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5 敵を退けるため、動き出すエルベス大公家

サスベスを陥落させるアイリス

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 扉を開けると、かなり優美な作りの、椅子や寝台飾り。
天蓋付きの大きな寝台の横に、銀髪の少年が大きな窓からの夕日を浴びて、こちらを見つめていた。



「…確か、アリス…そんな名だったな?」
アイリスは優雅に腰を折って右手だけ胸の前で折り、左手は後ろに下げて、礼を取った。

「流石、都から来た若者だけあり、洗練されてるな」

暴君の頭領は、期待外れなほど、ゴツく無い美少年だった。
が、緑の瞳は、猫科の動物を思わせる。
隙は見せず、油断のならない、とても獰猛な。

腕が立つと言われてるだけあって、ゴツくは無かった。
が、余分な脂肪は少しも付いてない、見事に引き締まった身体。

アイリスは腰を起こし、右手を下げて香水の小瓶の水滴を左手に垂らす。
そしてゆっくり、若く獰猛で美しい、銀髪の頭領に近寄った。

微塵も謀を悟られぬ、柔和な微笑をたたえて。
「私が、あなたのお気に召すと幸いです」

そう告げると、両手で少年の頬を挟み込んで、そっ…と顔を傾け、口づける。

しっとり。と口づけられ、頭領はうっとりした表情を見せた。
左の手の平で優しく頭領の頬をなぜ、塗った媚薬入り香水の、香りから顔を背け。
軽く唇に口づけた後、少年の首筋に唇を這わせる。

「お前の唇は、天鵞絨(びろうど)のようだな…」
「気持ちが良い…?」
そう尋ねると
「続けろ」
と掠れた声がする。

左の手の平を、少年の唇に擦りつけながら、更に唇を下に這わせ、少年の胸元に降りて行く。
その最、彼の反応した場所に軽く吸い付くと、少年は甘い喘ぎを発した。

「…あっ…」

右手でゆっくり…少年の股間をなぜた時。
もう既に猛っていて、これでは好色で、突っ込みたいばっか。
になるのも、ムリ無いとアイリスは納得した。

直ぐ、顔を下げて股間に埋め、取り出して口に含むと。
少年はもう…たまらないように仰け反って、寝台に背を倒す。

アイリスは彼の両足をそっと持ち上げて、寝台の上に乗せ、股間の猛った彼のものを口に含み、愛撫した。

「あ…あ…っ」

その声から猛々しさも獰猛さもすっかり消え、アイリスはゆっくり…彼の後腔に指を這わす。

「…ど…こを、触ってる…?」
少年が身もがく度、アイリスは口を使って愛撫を施す。
その都度、少年は抵抗を奪われ、恍惚の中に沈む。

ゆっくり…双丘を割って蕾に指を差し入れ…そっとゆっくり、奥を探る。
「あ…っ!ダメ…だそこは…」

少年が身を起こそうとした時。
アイリスは彼の反応した場所を、一気に指で抉った。

「あうっ!」

電流が走ったように感じたのか。
少年は息を詰まらせ、のたうった。

「…ここ…がとても…感じるのですね?」
囁きながら…アイリスは今度はゆっくりと、指を出し入れして優しく愛撫する。

「…ダメっ…そんな…風にされたら…」
「気持ちよすぎて?」
言いながらアイリスは少年のものを口の奥深くに咥え込む。

「んんっ…」
同時に、後腔の奥を攻めると、少年の身ははげしくくねった。
「んあっ!」

途端、アイリスの口の中が塗れる。
けれど後腔に沈ませた指を、更に動かすと…。
少年の一物は瞬く間に、固く成り始めた。

「んっ…んんーっ」

少年の声を聞き、アイリスは彼を無理矢理勃たせたのだと知った。
が、後腔を攻める手は緩めない。

「(まるで猛獣の手綱だな…)」
思いつつも、幾度も指をねじ込ませて、彼の後腔を支配した。

「ああ…あ…っ」

とうとう、少年が泣き濡れた声を発した時。
アイリスは身を起こし、少年の腿を担ぎ上げ、挿入の体勢を取らせる。

ゆっくりと身を彼の胸に倒し、足と共に股間を引き寄せ、頬に口づけて囁く。
「…どうして欲しいですか?」
「もっと…」

そう。
散々刺激を続けた指を引き抜かれ、彼は今、その場所へもっと強い刺激を欲していた。

「私が、欲しい?」
幾度もソフトに、頬に唇に額に口づけの雨を降らせながら、アイリスはそっと身を進めた。

「ぅ…んっ!」

慎重に。
引き裂かないように。
気持ちの良いように。

ゆっくりと、奥まで。

「あ…っ!」
感じる場所に触れた途端。
少年はアイリスの下で仰け反る。

男を初めて受け入れる、狭いその場所を。
アイリスはなぜるように小刻みに動かしながら、そっと刺激し始めた。

「ああっ…う…んっ…」
甘い、喘ぎ声が気持ちいいと、告げていた。

ゆっくりと…少しずつ、早く。
強く擦り始めると、少年は少しずつ身もがきながら、のたうつ。

「ああっ…あっ…あ…。
変わってしまう!
変わって…あ…」

その声を聞いた時。
アイリスはぴたり。と動きを止めた。

少年はのたうつのを止め、自分に刺し入れているアイリスを見上げる。
うっとりする…整いきった美麗な顔の、濃紺の瞳が彼を見つめていた。

そして囁かれる。
「もう…止めて欲しい?」
優しい声で尋ねられ、少年は首を横に振る。
「嫌…ダメ…だ。続け…ろ………」

「では、続けて良いんですね?」

天使のように優しげな若者にそう聞かれ…少年は思わず、頷いた。
そしてアイリスに、しがみつく。
頬に頬を寄せて、アイリスが身を進めるのを、待った。

息使いを間近で感じ、優しい若者のやわらかな動きで、初めての快感に浚われ始め、少年はもっときつく、アイリスにしがみついた。

アイリスは更に強く、腰を打ち付けた。
が、自らそれを望んだ少年はもうすっかり、アイリスにされるがままに陥り、アイリスが更に強く刺激しても、涙を溜めた瞳から一筋頬に滴らせながら、訪れる激しい快感に自ら身を委ねた。

アイリスが解き放つまで。
少年は三度も射精した。

だから、アイリスが自身を後腔から引き抜いた時。
少年が激しく消耗し、ぐったりと寝台に身を投げても、驚かなかった。

けれどアイリスには少年を、休ませる気など毛頭無かった。

直ぐに彼の前に指を這わせ、触れて握り刺激を与える。
直ぐ、少年のそこは反応した。

アイリスは少年の身を起こし、うつ伏せにした後、腰を引き上げ四つん這いにさせて横から少年の一物を握り込んで愛撫を加えたまま、背後から後腔を探り直ぐ、挿入を始める。

けれど入り口で一旦止めると、少年の背は期待に戦慄いた。

「…頼む。止めるな…」

さっき、快感の波にさらわれかけた時。
アイリスが止めた事を思い出したのか。
懇願しないと、それ以上をして貰えないと気づき、少年はそう呟く。

アイリスは優しさで少年を包み込むと、了承した。
と言うように、またゆっくり、奥まで挿入する。

最初はじらすようにゆっくり。
そして少年が感じて震え始めると。
一転、激しく抉り出す。

「あ…あっ!
あああっ…!」

幾度も、激しくした後、緩やかに。
そしてまた、激しく刺し貫くと、少年は狂乱して乱れ始めた。

「ああっ…んっ…う…んっ!
もっと!もっと!
…もっと!!!」

叫ぶ声が室内に、響き渡るほど。


 ぐったりした少年を抱き寄せ、アイリスは暫くぴったりと身をくっつけて腕の中にサスベスを抱き、休ませたが、直ぐ。

顔を下げて股間の萎えたサスベスを口に含む。

「あっ…んっ…」

切なげな喘ぎに、ふとアイリスはサスベスが、頼りにしていた父を亡くしたばかりで、頭領になったのだと思い出す。

「(愛情というか…温もりに、飢えてるのかな…?)」

けれど口に含んだまま自在にサスベスの先端を舌を使い、弄ぶと…。
彼は直ぐ、解き放つ。

アイリスは一旦口を拭い、が直ぐ口に含むと、今度は後腔を指で攻める。
口で快感を引き出しながら後腔の敏感な場所を、指先で幾度も引っ掻くと、サスベスの腰が期待に震える。

「あ…っ…ん…っ…」

直ぐ、サスベスは口の中で解き放つ。
が、後腔を攻めるとまた直ぐ…。

勃ち上がって、舌先で弄びながらまた。
後腔を指で、弄ぶ…。

サスベスの腰がざわつき、震え…悶え始め…。
けれどアイリスの口の中で解き放つと、アイリスはまた、指で後腔を刺激し続けた。

三度目。
サスベスはもう、たまらないように…。
さっきアイリスが与えた、激しい恍惚感を思い返し、指で刺激し続けられながら、切なげに腰を振る。

「あ…。たの…む。挿入…れてくれ…」

サスベスの懇願の、意味を知りつつアイリスは、顔を上げてにっこり微笑む。
「ここ…?
挿入れてますよ?」

そう言って、潜り込ませた指をかき回す。

「ぅんっ…。
…そうじゃ…な…い………」

「もっと?」

指でかき回され…身を切なげにくねらせつつ、サスベスは懇願する。

「ダメ…だそんなん…じゃ………」

「どうして欲しいのですか?私に」

「お前を…」
サスベスは、言って震えた。

「お前自身を挿入(い)れて…。
さっき…みたいに。
いっぱい…」

「激しくしても、いい?」

アイリスの優しい声音に導かれて、サスベスは頷く。

アイリスがゆっくりと挿入し始めると。
サスベスは期待に微笑を浮かべ、目を閉じて挿入して来る、アイリスを味わった。

アイリスが身を倒すと、サスベスは両腕を回して抱きつく。
その途端。

アイリスは激しく突き上げると、サスベスは背を反り返らせて、悦んだ。

「ああ…あっ…。
もっと…。もっともっと…」
「激しくしても、構わない?」

サスベスが、こくん。
と頷くと、アイリスは腰を横に捻りながら突き入れる。

「あっ!あっ!!!」

小刻みに強く動かしたかと思うと、思いっきり激しく突き上げ…。
サスベスはそれで、イってしまった。

「(…うーん、相変わらず、早い)」
アイリスはまだ、引き抜かず、幾度も腰を波打つように突き入れると。
サスベスはまた、勃ち上がる。

「んんっ…!」

イったばかりなのに、蕾の奥を刺激されて強引に勃たせられるのが…。
サスベスは辛そうなのに、それも好きな様子。

なぜなら、また激しく貫かれる期待に、アイリスにしっかりと、しがみついたから。

必死に抱きつくサスベスは、六歳くらいの子供みたいで、アイリスは彼をだんだん可愛く感じ、優しく抉り出した後、思いっきり突き上げた。

「あ…………っ!」

大抵、しばらく優しく強弱を付けて突いた後、激しく抉ると。
相手は快感に震えて昇天する。

サスベスの腕から、ぐったりと力が抜け、表情を伺うと、うっとりした満足げな顔をしてる。

けれどアイリスは直ぐ。
サスベスの後腔に指を這わせて挿入し、指で再び、サスベスの後ろを弄んだ。

指で軽くなぜると、サスベスはゆっくりと勃ち上がり、また。
アイリスに、懇願の瞳を向ける。

「欲しいのなら…そうおっしゃって下さい。
もっと…?」

指で抉ると、サスベスはアイリスに必死にしがみついて、耳元で説破詰まった声音で囁く。
「お前を…くれ…!
挿入れて…。
お前の…ものでかき回して…。
思いっきり!」

アイリスは頷くと、今度は一気に激しく、抉り上げた。

ぎりぎりまで引き抜き、幾度も激しく刺し貫いてる間。

サスベスは二度も解き放ち、また勃って…。
三度目でようやく、アイリスが動きを止めた時、気を失いつつも、射精した。

また、暫くアイリスはぐったりしたサスベスを抱き寄せ、休ませはした。

が。
今度は後腔に指を入れ、指で激しくかき回して、サスベス自身に一切愛撫を加える事無く、後腔のみを攻め続け…。
サスベスは声が枯れる程喘ぎながらまた、懇願する。

「頼む…!
頼む…お前を挿入れて…………」

アイリスは頷くと、そこでようやく、自身を挿入した。

こんな調子で六点鐘もの間。
アイリスを受け入れる事を覚え込まされたサスベスは、アイリスを幾度も後腔に欲し、思い切り貫かれ続け…。

その夜、彼の家臣達は、主の激しい喘ぎ声は聞きはしたが、扉の開く音も
「次を連れて来い!!!」
と激しく怒鳴る声も、聞く事を免れた。
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