若き騎士達の危険な日常

あーす。

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駆け込むローフィス

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 ローフィスは小屋へ駆け出す。
がまだかなりの距離のある場所で、中から悲鳴。

「ローフィス!
ローフィス!!!」

ローフィスは聞いた途端、気が狂いそうになりながら、突っ走った。

バタン!
扉は鍵が、かかってなかった。

シェイルは両横の男に腕と足を掴まれ、這いつくばっていた…。

「どけ…!」

叫んで駆け寄ろうとした時、男が前に、すっ飛んで立ち塞がる。

…四年、熊のようにデカいドナルド…。

ローフィスは咄嗟身を屈めて足を思いっきり蹴り、ドナルドがバランスを崩した隙に突っ込む。
が次に立ち塞がったのは、四年シャンク。
いきなり豪速で拳を振られ、ローフィスは床に胸がつきそうな程身を屈め…。

殆ど裸に剥かれたシェイルが、アルシャノンに腕を掴まれ、必死に抜け出そうともがく可憐な姿が見えて…。

ローフィスはシャンクを交わし、駆け出そうとし…。
背後から腕を掴まれた。

ローフィスが激しく身を振る。

だがシャンクはもう片腕を掴もうと、暴れ狂うローフィスの腕に手を伸ばす。
その腕は、転ばされかけたドナルドが、突然鷲掴わしづかむ。

二人の男に両横から腕を掴まれ、それでもローフィスの視界には、救いを求め自分を見つめるシェイルの美しいエメラルド色の瞳しか、映ってない。

「…一人か?
オーガスタスはどうした?」

グーデンの声が響いても、ローフィスはシェイルを掴むアルシャノンに怒鳴る。

「シェイルを放せ!!!」

が。
四年のもう一人…一番小柄で黒髪のザッダンが、歩み寄ってシェイルのもう片腕を掴む。

両腕を掴まれ、シェイルは長い銀髪を振ってローフィスを見る。

頬からポロポロと涙を滴らせるシェイルの姿を見た途端、ローフィスは横のシャンクを思い切り、蹴りつける。

どんっ!!!
壁に吹っ飛ぶシャンクに片腕外され、ローフィスはもう一人、熊のようにデカいドナルドを、蹴ろうとした。

ぐぅんっ!!!

「ぐふっ…っ」

突然腹に凄まじいドナルドの拳が入り、ローフィスは身を折った。

立ち上がったシャンクが顔を上げかけたローフィスに、腹立ち紛れに拳を振り切る。

がっっっ!!!

血をまき散らしてローフィスは仰け反った。
顎に入った。
瞬間、顔を背け避けたが…それでも効いた。

頭がくらくらし…足元がふらつく。
それからは…ドナルドとシャンクに殴られ放題。
二人は怒りにまかせてふらふらのローフィスに、拳を振り込む。

がっ!!!
どんっ!
ずしゃっ!

ローフィスは胸に肩に腹に。
拳を振り込まれる度に身を振り、ついにシャンクがローフィスの頭を斜め上から、激しく殴りつけた時。

がっつっっつん!!!
ドタン!!!

…ローフィスは床に倒れた。

「まだ沈むなよ」

ドナルドに腕を引き上げられ…俯くローフィスは無理矢理立たされる。

シェイルはぐったりするローフィスの口の端から血が流れ落ちるのを見て、叫んだ。

「止めて…!
止めてもう…殴らないで!!!」

が、ドナルドとシャンクはふらふらのローフィスを、尚も殴りつける。

がっ!!!
どんっ!!!
ざしっ!!!

「駄目…っ!!!」

シェイルの悲鳴は響き渡った。
が、グーデンは言った。

「お前はそれどころじゃないだろう?
そいつの意識は残して置け。
助けに来た男の目前もくぜんで、お前を犯してやる」

ローフィスはそれを聞いた途端、突然かっ!!!と目を見開き、横のシャンクの拳を避けざま渾身の力で回し蹴って、再びシャンクをふっ飛ばし、直ぐ様振り向くとドナルドの腹に拳を突き入れた。

が…ドナルドは笑う。
「…効かないな」

そして上背から、凄まじい拳を振り切り

がっっっつん!!!

凄まじい音と共に、ローフィスを殴り倒した。

「嫌ーーーーーーーっ!!!」

シェイルは叫び、グーデンに懇願する。

「お願い…お願い、止めさせて…。
何をされてもいい…。
貴方あなたは僕に何をしたっていい!!!
だから…だからローフィスをこれ以上、殴らせないで!!!
どうか…お願い………」

悲鳴のような…懇願の言葉。

だがグーデンは、笑う。

「…殴るのを止めて、立たせて顔を上げさせろ。
助けに来たシェイルはもう私の愛玩だと、その男にじっくり見せてやる」

ローフィスは血だらけでボロボロの姿で…両横からドナルドとシャンクに腕を掴まれ立たされ。
それでもシェイルが、アルシャノンとザッダンに腕を掴まれて背を仰向けに倒され、足を広げられて…。

グーデンが、その股間へと進むのを見て、激しく肩を揺する。

「てめぇグーデン!!!
殺してやる!!!
シェイルを傷つけたら俺が…絶対殺してやるからな!!!」

ボロボロの姿で…けれど腹の底から響く、凄まじい怒声。

グーデンは笑った。

「さて。頂くか。
どうだ?
愛しい男の前で私に犯される気分は?」

シェイルは上にのしかかるグーデンから顔を背け、白い頬にポロポロと、涙を滴らせた…。


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