アグナータの命運

夢の中の調教

274 めでたし?!

 セルティスが砦に戻った時…。
アントランは「縄を解け！」
と暴れ回ってたし、キースはついにファーレーンの腹へ拳を叩き込み、気絶させて抱き上げ、運んでいた。

レオとレドナンドはアントランの怒鳴り声を聞くまい。
と背を向け
「…酒が必要だな」
と言うレドナンドの言葉にレオが頷き、二人揃って控え部屋へ上がって行った。

デュランが顔を出した時、キリアンに振り向かれ、鋭い目で見つめられ
「…えー………っと…」
と言って、セルティスの元に近寄り、小声で尋ねる。
「…催眠術って…」
「解けてる」
デュランは頷くと、背を向けるから、セルティスが聞く。
「どこへ行く？」
「…催眠術師が戻るまで、俺も休暇取ります」
と言ってそのまま先へ歩いて行くから、セルティスはその背に聞いた。
「…つまり、ここを降りて、逃げるのか？」

「………………………」
デュランは暫く沈黙した後、ダッシュして遠ざかって行った。

リチャードが目ざめ、セルティスに
「シーリーンは？」
と聞かれ、セルティスは直ぐリチャードに背を向け
「シーリーンは?!」
と怒鳴られても、ばっくれてそのまま階段を上がって行って、安全地帯(レオとレドナンドの元)に逃げ切った。


夢見てるレオは心から安堵して囁く。
「一件落着だ」

セルティスとアリオン、シーリーンが頷く中、キースだけが
「え？
これからが本番だよな？
盛り上がり所だろう?!」
と言って皆を見回すが、誰もキースに同意しなかった。