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ギュンターとレナルアン、最悪の組み合わせ

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 ディングレーとギュンターが、最後の一人を二年宿舎から放り投げた時。
講師二人が投げた先にやって来て、どすん!と音立てて目前に落ちて気絶する男を見、その後、階段上に居るディングレーとギュンターを見た。

「どうなってる?!」
一人の講師が詰問する。
問われてディングレーは、即座に答えた。
「グーデン愛玩少年らが一斉に逃げ出し、ローランデの私室に保護したが、グーデン配下らが取り戻しに押しかけて来て、二年らに迷惑かけてたので。
俺と…」
と、横のギュンターを見、そして背後の扉に振り向き
「オーガスタスとで、追い出したところだ」
そう告げると。
講師二人は、顔を見合わせる。
「では、もう闘争は終わったのか?」
別の一人の講師に聞かれ、ディングレーは頷く。
「今投げたのが、押し入った最後のヤツだ」

講師は足元に、多数転がって呻いてるグーデン配下の男らを見回すと、顔を上げてまた問う。
「怪我人は?
他にはいないか?」

「殴られた二年が数名いるな。
今から医療室に出向くと、怪我したグーデン配下とはち合わせるかな?」

講師は足元に転がり、呻くグーデン配下の数をざっと目で追い
「あり得るな…」
と呟き、もう一人が
「四年を駆り出して、運ばせるか…」
と、ため息交じりに俯いた。

ディングレーはそれを聞いて頷くと
「ローランデの所にも、怪我人診れるお抱え治療師ぐらい、居る筈だから。
二年の怪我人はそっちに回す」
と告げ、講師に
「頼む。
こっちは引き受ける」
と言われ、頷いて二年宿舎の扉を潜る。

中へ入ると、オーガスタスが怪我した数名の様子を見ていて、ディングレーは
「ローランデの治療師をここに寄越すように言付ける」
と、大貴族階段へと向かい始めた。
が、ひょい!と屈んでたローフィスが顔を上げ
「もう俺と一緒に、ここに来てる。
と、布を怪我人の腕に巻きながら告げるのを見て、ディングレーはため息交じりに、進む方向をローフィスの元へと変えた。

「…相変わらず、手回しいいな…」
ローフィスに寄りながらつぶやくと、側で二年の怪我の状態を、治療師に報告してたオーガスタスは、顔上げて告げる。
「ローフィスだからな」

ディングレーは頷き倒す。
その背後でギュンターが棒立ちしてるのを見て、オーガスタスが声かける。
「上の様子、見て来てくれ」
ローフィスも、顔を上げる。
「ついでに、上で用意してくれてる薬、持って降りて来てくれ」

ギュンターは二人の四年に言われ、大貴族用階段に向かい、足を一段乗せて振り向き、ディングレーに
「行かないのか?」
と声かける。
ディングレーはローフィスの横で手当の様子を見ていたけど、気づいて顔を上げ
「お前一人で、行けないのか?」
と聞く。

「……………行ける。
が、あっちはあんたと、話したいんじゃ無いか?
ここにずっと置いといたら、不用心だろう?」

オーガスタスが言おうか、と思った矢先、ローフィスが顔を上げず傷口手当しながら、説明する。
「グーデン配下で、現在動けるのは一年くらいだろう?
主戦力の四・三年グーデン配下らの怪我が治るまで、愛玩らは大丈夫だ」

ギュンターが見てると、オーガスタスも頷く。
それで、ギュンターは階段を登り始めた。

造りは三年大貴族宿舎と同じで、階段を登ると踊り場があり、その向こうに食堂。
周囲に扉が、ずらりと並ぶ。
一番奥がローランデの私室らしく、淡いクリーム色で銀の洒落たドアノブがついていて、扉は少し、開いていた。

目指して進む途中。
紺の扉が開いていて、中から赤毛の美少年が
「ギュンター?!」
と叫んで、飛び出して来る。

「…?
会った事、あったっけ?」
「俺、いっつも窓から見てたから!
面と向かって会ったのは、多分初めて。
う・わーーーーー。
近くで見ると、マジ美形!
グーデン配下で美形ってさ、ローズベルタくらいだけど…。
あいつ、顔綺麗だけど雰囲気が陰険で、タイプじゃない」

ギュンターは、腕に巻き付き、はしゃぐ赤毛の美少年を見下ろす。
「…つまりお前って…グーデンとこの…」
「一般な呼び名が“愛玩”。
侮蔑ぶべつ言葉だよな?
まあ、どーでもいいけど」

ギュンターは腕に腕を絡ませ、顔を見上げて笑ってる、水色の瞳の美少年を改めて見つめる。
するとみる間に、頬を染めた。
「ひぇー。
その紫の瞳で見つめられると、なんか…体、火照っちゃう」
ギュンターは俯くと、また美少年に視線を戻す。
「…逃げ出して、来たんだよな?」
美少年は頷く。
「だってさ。
シャクナッセルさん逃げて。
ラナーンがハードに扱われて。
そしたら俺なんて、どんな扱い受けるか、分かったもんじゃないし。
あいつら、ただでさえ乱暴なのに。
体壊したら、元も子もないじゃ無いか。
週末は一応、あいつらグーデンに金貰って娼館でオンナ、抱くからいいけど。
まあ…グーデンのお気に入りは、週末も楽出来ないけど。
俺はグーデンのお気に入りじゃないから、配下専用で、平日ハードな分、週末は良いけどさ」

ギュンターは、話し終わったかな?
と口開こうとする。
が、赤毛の美少年、レナルアンはまだ、まくしたてる。
「そりゃ、グーデンは金払いはいいし、講義ロクに出なくても卒業出来るよう、手配はしてくれるよ?
けど結局、ヤル事は男娼だし。
扱い乱暴だし。配慮もなし。
食いもんはいいけどな。
でも俺、給料良いから近衛行きたいけど。
グーデンの配下専用だから、近衛入った後、誰かパトロン見つけないと…。
剣なんて、ぜんっぜん、身についてないし」

ギュンターは口挟む間もなく喋り続けるレナルアンを見つめ、また口を開きかける。
が、その間にレナルアンが話出す。
「あんたくらいいい男で、情事の上手そうなのがいいけどさ。
…あんた、平貴族で金持ちじゃないだろ?」

ギュンターは、やっとそこで頷く。
レナルアンはギュンターを見ながら呟く。
「…でも三年で編入って、絶対出世しそうだろ?
出世したら俺の面倒、見てくれる?」

ギュンターは一応、頷くものの、言った。
「出世出来れば、面倒見ても良いが…。
俺は世渡りがヘタだし、いつ出世するかも不明だぞ?
だが剣が使えないんなら…近衛でナニする気だ?」

レナルアンは綺麗な顔を下げる。
「そこなんだよな…。
誰か、紹介してくれない?
面倒見てくれそうなヤツ。
…まあ確かに、グーデンとこ抜けたら。
ここの卒業も危ないから、近衛なんて夢かな?
でも俺んとこ、兄弟多いし。
俺、平民だし。
姉ちゃんが必死に働いて家計支えてるけど。
…小さい弟が産まれたばっかだってのに、また母ちゃんの腹に子が居るしで。
…これ以上、姉ちゃんに苦労かけたくないしな…。
兄ちゃん達は畑、手伝ってるけどさ。
食ってくので、いっぱいいっぱいなんだ…」

ギュンターは、それを聞いて顔を下げる。
「…つまり近衛に進んで。
仕送り、する気か?」

レナルアンは顔上げる。
「今でも、蓄え出来たら送ってる。
グーデンとこなら食いっぱぐれ無いし、金使うアテも無いから、金貰うと溜めて送るんだ。
姉ちゃんも母ちゃんも、喜んでる」

「…良かったな…。
つまりグーデンとこを出ると…」
レナルアンは頷く。
「代わりに面倒見てくれるヤツ、探さないとなんだけど。
最初ローランデ狙いでアピールしたけど、スゲェ恥ずかしがってさ。
フィンスがさっき、エッチなコト抜きでいいから、世話してくれるって」
「良かっ…」
「でもえっちなコト抜きじゃ、俺、ナニして過ごすんだ?
って話だよな?」

「講義、出れば?」

突然の声に、ギュンターもレナルアンも振り向く。
ローランデの部屋の扉の前に、ヤッケルが腕組みして立っていた。

「えっちの相手が欲しければ、好きな男口説けばいいし。
それ以外は、ここの生徒同様、講義に出ればいいだろ?」

ヤッケルの言葉に、レナルアンは目を見開く。
「うーん。俺、すっごく遅れてるし。
剣とか、振るんだよな?」

ヤッケルは頷く。
「お前、タマに出て来ても、器用にこなしてるじゃないか。
読み書きは…苦手みたいだけど」

レナルアンは頷く。
「あれな。
タマに平日、配下の連中がグーデンに金貰い、揃って娼館に出かける時さ。
俺とかミーシャとかに“講義に出ろ!”とかって、命令するんだぜ?
“いっくらグーデン様でも、全然講義出なくて卒業はさせられない”
とかって、あいつらの都合次第。
こっちが出たいと思ってる時は“奉仕しろ”とかって。
全く、勝手だよな?」

ギュンターがヤッケルを見ると、ヤッケルは思いっきり、肩竦めた。

ギュンターはようやくヤッケルに
「下で薬が要るとかで。
取りに来たんだが」
と告げる事が出来、ヤッケルに首振られて、ようやくローランデの部屋の扉の前で、薬の乗ったトレイを受け取った。

レナルアンはまだ、ギュンターの腕に腕巻き付けたまま、嬉しそうにギュンターを見上げて話しかける。
「とりあえずは、フィンス頼ってもいいみたいだし。
俺、手当慣れてるから、手伝うぜ?」

言われたギュンターが、ヤッケルを見ると。
ヤッケルはため息交じりに、頷いた。

ギュンターはレナルアンを腕に巻き付けたまま、階段目指し歩き出す。
「あれだけ話聞いた後でナンだが。
まだ名前、聞いてない」
レナルアンは顔を上げ
「…言って、なかったっけ?」
と問う。

「レナルアン」
ローランデ私室の扉方向からヤッケルの声がし、ギュンターとレナルアンが揃って振り向いた時。
ヤッケルは既に、扉の向こうに姿を消していた。

ギュンターとレナルアンは揃って、階段の方へと歩き始め、ギュンターが問う。
「お前ぐらい綺麗な子でも、グーデンは気にいらないのか?」
レナルアンは頷く。
「グーデンってさ。
ド変態だから。
経験無いか、ほぼ無いヤツを辱めるのが好きで。
俺、育ち悪いしタフだから。
恥ずかしがるなんて馬鹿らしいと思ってて。
最初の一回で、お役御免で配下専用に回された」

「…そうか…」

「グーデン相手もキツいけどさ。
配下は配下で、人数多いから。
いっつも相手は多人数で。
一人だけとまったり。
なんて、滅多に無いんだぜ?」
「…それは、大変だな…」
「だろ?」

ディングレーは階段から、薬の乗ったトレイ持ったギュンターが、腕にレナルアン巻き付け、喋りながら降りて来るのを見た。

「…じゃ、いっつも忙しく、口と尻、同時に使ってるのか?」
ギュンターが問い、レナルアンは平然と頷く。
「それじゃおっつかないから、右手も左手も使うぜ?」
「それは器用だな」
「嫌でも器用じゃ無いと。
一旦出すと、回復遅いヤツは休憩だからいいけど。
直ぐ回復するヤツは連続してまた“相手しろ”って来るから。
全く、カンベンだぜ」
「回復早いヤツ、多いのか?」
「2・3人ぐらい?
あ、回復遅くても、あそこがやたらデカいのは、ケツに入れられると辛いぜ」
「…だろうな」

二年達も。
オーガスタスも。
顔色も変えずレナルアンと猥談続けるギュンターを見、呆れ。

ローフィスは手当の手を休めず、顔を俯け。
ディングレーに、こっそり
「あの組み合わせ。
もしかして、最悪か?」
と聞かれ、頷いた。
「…どっちも、猥談人前で平気なタイプだから、会話がエスカレートして手に負えなくなる前に、引き離せ」

ディングレーの返事が無く、ローフィスが顔上げてディングレーを見ると、殊勝にも顔を少し下げて考え込んでいて。
その後
「引き離すって、どうやって?」
と聞かれ、ローフィスは自分が行こうとし、けれど手当の途中でディングレーに手にした布を手渡そうとし、ディングレーが不器用だったと思い出すと、差し出しかけた手を戻し、呟いた。

「ちょっと、待ってろ」

けれどギュンターが
「四人が限界か?
五人になったコトは?」
とレナルアンに聞き、レナルアンは
「一度、あったな。
尻に二本刺されそうになって、断固拒否したけど」

と言い始め、慌ててディングレーがローフィスから布をひったくり、ローフィスがギュンターの方へと、すっ飛んで行った。
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