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パスト編3
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ヨシキはおれの左手を両手で握り、持ち上げてそっと口づけを落し、そのまま見上げてふっと笑う。
一気に頭に血が上りベッドに押し倒して唇を貪った。…つもりだったのに歯がぶつかってしまい、血の味がした。
「すっ!すみませ…」
謝ろうとして距離を取ると、ヨシキが腕を伸ばしておれの顔を両手で挟んだ。
「大丈夫だから慌てないで?これくらい舐めとけば治るよ。…だから、舐めて?」
今度は怪我をさせないようにゆっくりと近づき、恐る恐る唇を舐めた。
「ん…」
痛いのかと躊躇うが、今度はおれの口内をヨシキが舐める。傷口は上唇だと言うのに上下の歯列をなぞり、上顎を舐められ、舌を吸い出されて擦られた。
小さな舌にちろちろと口内を蹂躙され、ぞわぞわとした感覚が下腹部に溜まって行く。
恍惚としていると口が離れ、寂しさに眉が寄る。
「ちゃんと鼻で息してる?」
!!
そう言われて息をするのを忘れていた事に気づく。ぶはっと息を吐くと、クスクス笑われて凄い肺活量だね、と言わた。
格好つける気もないが、情けなくなってくる。
「…笑ってごめん。バカにした訳じゃないからね?嬉しくて…」
「嬉しい?」
「嬉しいよ。こんなに不慣れで初々しいのなんて、すぐに無くなっちゃうもん。きっとあっと言う間に慣れて僕が一方的に啼かされちゃうんだ。」
そんな事があり得るのか?
とても思い描けない未来に首を傾げていると、ヨシキがそっと身を寄せた。
「…しあわせ…」
優しく抱きつくヨシキは良い匂いがして小さくて柔らかくて…
がっつき過ぎたと思い至った。
まだまだ時間はあるんだ。落ち着いて幸せをかみしめよう。
…って!
思ったのに!!
「すすすすみません!かっ!顔に!!」
「ふふっ…ん…美味しい…」
苦しいだろうとズボンを寛げられ、撫でさすられて更に苦しくなって、パンツを引っ張られて鬼頭に口づけなんてされたら…
見事に暴発した。
しかも嬉しそうにおれが出したものを舐めるとか、ヤバイ…残りを吸い出したりしたら、また!!
「すごい…イったばかりなのに…」
あっという間に勢いを取り戻したそれにうっとりと唇を寄せられて、頭に血がのぼる。ダメだ!そう何度も失敗できるか!!
そっぽを向いて堪えていると、いつのまにか服を全て剥ぎ取られ、仰向けに寝かされ、むき出しになった素足に布が触れる感触。視線を戻せばシャツを肩に羽織っただけのヨシキが四つん這いでおれに跨がるところだった。
「これ、知ってる?香油だよ。」
そう言えば何も考えてなかった!
それはおれが用意すべき物なのではないのか?
ヨシキは香油を手に垂らし、手のひらに伸ばして自分の脚の間に塗った。
そしておれのモノを脚に挟んで押し付けるように撫で上げる。
「これ、うまく動けないから手伝って?」
言われる通りに細い腰を持ち擦り付けるとすべすべで柔らかい太ももに挟まれ、ヨシキの慎ましいペニスが裏筋を擽る。
「これ…は…」
「素股、だよ。ん…気持ち…い…」
おれだけでなく、ヨシキも気持ちいいのかと思ったら夢中で揺すって擦り付けて果てた。
肩で息をしながら我に返り、また自分だけ先に達してしまったのかと思って情けなくなる。
「気持ち良かったぁ…ありがと、続きは夕食後ね?」
気を使っているのかと思ったが、ヨシキのモノはさっきより小さく柔らかくなっている。
「ヨシキも…その…?」
「ん…一緒だったね。」
全然気づかなかった!
いちばん良いところを見損ねた…次は必ずイキ顔を!
と、バカな事を考えている間に身体を綺麗に拭かれてしまった。これで服まで着せられたら子供扱いが過ぎると言うものだ。
「自分で着ます!」
「あ、ごめん。」
「…謝らないで下さい。こんな、何から何までしてもらっては申し訳ないだけですから。」
「別に良いのに。じゃあ、また後でね?」
「はい!」
どこまでも天使…
おれは身なりを整えた後、夕食の手伝いに向かった。もちろんヨシキの側に居たい下心だ。
「もう食ってきたのか?」
「料理長が言うとどっちを?って聞き返したくなるね。」
「…新人だ。」
「ちょっとだけ…」
あれでちょっとなのか。
「機嫌が良い訳だ。」
「だって初々しいの好きなんだもん。ぼくがリードできるのなんて慣れるまでだしさ。」
「そうだな。」
「そこはお世辞を言うところじゃない!?」
「初々しさを失って久しいおっさんの嫉妬だ。気にするな。」
「嫉妬してくれるんだ?」
「いくら諦めようとしてもどうにもならない感情だ。」
「…ごめん。」
カタン…
「あ…あの…」
「あれ?パストもうお腹減ったの?」
「いえ、手伝える事がないかと思って…」
「そろそろ今日の手伝いが来るから、そいつに教えてもらえ。」
冷静な2人に戸惑う。
「あの、お二人は恋人…なんですか?」
「まぁ、恋人の1人…かな?」
「今は恋人は2人だね。」
料理長の答えにヨシキがこともなげに補足する。
前は4人いたって言ってたっけ。
一気に頭に血が上りベッドに押し倒して唇を貪った。…つもりだったのに歯がぶつかってしまい、血の味がした。
「すっ!すみませ…」
謝ろうとして距離を取ると、ヨシキが腕を伸ばしておれの顔を両手で挟んだ。
「大丈夫だから慌てないで?これくらい舐めとけば治るよ。…だから、舐めて?」
今度は怪我をさせないようにゆっくりと近づき、恐る恐る唇を舐めた。
「ん…」
痛いのかと躊躇うが、今度はおれの口内をヨシキが舐める。傷口は上唇だと言うのに上下の歯列をなぞり、上顎を舐められ、舌を吸い出されて擦られた。
小さな舌にちろちろと口内を蹂躙され、ぞわぞわとした感覚が下腹部に溜まって行く。
恍惚としていると口が離れ、寂しさに眉が寄る。
「ちゃんと鼻で息してる?」
!!
そう言われて息をするのを忘れていた事に気づく。ぶはっと息を吐くと、クスクス笑われて凄い肺活量だね、と言わた。
格好つける気もないが、情けなくなってくる。
「…笑ってごめん。バカにした訳じゃないからね?嬉しくて…」
「嬉しい?」
「嬉しいよ。こんなに不慣れで初々しいのなんて、すぐに無くなっちゃうもん。きっとあっと言う間に慣れて僕が一方的に啼かされちゃうんだ。」
そんな事があり得るのか?
とても思い描けない未来に首を傾げていると、ヨシキがそっと身を寄せた。
「…しあわせ…」
優しく抱きつくヨシキは良い匂いがして小さくて柔らかくて…
がっつき過ぎたと思い至った。
まだまだ時間はあるんだ。落ち着いて幸せをかみしめよう。
…って!
思ったのに!!
「すすすすみません!かっ!顔に!!」
「ふふっ…ん…美味しい…」
苦しいだろうとズボンを寛げられ、撫でさすられて更に苦しくなって、パンツを引っ張られて鬼頭に口づけなんてされたら…
見事に暴発した。
しかも嬉しそうにおれが出したものを舐めるとか、ヤバイ…残りを吸い出したりしたら、また!!
「すごい…イったばかりなのに…」
あっという間に勢いを取り戻したそれにうっとりと唇を寄せられて、頭に血がのぼる。ダメだ!そう何度も失敗できるか!!
そっぽを向いて堪えていると、いつのまにか服を全て剥ぎ取られ、仰向けに寝かされ、むき出しになった素足に布が触れる感触。視線を戻せばシャツを肩に羽織っただけのヨシキが四つん這いでおれに跨がるところだった。
「これ、知ってる?香油だよ。」
そう言えば何も考えてなかった!
それはおれが用意すべき物なのではないのか?
ヨシキは香油を手に垂らし、手のひらに伸ばして自分の脚の間に塗った。
そしておれのモノを脚に挟んで押し付けるように撫で上げる。
「これ、うまく動けないから手伝って?」
言われる通りに細い腰を持ち擦り付けるとすべすべで柔らかい太ももに挟まれ、ヨシキの慎ましいペニスが裏筋を擽る。
「これ…は…」
「素股、だよ。ん…気持ち…い…」
おれだけでなく、ヨシキも気持ちいいのかと思ったら夢中で揺すって擦り付けて果てた。
肩で息をしながら我に返り、また自分だけ先に達してしまったのかと思って情けなくなる。
「気持ち良かったぁ…ありがと、続きは夕食後ね?」
気を使っているのかと思ったが、ヨシキのモノはさっきより小さく柔らかくなっている。
「ヨシキも…その…?」
「ん…一緒だったね。」
全然気づかなかった!
いちばん良いところを見損ねた…次は必ずイキ顔を!
と、バカな事を考えている間に身体を綺麗に拭かれてしまった。これで服まで着せられたら子供扱いが過ぎると言うものだ。
「自分で着ます!」
「あ、ごめん。」
「…謝らないで下さい。こんな、何から何までしてもらっては申し訳ないだけですから。」
「別に良いのに。じゃあ、また後でね?」
「はい!」
どこまでも天使…
おれは身なりを整えた後、夕食の手伝いに向かった。もちろんヨシキの側に居たい下心だ。
「もう食ってきたのか?」
「料理長が言うとどっちを?って聞き返したくなるね。」
「…新人だ。」
「ちょっとだけ…」
あれでちょっとなのか。
「機嫌が良い訳だ。」
「だって初々しいの好きなんだもん。ぼくがリードできるのなんて慣れるまでだしさ。」
「そうだな。」
「そこはお世辞を言うところじゃない!?」
「初々しさを失って久しいおっさんの嫉妬だ。気にするな。」
「嫉妬してくれるんだ?」
「いくら諦めようとしてもどうにもならない感情だ。」
「…ごめん。」
カタン…
「あ…あの…」
「あれ?パストもうお腹減ったの?」
「いえ、手伝える事がないかと思って…」
「そろそろ今日の手伝いが来るから、そいつに教えてもらえ。」
冷静な2人に戸惑う。
「あの、お二人は恋人…なんですか?」
「まぁ、恋人の1人…かな?」
「今は恋人は2人だね。」
料理長の答えにヨシキがこともなげに補足する。
前は4人いたって言ってたっけ。
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