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第四十八話 ポリシー
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「ヴィデルハルト様に傷つけたら承知致しませんわよ!」
「どの口が言うか!」
一々口が減らない小娘だとイライラするが、一応これでも聖女なので罵詈雑言をぶつけたい気持ちをグッと抑えた。
「聖女様! どうかお願いします!!」
「わかったわよ。でも、できるかどうかの保障はないからね! せいぜい契約破棄できるよう祈っておきなさい!」
もし万が一、魔物が彼らと結んでいる契約を超高位魔法で結んでいたらさすがの私もすぐに破棄することはできない。
破棄できるにしても魔物に飲み込まれる前となると恐らく不可能に近いだろう。
だから、やるなら今しかない……!
地中から這い出ようとしている今ならきっと魔物のリソースは全て地上に出ることのみに注がれているはずだ。契約を断ち切るなら今がチャンス。
「問おう、彼らの契約を。問おう、彼らに結ばれた契約を。見えぬ絆を今ここに示せ!」
パンッと手を叩くと、彼らに繋がれている契約が見えるようになる。
いずれも簡易魔法ではあるが、それぞれの首に絡まるように繋がれており、都市から出れば即座に首が飛ぶ仕掛けになっていた。
「感謝しなさい。これならすぐに外せるわ!」
「あぁ、聖女様! どうもありがとうございます!!」
「感謝するのは契約解除してからにして! 今からその首輪を外すから動かないでよ!? 動いたら首が飛ぶからね!!」
「ちょ、首が飛ぶってどういうことですの!」
「あんた今、人の話聞いてた!?」
「シェリー、黙りなさい!」
シェリエンヌは不服そうな顔をしながらも押し黙る。さすがにもう言い争っている時間などなかった。
私は大きく腕を広げると、巨大なハサミを彼らの頭上に出現させる。
すると、途端にシェリエンヌが喚きだす。
「なななな、何ですのこれ!?」
「動くなって言ってるでしょ!? 手元が狂って首が落ちるわよ!」
「やだやだやだやだ! 死にたくないですわ~~~!!」
「だったら、そのまま動かないで! いくわよ! ……我はこの契約を否定する。我はこの絆を断ち切る。全ての契約を無に返せ! コントラクトキャンセレーション!!」
ゴゴゴゴゴゴ、ジョッキン…………っ!
ハサミが大きな音を立てながら閉じると、繋がれていた契約魔法をまとめて断ち切った。
「これで問題ないわね。グルー! 彼らを外に出してきて」
「わかった! だが、シオンとヴィルはどうする?」
「私はヴィルを元に戻してからこの魔物を討伐するわ!」
「と、討伐じゃと!? さすがにこのサイズは無茶ではないか!? 大都市ぶんの魔力を吸い込んだ魔物じゃぞ!?」
グルーの声が驚きすぎて裏返る。普通の人なら諦めるところだろうが、なぜだか私はやれる気がしていた。
「大丈夫! やれると思えば案外やれるもんよ!」
「どこから来るんじゃ、その自信!」
「うーん、わかんない! でもできないって思うより、やってやるって思ったほうがいいでしょ。ここでひよっても事態が好転するわけじゃないし」
「そりゃそうじゃが、さすがにこの規模はお主でも……」
確かに、誰もが無謀だと思うだろう。でも、だからって不可能だと諦めたら何も起こらない。
足掻けるなら最後まで足掻きたいのが私のポリシーだ。
「どの口が言うか!」
一々口が減らない小娘だとイライラするが、一応これでも聖女なので罵詈雑言をぶつけたい気持ちをグッと抑えた。
「聖女様! どうかお願いします!!」
「わかったわよ。でも、できるかどうかの保障はないからね! せいぜい契約破棄できるよう祈っておきなさい!」
もし万が一、魔物が彼らと結んでいる契約を超高位魔法で結んでいたらさすがの私もすぐに破棄することはできない。
破棄できるにしても魔物に飲み込まれる前となると恐らく不可能に近いだろう。
だから、やるなら今しかない……!
地中から這い出ようとしている今ならきっと魔物のリソースは全て地上に出ることのみに注がれているはずだ。契約を断ち切るなら今がチャンス。
「問おう、彼らの契約を。問おう、彼らに結ばれた契約を。見えぬ絆を今ここに示せ!」
パンッと手を叩くと、彼らに繋がれている契約が見えるようになる。
いずれも簡易魔法ではあるが、それぞれの首に絡まるように繋がれており、都市から出れば即座に首が飛ぶ仕掛けになっていた。
「感謝しなさい。これならすぐに外せるわ!」
「あぁ、聖女様! どうもありがとうございます!!」
「感謝するのは契約解除してからにして! 今からその首輪を外すから動かないでよ!? 動いたら首が飛ぶからね!!」
「ちょ、首が飛ぶってどういうことですの!」
「あんた今、人の話聞いてた!?」
「シェリー、黙りなさい!」
シェリエンヌは不服そうな顔をしながらも押し黙る。さすがにもう言い争っている時間などなかった。
私は大きく腕を広げると、巨大なハサミを彼らの頭上に出現させる。
すると、途端にシェリエンヌが喚きだす。
「なななな、何ですのこれ!?」
「動くなって言ってるでしょ!? 手元が狂って首が落ちるわよ!」
「やだやだやだやだ! 死にたくないですわ~~~!!」
「だったら、そのまま動かないで! いくわよ! ……我はこの契約を否定する。我はこの絆を断ち切る。全ての契約を無に返せ! コントラクトキャンセレーション!!」
ゴゴゴゴゴゴ、ジョッキン…………っ!
ハサミが大きな音を立てながら閉じると、繋がれていた契約魔法をまとめて断ち切った。
「これで問題ないわね。グルー! 彼らを外に出してきて」
「わかった! だが、シオンとヴィルはどうする?」
「私はヴィルを元に戻してからこの魔物を討伐するわ!」
「と、討伐じゃと!? さすがにこのサイズは無茶ではないか!? 大都市ぶんの魔力を吸い込んだ魔物じゃぞ!?」
グルーの声が驚きすぎて裏返る。普通の人なら諦めるところだろうが、なぜだか私はやれる気がしていた。
「大丈夫! やれると思えば案外やれるもんよ!」
「どこから来るんじゃ、その自信!」
「うーん、わかんない! でもできないって思うより、やってやるって思ったほうがいいでしょ。ここでひよっても事態が好転するわけじゃないし」
「そりゃそうじゃが、さすがにこの規模はお主でも……」
確かに、誰もが無謀だと思うだろう。でも、だからって不可能だと諦めたら何も起こらない。
足掻けるなら最後まで足掻きたいのが私のポリシーだ。
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