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おお!っと王都で驚いた
まほうのうた
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新素材で作る事になった新しい服は先日のドレスのスカート部分と同じ素材。北からやってきた人が作った新素材で見た目は絹に似ていて価格は絹と麻の間くらい。……今は。人気が出たら価格が上がってしまうし、絹と同じ値段になったら人気は無くなる……。体温調節ができる人には同じ価格なら絹の方が良いよねぇ。供給が安定してるし高級品のイメージがある。
ラウリ先生の紹介で訪ねた研究所に通う人の年齢はまちまちらしい。むしろ成人している人もいる。成人している人は2~3回来ればすぐにコツを覚えて卒業して行く。おれだって!!
「ラウリ先生の紹介でお伺いしましたチサト・デーメルと申します」
「あー、聞いてるよー。コツを掴めばすぐできるようになるからねー。頑張ろうねー」
所長さんはのんびりした喋り方の優しいおじさん。
「あのねー、これを頭に付けてー、首には貼れないから紐で結んでー、胸とお腹には貼ってねー、そこを順に意識して涼しくなれーとか、あったかくなれー、とか考えると良いんだよー。じゃあここで仰向けになってねー。胸とお腹出してねー」
言われるがままに診察台に寝転び、シャツのボタンを外して前をはだけた。
「ココとココ、2ヶ所に貼るからねー。頭のてっぺんは髪の毛にピンで留めてー、首は自分でねー」
首のはリボンにボタンがついたみたいになっている。胸は心臓のあたりでお腹はおへそ。おへそにはドーナツ型だ。頭、首、胸、お腹の順に貼ったものを触って確認しながら魔力の流れを意識する、らしい。
ピンとこない。
「あ、汗かくからこっちに着替えて奥の部屋に行って練習ねー。暑くなってるから涼しくなれーって念じるんだよー」
渡された服は手術着みたいなゆったりとした膝丈のワンピース。奥の部屋は大きなガラス窓の日当たりの良い部屋だった。……サンルームってやつかな?
そこにはアレクより少し大きな赤い髪のそっくりな顔の子が2人。
「この子達は両親の都合で北の町から引っ越してきたから、寒さには強いけど暑さに弱いんだよー。このお兄ちゃんも一緒に練習するから仲良くしてあげてねー」
「「いいよー!」」
見た目もそっくりで同時に返事をする。双子! かわいい!!
「チサトだよ。よろしくね」
「チサト? おとななのにあついのだめなの?」
「だめなの。今日初めてだから教えてくれる?」
「いいけどぼくたち、まだじょうずじゃないよ」
「どんな風にするの?」
説明してもらったように頭のてっぺんから1、2、3、4、と触って「すずしくなーれ」と呪文(?)を唱えている。所長が頷いてるから合ってるのか。
真似してやってみるけど、変化なし。
「「あついー! しょちょー、おみずちょーだい」」
「自分で出来るでしょー?」
「あつくてうごけないー!」
「チサトー、おみずちょーだい!」
この子達も上手くいかなくて焦れて甘えているみたい。
室内のミニキッチンでお水を汲み、飲ませていて思いついた。子供向けのテレビで歌いながら体を触ってその部位の覚えるやつ。貼ったボタンを触りながら歌を歌えばもしかして上手くいくんじゃないかな?
双子ちゃんのボタン(?)をツンツンしながらデタラメな歌を適当に歌ってみた。
♪ あーついときには スー スー
♪ さーむいときには ぽっかぽか
♪ 魔力の流れで体を包んで
♪ ぽっかぽっかすーすー 気持ち良い~!
「なにそれー?」
「ヘンなうたー」
「えー? 楽しくない?」
2人は顔を見合わせて互いの様子を伺って、同時ににっと笑って声を揃えた。
「「たのしい!!」」
掴みはオッケー! よし、続きだ!
♪ 最初に触るのどこだっけ?
「あたま!」
「てっぺん!」
♪ なでなでなで
♪ つーぎに触るのどこですか?
「くびー!」
「のどー!」
♪ えー? どっちー?
♪ こちょこちょイタズラしてみよう
「「きゃーーー!」」
♪ 今度はどこを触ろうか?
「「むねだよ!」」
♪ 残念、ちがうよお尻だよー
「「えぇー!?」」
♪ おぉっと違った、胸でしたー!
♪ 今度はだいじょぶ、間違えない!
♪ おへそをくるりと回りましょう
「おへそ!」
「くるり!」
「涼しくなぁれ!」
しーーーーーん
あれ?
なんだか涼しくなったような……?
「あつくない」
「すずしい」
「2人も?」
「「うん!」」
いきなり成功? ホントに???
「では試してみましょうか」
所長はそう言って暖炉に火を入れた。暑い! と、思ったのに暑くない。火に近づけばちゃんと熱いけどほんの少し離れるだけで熱が遮断される。
これなら詰襟の騎士服でも汗をかかないね!
あ、わざわざ涼しい服作ってもらったのに無駄になっちゃった?
「あなた方はまだコントロールが完全ではないのでー、その魔石パッチを外すと体温調節ができないと思いますー。あと何回か通ってー、それなしでコントロールできるようになって下さいねー」
「「これちょうだい」」
「ダメでーす」
「「けちー!」」
「これはまだ少ししかないから、あげられないんだよー」
「他の困っている人のために我慢しよう?」
「「ぶー!」」
「ここ、きらい? おれはちゃんと練習しに来るよ」
「チサトまたくる? またへんなうた うたう?」
「ヘンな歌、一緒に歌おう!」
「それならくる!」
「チサトとあそぶー!」
また一緒に歌う約束をして何度か歌って歌を覚えて家に帰った。
他の子たちがどんどん来なくなって置いてかれた気がしてたのかも知れないな。
ラウリ先生の紹介で訪ねた研究所に通う人の年齢はまちまちらしい。むしろ成人している人もいる。成人している人は2~3回来ればすぐにコツを覚えて卒業して行く。おれだって!!
「ラウリ先生の紹介でお伺いしましたチサト・デーメルと申します」
「あー、聞いてるよー。コツを掴めばすぐできるようになるからねー。頑張ろうねー」
所長さんはのんびりした喋り方の優しいおじさん。
「あのねー、これを頭に付けてー、首には貼れないから紐で結んでー、胸とお腹には貼ってねー、そこを順に意識して涼しくなれーとか、あったかくなれー、とか考えると良いんだよー。じゃあここで仰向けになってねー。胸とお腹出してねー」
言われるがままに診察台に寝転び、シャツのボタンを外して前をはだけた。
「ココとココ、2ヶ所に貼るからねー。頭のてっぺんは髪の毛にピンで留めてー、首は自分でねー」
首のはリボンにボタンがついたみたいになっている。胸は心臓のあたりでお腹はおへそ。おへそにはドーナツ型だ。頭、首、胸、お腹の順に貼ったものを触って確認しながら魔力の流れを意識する、らしい。
ピンとこない。
「あ、汗かくからこっちに着替えて奥の部屋に行って練習ねー。暑くなってるから涼しくなれーって念じるんだよー」
渡された服は手術着みたいなゆったりとした膝丈のワンピース。奥の部屋は大きなガラス窓の日当たりの良い部屋だった。……サンルームってやつかな?
そこにはアレクより少し大きな赤い髪のそっくりな顔の子が2人。
「この子達は両親の都合で北の町から引っ越してきたから、寒さには強いけど暑さに弱いんだよー。このお兄ちゃんも一緒に練習するから仲良くしてあげてねー」
「「いいよー!」」
見た目もそっくりで同時に返事をする。双子! かわいい!!
「チサトだよ。よろしくね」
「チサト? おとななのにあついのだめなの?」
「だめなの。今日初めてだから教えてくれる?」
「いいけどぼくたち、まだじょうずじゃないよ」
「どんな風にするの?」
説明してもらったように頭のてっぺんから1、2、3、4、と触って「すずしくなーれ」と呪文(?)を唱えている。所長が頷いてるから合ってるのか。
真似してやってみるけど、変化なし。
「「あついー! しょちょー、おみずちょーだい」」
「自分で出来るでしょー?」
「あつくてうごけないー!」
「チサトー、おみずちょーだい!」
この子達も上手くいかなくて焦れて甘えているみたい。
室内のミニキッチンでお水を汲み、飲ませていて思いついた。子供向けのテレビで歌いながら体を触ってその部位の覚えるやつ。貼ったボタンを触りながら歌を歌えばもしかして上手くいくんじゃないかな?
双子ちゃんのボタン(?)をツンツンしながらデタラメな歌を適当に歌ってみた。
♪ あーついときには スー スー
♪ さーむいときには ぽっかぽか
♪ 魔力の流れで体を包んで
♪ ぽっかぽっかすーすー 気持ち良い~!
「なにそれー?」
「ヘンなうたー」
「えー? 楽しくない?」
2人は顔を見合わせて互いの様子を伺って、同時ににっと笑って声を揃えた。
「「たのしい!!」」
掴みはオッケー! よし、続きだ!
♪ 最初に触るのどこだっけ?
「あたま!」
「てっぺん!」
♪ なでなでなで
♪ つーぎに触るのどこですか?
「くびー!」
「のどー!」
♪ えー? どっちー?
♪ こちょこちょイタズラしてみよう
「「きゃーーー!」」
♪ 今度はどこを触ろうか?
「「むねだよ!」」
♪ 残念、ちがうよお尻だよー
「「えぇー!?」」
♪ おぉっと違った、胸でしたー!
♪ 今度はだいじょぶ、間違えない!
♪ おへそをくるりと回りましょう
「おへそ!」
「くるり!」
「涼しくなぁれ!」
しーーーーーん
あれ?
なんだか涼しくなったような……?
「あつくない」
「すずしい」
「2人も?」
「「うん!」」
いきなり成功? ホントに???
「では試してみましょうか」
所長はそう言って暖炉に火を入れた。暑い! と、思ったのに暑くない。火に近づけばちゃんと熱いけどほんの少し離れるだけで熱が遮断される。
これなら詰襟の騎士服でも汗をかかないね!
あ、わざわざ涼しい服作ってもらったのに無駄になっちゃった?
「あなた方はまだコントロールが完全ではないのでー、その魔石パッチを外すと体温調節ができないと思いますー。あと何回か通ってー、それなしでコントロールできるようになって下さいねー」
「「これちょうだい」」
「ダメでーす」
「「けちー!」」
「これはまだ少ししかないから、あげられないんだよー」
「他の困っている人のために我慢しよう?」
「「ぶー!」」
「ここ、きらい? おれはちゃんと練習しに来るよ」
「チサトまたくる? またへんなうた うたう?」
「ヘンな歌、一緒に歌おう!」
「それならくる!」
「チサトとあそぶー!」
また一緒に歌う約束をして何度か歌って歌を覚えて家に帰った。
他の子たちがどんどん来なくなって置いてかれた気がしてたのかも知れないな。
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