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文化祭
十七話
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文化祭が近づいてきた。
各クラス準備に追われている。
桃のクラスも同様だった。
衣装合わせも最終段階のようで、念入りにチェックしていた。
桃が衣装を着ている姿を見たくて、保は巡回を理由にこっそり覗きに行った。
ミニスカメイド服だった。
赤、青、ピンク、黒…。様々な色のメイド服を女子生徒が着用していた。
桃はオーソドックスな黒を着ていた。
ふわふわなスカートから覗く細いが程よく筋肉のついた足。
その足に履いているのはガーターベルトで留める薄めの黒のストッキング。
頭にはカチューシャが付いている。
本番さながらをイメージするために薄く化粧もしているようだ。
(すごくかわいいなぁ、桃)
自分の部屋にずっとそのまま閉じ込めて毎日愛でてやりたいくらいかわいかった。
こっそり覗いているつもりだったようだが、周りから見ればガン見している状況だった。
『くーちゃん先生、何見てるの?』
不意に桃のクラスの女子に声を掛けられ、動揺してしまった。
「うぉっ!驚かすなよ」
『驚かせてないよ。ってかうちのクラスの衣装かわいいでしょ?』
「かわいいな。だが、あれは際どすぎないか?」
『今はあれくらい普通だよ』
「そうなのか…」
『客観的に先生に評価してもらいたいんだけどいいかな?』
「時間ならあるから、構わないぞ」
『やったね。皆ぁー、くーちゃん先生が衣装見てくれるって』
女子は保の白衣の袖口を引っ張って衣装合わせの部屋の中へ連れて行く。
堂々と桃の衣装姿が見られて保は平静を装うので精一杯だった。
(こっそり見るよりずっといいなぁ…)
保は堂々と桃の衣装をチェックした。
余すところなく上から下まで全部…。
桃だけだと不審がられるので、他の女子の衣装もチェックしてやった。
「なかなかいいじゃないか」
『本当に?』
「あぁ。かわいいと思うぞ。だけどスカート短すぎないか?」
『今時はこれくらいが主流なの』
「そうなのか?」
『そうなの』
「変な奴らもいるから長めの方がいいと思うが…」
『生徒会からの許可も下りてるから大丈夫だよ』
「それならいいが、変な奴がいたら気をつけろよ」
『はぁーい』
保は部屋から出て、保健室へ戻った。
(あの衣装はかわいいが、スカートが短すぎる。あれは当日近くにいて監視しておかないと)
その予想は的中する形になるとは露ほども考えていなかった。
各クラス準備に追われている。
桃のクラスも同様だった。
衣装合わせも最終段階のようで、念入りにチェックしていた。
桃が衣装を着ている姿を見たくて、保は巡回を理由にこっそり覗きに行った。
ミニスカメイド服だった。
赤、青、ピンク、黒…。様々な色のメイド服を女子生徒が着用していた。
桃はオーソドックスな黒を着ていた。
ふわふわなスカートから覗く細いが程よく筋肉のついた足。
その足に履いているのはガーターベルトで留める薄めの黒のストッキング。
頭にはカチューシャが付いている。
本番さながらをイメージするために薄く化粧もしているようだ。
(すごくかわいいなぁ、桃)
自分の部屋にずっとそのまま閉じ込めて毎日愛でてやりたいくらいかわいかった。
こっそり覗いているつもりだったようだが、周りから見ればガン見している状況だった。
『くーちゃん先生、何見てるの?』
不意に桃のクラスの女子に声を掛けられ、動揺してしまった。
「うぉっ!驚かすなよ」
『驚かせてないよ。ってかうちのクラスの衣装かわいいでしょ?』
「かわいいな。だが、あれは際どすぎないか?」
『今はあれくらい普通だよ』
「そうなのか…」
『客観的に先生に評価してもらいたいんだけどいいかな?』
「時間ならあるから、構わないぞ」
『やったね。皆ぁー、くーちゃん先生が衣装見てくれるって』
女子は保の白衣の袖口を引っ張って衣装合わせの部屋の中へ連れて行く。
堂々と桃の衣装姿が見られて保は平静を装うので精一杯だった。
(こっそり見るよりずっといいなぁ…)
保は堂々と桃の衣装をチェックした。
余すところなく上から下まで全部…。
桃だけだと不審がられるので、他の女子の衣装もチェックしてやった。
「なかなかいいじゃないか」
『本当に?』
「あぁ。かわいいと思うぞ。だけどスカート短すぎないか?」
『今時はこれくらいが主流なの』
「そうなのか?」
『そうなの』
「変な奴らもいるから長めの方がいいと思うが…」
『生徒会からの許可も下りてるから大丈夫だよ』
「それならいいが、変な奴がいたら気をつけろよ」
『はぁーい』
保は部屋から出て、保健室へ戻った。
(あの衣装はかわいいが、スカートが短すぎる。あれは当日近くにいて監視しておかないと)
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