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俺に集中してよ
しおりを挟む静かな店内にくぐもった通知音が鳴り響いた。
彼女はバッグからいそいそとスマホを取り出すと、少し隠しながら楽しそうにしている。何となく肩越しに覗こうとすると微笑みわざと手をずらした。
「気になる?」
「いや、隠すからさ…」
「気にしてくれるんだ?」
「はいはい」
少し不貞腐れながらもスマホを見るとすぐ楽しそうに集中してしまう7つ年下の彼女。年下扱いすると不貞腐れてしまうのが可愛い。
「どんな服が好み?」
「何でも好きだよ」
「それ、どうでもいいみたい」
付き合いたての頃、彼女は俺の好みを知りたがった。
「あえていえば清楚?」
次に会った時から清楚で少し大人びた服を着るようになった。本当は『清楚系も似合う』だったんだけど、俺との年齢差を縮めようとして背伸びしてる様子が可愛いから黙っておいた。
せっかくの休日デートなのに、彼女はスマホが鳴ると直ぐに反応してしまう。こっちに集中して欲しいな、と思っても楽しそうにしているのに水を差すのもカッコ悪い。
再びこっそりと肩越しからスマホ画面を見る。女友達だったことに安堵する。
ああ、こんなに気にするくらい好きなのに…。平静を装ってしまう俺は本当バカだよな。
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