アグナータの命運

あーす。

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二つを兼ねる者 セグナ・アグナータ

86 アリオンとシーリーン 2

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 アリオンもシーリーンも…荒い息を吐いていたけど、シーリーンがくすり…と笑いながら囁く。

「駄目…?」
アリオンも低い声で言う。
「良すぎて…?」

ファオンは二度、頷く。

「…こんな…の………。
こんな…風にされたら………たまらなくなる………」

「もっと欲しくて…?」

シーリーンがそう言って、顎に手を触れ左に振り向かせると…いつもシーリーンと抱き合った後、必ずする…唇に軽いキスをしようと、顔を傾けてくる。

…きらりと光るブルー・グレーの瞳で見つめられて口付けられると、うっとりしてシーリーンの優しい唇の感触に、浸りきってしまう…。

けれど今回はアリオンもいて…。
アリオンは咄嗟、長い黒髪を滑らせ顔を下げると、ファオンの股の間に屈み込み…萎えたばかりのファオンの、男根を咥え込む。

「駄目っ…!…っあ…………っ!」

アリオンに咥えられると、ファオンはいつも恥ずかしくて…。
熱い口の中に入れられて舌で愛撫され始めると、蕾の奥がたまらなくなって、じれたようになる。

なぜって…アリオンとする時、口に入れられるより…彼に抱き付きしがみついて、蕾の奥を思い切り貫かれ抉られた方が…凄く嬉しいから…。

「…駄目…嫌…アリオン………挿入て……挿入て欲し……」

アリオンは顔を上げる。
深い青の瞳がきらりと光る。

ファオンは黒髪に囲まれ、整いきった男らしいアリオンの顔に見惚れる。

口に含まれたというのに、意地悪されたみたいに、倒れてくるアリオンの胸に両腕回して抱きつく。

「挿入てやるから…シーリーンに聞け…。
お前の手と口と…。
どちらでされたいかと…」

ファオンは顔を後ろに振り向ける。

「…口…?
手……?」

そう尋ねると、シーリーンは再び泣き濡れたファオンの顔を見つめ、倒れ込んで戦慄く真っ赤に染まった唇に、軽く接吻して囁く。

「…どちらでしたい…?」

ファオンはシーリーンの、プラチナの髪に囲まれた美麗な顔を見つめ返し、囁く。

「…僕…ヘタだけ…ど…シー…リーンが嫌…じゃなかっ…ら…口…で………」

シーリーンが微笑んで、微かに頭を揺らした。

けれどシーリーンは背後からどくと、アリオンが前から抱いて、腿を抱え上げて足を開かせ…いつも昔二人でしていたみたいに、抱きしめて来る…。

ファオンは離れて行くシーリーンが気になったけど…アリオンがいつも挿入する前する、口づけをしようと顔を傾けるから…ファオンは顔を反対側に傾けて、アリオンの唇を唇で受け取る。

舌が滑り込んで来て…その間に、アリオンの男根の先端が蕾になぜるように触れ…。
いつも恥ずかしくてアリオンの舌から逃げようとするけど…。

アリオンの舌は外せなくて、下からゆっくり奥深く迄刺し貫かれ、口の中をアリオンの舌で刺し貫かれ両方から…アリオンの熱が注ぎ込まれたように感じてたまらなくなる…。

「んっ…」

うわずった声で喘ぐと、シーリーンの声がした。

「たまらないほど、色っぽいな…」

ファオンの頬が、かっ!と紅く染まる。

アリオンに抱きすくめられて下から二度、鋭く突き上げられると、両腕アリオンの首に巻き付け、喉を晒してファオンは仰け反る。

けれどアリオンは動きを止めると、首に回るファオンの腕を優しく握って外す。

「………」

ファオンが潤んだ瞳でアリオンを見つめていると、腕を下に引き下げ、ファオンの上体を捻り、右腿を持ち上げて左腿と揃え、そして…。

ファオンの身体を俯せにし、繋がったまま…膝を立たせて後から突き刺す体勢にさせる。

「…っ!」

動かされて挿入(はい)ったままのアリオンの男根が奥に辺り、ファオンは感じて身を震わせた。

シーリーンが俯せた前に来る。

顎を上げさせられると、シーリーンの唇がやさしく唇に触れ…そして深く口付けられた時、爽やかな果実酒が口の中に流れ込んで来る…。

ファオンは喉を鳴らし、シーリーンの唇から流れ込む、その少し甘い酒を飲み込んだ。

顔を上げると、シーリーンが美麗な顔を傾け、囁く。

「…本当に…口できるのか?」

そんな風に…普段意地悪な事を口で言うシーリーンに、優しく微笑まれると、いっぺんに心が彼に囚われてしまう…。

「…でき…そん…なに…上手には…できない…けど…」

後ろからアリオンが挿入ったままで、ファオンは幾度も少し腰を横に動かすだけで、固いアリオンの男根を意識して、瞳が潤み出す。

「…アリオンが挿入ってままで…辛いか…?」

ファオンは瞳を潤ませ、シーリーンの傾けて見つめる顔に、頷く。

「どんな風に…?」

ファオンはもう、泣き出しそうになって訴えた。

「だっ…アリオン…動か…なくて…挿入ってまま…だと………。
じんじんする…」

「じれて…?」

ファオンは頷く。

その仕草があんまり可愛くて、シーリーンは再び戦慄くファオンの唇に、口付けた。

「今までこの口に挿入なかったのは…お前の唇、いつも美味そうで…口付ける為に在ると…思ってたから…」

ファオンはもう、挿入ったままのアリオンに蕾を貫かれたまま、辛そうに…シーリーンに抱きつく。

シーリーンとアリオンの瞳が一瞬、合う。

アリオンが俯き、シーリーンはファオンに抱きつかれて彼も俯き…。

アリオンが、言った。

「いいぜ…来いよ」

シーリーンは顔を揺らし、上げてそう言った、アリオンを見る。

「…ファルコンが挿入ってるから…大丈夫だろ?」

アリオンの言葉に、シーリーンは俯く。
「…壊したらレオに、気が狂ったように怒鳴られるな」

シーリーンの返答に、アリオンも頷く。

「やってみて…マズかったら俺が引く」

シーリーンは吐息を吐いた。

「中で逝きたい癖に…!」

抱きつくファオンの腕を首に巻き付けたまま、シーリーンは身を前に進める。

ファオンは四つん這いに近い格好だったけれど、シーリーンが密着して上半身が引き上げられ、シーリーンの腕に腿を持ち上げられて、どきっ!とした。

だってそれは…いつもシーリーンが挿入する時する動きだったから…。

“でももう…アリオンが挿入(はい)ってる…!”

シーリーンの男根の先端が、アリオンを咥え込んだ蕾に触れてなぜる。

「…駄目…シーリーン…嫌…っ!」

シーリーンが横から滑り込む。
アリオンが既に挿入ってる蕾の奥に。

アリオンが呻く。
「キツいな…」

シーリーンが軽く囁く。
「だがすっぽり、挿入っちまったぜ?」
「根元まで?」
「ああ」
「ファオンは?」

シーリーンは首を回して、抱きつくファオンの表情を確かめる。

「…辛いか…?」

「……っ………っ…駄目…アリオンとシーリーンのなんて…。
体が震えて………」

「キツいか…?って…聞いてる…」

ファオンの中に入ったシーリーンの表情は震えていて、ファオンは顔を上げる。

アリオンが背後からファオンの腰と胸を抱き止め、囁く。
「動くと壊れそうか…?」

ファオンは瞳に涙を浮かべ、首を横に振る。

シーリーンはとうとう、ファオンを見つめ、掠れた声で囁く。

「…どっちなんだ?」

「挿入(い)れられただけ…でこんなに…」

アリオンも背後から顔を寄せたし、シーリーンも覗き込む。

「…だって…二人の…挿入ってる…」

「…だから…?」

シーリーンの声は優しかったけど、ファオンは二人の熱くて固い男根が同時に挿入された感覚に、身が戦慄いて止まらなかった。

アリオンが背後で囁く。
「動いても…良さそうか…?」

ファオンには…アリオンがもう、限界だって解った。

けど…さっき乳首の時だって、左右をそれぞれのやり方で愛撫された時だって…おかしくなりかけた…。

二人がそれぞれのやり方で突き上げられたら…壊れる前に、感じすぎてどうにかなりそうな気がした。

ファオンが震えながら頬に涙を滴らせる。

「…痛いのか…?」

シーリーンに問われて、ファオンは首を横に振る。

「…感じすぎて…おかしくなりそう…?」

そう問われた時、ファオンはやっと…顔を上げて首を縦に振った。

シーリーンはファオンのそんな可愛い顔に感じいったように、顔を傾け囁く。
「なら俺の首に、しがみついてろ」

ファオンはぎゅっ!ときつく、シーリーンの首にしがみついた。

後ろから抱きすくめる、アリオンの腕が熱の棒のように熱く感じられた。

最初から挿入ってた、アリオンが動く。

引き抜くぎりぎりで止まり、ゆっくりと再び挿入って来る…。

「んっ…!」

シーリーンが次に引き抜き始め…再び突き上げられる。

「ああんっ…!」

「ヤバい…」

シーリーンが掠れた声で囁く。

「…だろう…?」

アリオンも背後で呟く。
だが言った。
「動くぞ」

少し遅れて、シーリーンが言葉を返す。
「…ああ」

アリオンの男根が引きかけて…再び下から突く。
「っぅん!」

シーリーンがゆっくりと…引きながら再び、刺し貫く。

「ああ………っ!」

ファオンの腕が、シーリーンの首にきつく巻き付く。

二人に中に挿入ったまま、交互に突かれると、感じすぎてどうにかなりそうで…ファオンは二人の熱くて固い男根にぎちぎちに咥え込まされ、泣いた。

触れられてないのに…自身の男根の先端に、幾度もピリピリと凄まじい刺激が駆け抜ける。

ファルコンに挿入された時…あまりの圧迫感と激しい突き上げに、気づくと勃起していていつの間にか射精していたけれど…二人は交互に突き上げるから…じれてたまらなくなるけど、動かれると…意識が一瞬、飛んだ。

…他の…男だったら…ただ辛いだけだろうけど、どうしても…アリオンのものとシーリーンのものが挿入してる意識が消えない。

意志を持って…二人同時に中を犯されてるみたいに感じて、ファオンは必死でシーリーンにしがみついた。

けれど…アリオンは動く度、シーリーンの男根と自身の男根が擦れ合い…とてもキツくて、あまりにも良すぎて、直ぐに快感に身が震えて解き放ちそうになる。

シーリーンも同様。
アリオンの男根に触れ、きつく包み込まれ、更に引き抜き突き刺すと、先端に一気に快感が襲い来る。

「…保たない…」

シーリーンが先に、言った。

アリオンも背後で頷く。

ファオンはもう、ポロポロと頬から涙を滴らせ、一人の男ですら、身も心も持って行かれそうな二人に同時に、刺し貫かれて、意識が保てなくて必死にシーリーンにしがみつく。

アリオンが引き抜き…再び下から抉る。

「ああっ…」

ファオンの泣き濡れた喘ぎに感じたように、シーリーンもが、引き抜き突き刺す。

「あ…っ…!」

ファオンにきつくしがみつかれ、アリオンが引くと同時に自分も引き抜くぎりぎりで…気づくとアリオンと同時に、シーリーンは突き上げていた。

「あああああっ!」

はぁ…はぁ…はぁ………。

シーリーンもアリオンも暫く、顔を上げなかった。

ファオンはシーリーンにしがみついたまま。
俯き、声も上げない。

シーリーンは慌ててファオンの頬を挟み込んで上げさせる。

「…ファオン…?」

「…どう…にか、なっちゃ…………」

そう言って、シーリーンに抱きついて、首筋に顔を埋める。

「……………正直俺も、意識が一瞬飛んだ」
「お前も?」

アリオンに聞かれ、シーリーンは頷く。

二人は同時にファオンから引き抜く。

シーリーンはまだしがみつくファオンの髪に口づけると、ようやくファオンが顔を、上げる。

ぐったりと俯くファオンに、アリオンが囁きかける。

「…傷付いて、無いようだが…痛かったのか?」

ファオンはまだ、頬にぽろぽろと涙を零しながら、掠れた声で囁く。

「だっ…二人とも…挿入された事なんて、無いでしょう…?!
ただ固い棒を入れられるのと、訳が違うんだから!
アリオンの挿入られた、だけで身が震うし、シーリーンの………。
挿入られただけで…身が戦慄くのに!
同時になんて…挿入られたら…本当に、おかしくなっちゃう…………」

シーリーンがアリオンを見、アリオンはシーリーンを見る。

「…言ってる意味、解るか?」

シーリーンは『知るか』と言う顔で、ファオンを覗き込む。

「痛く…は、無かったんだな?」

「…痛くて辛いか?
って聞かれたら…ファルコンの方が辛かった」

「…じゃ…良かったのか?」

アリオンに聞かれ、ファオンは首を横に振った。
なのに言葉は

「良すぎて失神しかけた!」

アリオンとシーリーンは思わず互いの顔を見合わせる。



その後、二人は湯へと向かった。

アリオンが放心したようなファオンを抱き上げて。

ファオンは石の上に座らされ、足を開かされてシーリーンとアリオンの指が交互に…中の液を掻き出すのをぼんやり、感じた。

「しっかり塗っとけ…拡張したままだとヤバい」

アリオンが言うと、シーリーンはぼやく。
「ヤバいと思うなら…なんで“来い”なんて言うかな」

アリオンがぶすっ。と呟く。
「お前、ファオンに挿入たそうだったから」

シーリーンが、薬を塗り込みながら尋ねる。

「正直、お前はどうだったんだ?」
「お前は?」

オウム返しに問われ、シーリーンはぶすっ。と顔を下げる。
「お前の(男根)にずっと当たってるのはどうかと思ったが…締め付けられすぎて良すぎて直ぐ、逝きそうになった」

アリオンが、頷いて言った。
「全く、同感だ」

足を開いたままのファオンがまた、ぽろぽろっと涙を滴らせて言う。
「二人で同時に突かれたら…僕、男根に触られてもいないのに…直ぐ逝った!」

白っぽい金髪に顔を埋め、真っ赤な唇をして、湖水のような青い瞳に涙を溢れさせ、あまりにも可愛らしく綺麗なファオンに泣きながら言われ…。

アリオンとシーリーンが顔を、見合わせる。

アリオンが屈み込んで尋ねる。
「…良すぎて?」

ファオンが頷く。

「でもファルコンのは、激しすぎて勃つのも逝くのも気づかないほどだったけど!
二人のが挿入ってる感覚は…じれ過ぎて疼きまくって、おかしくなりそうだった!
なのにその上突かれたら………。
感じ…過ぎ…て………」

シーリーンが、微かに頭を揺らし、問う。

「もっとガンガン突かれたかった?」

ファオンは首を横に振る。

けれどアリオンもシーリーンも、さっきもファオンは首を横に振ったのに“良かった”と言ったので、“嫌”じゃなくて“して”なのかと思った。

けどファオンは怒鳴った。

「そんな事されたら、直ぐ気絶しちゃう!」

「……………………………………………………………」

シーリーンとアリオンは同時に俯き、その後互いを見ようと顔を上げたが、結局見ないで二人同時に、顔を下げた。
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