使いが入学資格を得られるのだし、NMAはコネ入学等がまるっきりないというのだから、アイザックにだってここに入学できるほどの優れたところが色々とあるはずだ。
とはいえ、今までの覚え方が悪かったのか、それとも勉強をまるっきりしてこなかったのか全体的にからっきしであったが。
何となくエディオンも普段とは違ってトゲのある言い方をしてたし、アイザック自身もファミリーネームも嫌っていたし、何かしらアイザックにも悩みがあるのかもしれない。
「クラリス?」
「え? あ、ごめん。ちょっと考えごとしてた」
「もう~。それで、アイザック・ノースもだけど、エディオンさまとはどうなったの?」
「ずっとクラリスのこと追いかけてたわよね、見てたわよ」
「結構、他のクラスでも噂になってるわよね」
「そ、そんなに……?」
まさか他のクラスにまで噂が広がっているなんて、と青ざめる。
それと同時に、そりゃそんな勘違いをみんなからされるほどに接触していたら婚約者が怒るのも無理はないと思った。
1
お気に入りに追加
2,667
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい
千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。
「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」
「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」
でも、お願いされたら断れない性分の私…。
異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。
※この話は、小説家になろう様へも掲載しています
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい
みっちゃん
ファンタジー
アイ「恥ずかしいから家の外では話しかけて来ないで」
サユリ「貴方と話していると、誤解されるからもう2度と近寄らないで」
メグミ「家族とか気持ち悪、あんたとは赤の他人だから、それじゃ」
義理の妹で同い年のアイ
幼馴染みのサユリ
義理の姉のメグミ
彼女達とは仲が良く、小さい頃はよく一緒遊んでいた仲だった…
しかし
カイト「皆んなおはよう」
勇者でありイケメンでもあるカイトと出会ってから、彼女達は変わってしまった
家でも必要最低限しか話さなくなったアイ
近くにいることさえ拒絶するサユリ
最初から知らなかった事にするメグミ
そんな生活のを続けるのが
この世界の主人公 エイト
そんな生活をしていれば、普通なら心を病むものだが、彼は違った…何故なら
ミュウ「おはよう、エイト」
アリアン「おっす!エイト!」
シルフィ「おはようございます、エイト様」
エイト「おはよう、ミュウ、アリアン、シルフィ」
カイトの幼馴染みでカイトが密かに想いを寄せている彼女達と付き合っているからだ
彼女達にカイトについて言っても
ミュウ「カイト君?ただ小さい頃から知ってるだけだよ?」
アリアン「ただの知り合い」
シルフィ「お嬢様のストーカー」
エイト「酷い言われ様だな…」
彼女達はカイトの事をなんとも思っていなかった
カイト「僕の彼女達を奪いやがって」
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる