403 / 418
決戦
洞窟での戦い
しおりを挟む
アイリスは、ディアヴォロスの背に続く。
ディアヴォロスは先が真っ暗な洞穴へ、迷い無く進み行く。
間もなく、とてつもなく禍々しい“気”の満ちた、行き止まり…。
長身のディアス(ディアヴォロスの愛称)は、振り向かなかった。
が、アイリスは自分が胸に下げて居るペンダント(護符)に、光竜ワーキュラスの黄金の…素晴らしく濃厚で眩い、光が流れ込んで来るのを感じた。
声を発しようとした途端。
ざわっ!
誰も居ないはずの岩壁に、鳥肌立つようなざわめきが起こり…そして周囲から、黒い靄や赤や青の閃光が、そこら中を駆け抜け始める。
“何体いる?”
ディアスの声が脳裏に響く。
アイリスはそれは、自分に向けられたのでは無く、ワーキュラスに向けた質問だと気づく。
荘厳な、ワーキュラスの声が響く。
“主である『闇の第二』が痛手を受け、『影の国』で休んでるため、ここを見張ってる小物の配下が出て来てる様子だが…。
…厄介な者が一人、いる…”
やがて黒い靄と赤や青の閃光が、洞窟内を駆け抜けた後。
靄が集まり始め、大きな顔を浮かび上がらせる。
“おのれ、光竜憑きか…。
やっと我が兄より、この穴を奪おうとした矢先…”
“『闇の第三』?
闇の帝王の、三番目の王子か?”
ディアスの質問に、大きな黒い靄の顔は、つん、とした表情を向けて告げる。
“我はお前らと、いさかう気は無い。
この穴を我に明け渡し、ここから去るのならな”
アイリスは斜め前に立つ、主ディアヴォロスが。
艶然と微笑むのを見た。
黒く長い縮れ毛を背に垂らし、男らしくも整いきって美しい、高貴な彼の落ち着き払った魅力溢れる様子に。
こんな場合なのに、見惚れる。
ディアスは、緑にも青にも、グレーにも見える、浮かぶような神秘的な瞳を向け、大きな黒い顔の『闇の第三』に告げた。
「それは出来ない。
わざわざアースルーリンドを出て。
この“隙間”を埋める為に来たので」
闇の第三王子は、ため息交じりに囁く。
“『闇の第二』を、痛めつけたのはお前か?”
ディアスは即答する。
「神聖騎士だ。
今直ぐ召喚してもいい」
闇の第三王子は、再びため息交じりに俯く。
“…では仕方無い。
苦労してせっかく…押さえ付けたが、放すしか無いな…”
呟くようにそう言った後。
目をかっ!!!と、青く光らせ叫ぶ。
“喰らえ!
我が父と兄の勢力奪い、『影の国』の底で、他の『影』に喰われまいと怯えながらひっそりと隠れ住むしかなくした、父と兄の仇敵!!!
『影の国』ですら最も恐れられた、上の兄…『闇の第二』、最強の眷属を!!!”
ヒゥエェェェェエエエエェェェェェェ………。
突如、しわがれ声の呻きが洞窟内に不気味に響き渡る。
黒い靄の、顔が消えた直後。
その場に解き放たれたように現れたのは、黒いトゲだらけの肌の、あまりにも大きく、おぞましい獣…。
長いトゲだらけの尾と、幾本もの額から突き出た角。
鋭い牙の、大きく裂けた口。
赤く光る三つの眼は、自分の1/5程しかない身長の、ディアヴォロスとアイリスを見下ろす。
太く頑丈で、鋭い鉤爪の付いた手足。
ディアスとアイリスの、かなり後ろに居て。
光の結界で護られてたディンダーデンは、目を見開いた。
「…単なるコケ脅しで…幻だよな?」
が、横のディングレーは、厳しい表情で呟く。
「実体だ」
「…あれと戦うのか?
…本気か?」
ローランデが横で、小声で囁く。
「怯んでは駄目だ。
奴らは“気”で察する。
気持ちが弱れば、そこを突かれる」
ディンダーデンはこんな時でも気品を損なわない貴公子、ローランデに呆れた視線を投げかけた。
「…マトモな人間なら、怯むのが当然だろう?」
ディンダーデンのその開き直りに、両横で大きく目を見開き、真ん中のディンダーデンを見つめる、ローランデ、ディングレーだけでなく。
前に立つ、シェイルですら振り向いた。
シェイルだけは表情変えず、言い放つ。
「あんた自分のこと、マトモだと思ってた?
…本気で?
それとも、冗談?」
ローランデも呟く。
「絶対違うと思ってた」
ディングレーも目を見開いたまま、呻く。
「俺あんたの事。
一度もマトモだなんて、チラとも頭を掠めたことが無い」
三人に見つめられ、ディンダーデンは腕組んで言葉を返す。
「あんまり、褒めるな。
言ったように俺は、大概の人間は怖く無い」
「あれは、ダメなんだな?」
横のディングレーに、ディアス目前の、デカく大きくおぞましい獣を指さされ、とうとうディンダーデンは怒鳴った。
「あんな化け物、怖く無い方がどうかしてる!!!
いいか!
あのデカいディアヴォロスが!
三歳児くらいに、小さく見えるんだぞ?!
建物の、二階くらいのデカさなんだぞ?!
全身、剣だらけなのと代わらないくらい、鋭いトゲだらけなんだぞ?!
お前らの方こそ、その辺のとこ、分かって言ってんのか?!」
「…本気で怖いんですか?
ちょっと怯んでる…程度じゃ無くて」
ローランデに真顔で尋ねられ。
ディンダーデンはむすっ!としつつも、腕組みしたまま、しっか!と頷いた。
“怖がってても、態度デカい…”
三人が三人共、ため息交じりに脳裏に囁く。
が、皆が自分と同じ感想だと知り、思わず振り向き、三人は互いを見つめ合った。
アイリスにもその声は、脳裏に響いて聞こえた。
が。
即座に神聖呪文を叫ぶ。
「アルダ・テレサスアクテスディノス!!!」
獣の爪が、ディアヴォロスの頭上に振り下ろされようとした瞬間。
かっ!!!
周囲の禍々しさを一気に吹き飛ばす、眩いばかりの真っ白な光の閃光が駆け抜ける。
閃光が薄れ始めた時。
光の中に、宙にはためく白い隊服。
神々しく美しい、神聖騎士が二人。
姿を現した。
赤色を帯びた髪のドロレス。
そして金髪のクールビューティ・ムアール。
“おやおや!
ダッケズじゃないか!”
ドロレスが叫び、ムアールは眉間寄せ、囁く。
“相変わらず、見た目だけはおぞましいな…”
獣は光で目が眩み、顔を背けていたけど。
自分より随分小さい筈の、宙に浮かぶ二人の神聖騎士を見、怒鳴りつけた。
“我が名はダッケンダグズ!!!
勝手に縮めるな!!!”
ディンダーデンはその名を古文書で見、当時その名を誰もが恐怖の象徴のように、畏怖を込めて囁いてたと言う話を、思い出した。
「…神聖騎士にかかれば。
古代の、誰からも恐れられた魔物も。
あんな扱いか?」
ローランデもディングレーも、ディンダーデンに振り向くものの…。
言葉が出ず、無言。
シェイルだけが、振り向いて告げる。
「昔馴染みの魔物で…おちゃらけ部分とか…欠点とか。
知ってるとか?
かも?」
ディンダーデンは可憐で妖精のような銀髪の美少年、シェイルに。
思い切り眉間寄せると、再び化け物を指さし、怒鳴った。
「お前あのゾッとする化け物が!!!
おちゃらけちゃったりするとか、本気で思ってんの?!」
シェイルは振り向いたまま。
表情変えず、言って退けた。
「『影』って確かに対処法知らないと、ひたすら怖いだけだけど。
神聖呪文使えると、以外と頓馬だったりするって、解って来たし」
そして、ディンダーデンを
“根性無し”
と見下す視線を向けた後。
銀の巻き毛振って、前を向く。
ディンダーデンはそれを見て、歯がみして悔しがった。
「…野郎…!
アースルーリンドに戻ったら!
俺だって神聖呪文、絶対使えるようになってやる!!!」
ディアヴォロスは先が真っ暗な洞穴へ、迷い無く進み行く。
間もなく、とてつもなく禍々しい“気”の満ちた、行き止まり…。
長身のディアス(ディアヴォロスの愛称)は、振り向かなかった。
が、アイリスは自分が胸に下げて居るペンダント(護符)に、光竜ワーキュラスの黄金の…素晴らしく濃厚で眩い、光が流れ込んで来るのを感じた。
声を発しようとした途端。
ざわっ!
誰も居ないはずの岩壁に、鳥肌立つようなざわめきが起こり…そして周囲から、黒い靄や赤や青の閃光が、そこら中を駆け抜け始める。
“何体いる?”
ディアスの声が脳裏に響く。
アイリスはそれは、自分に向けられたのでは無く、ワーキュラスに向けた質問だと気づく。
荘厳な、ワーキュラスの声が響く。
“主である『闇の第二』が痛手を受け、『影の国』で休んでるため、ここを見張ってる小物の配下が出て来てる様子だが…。
…厄介な者が一人、いる…”
やがて黒い靄と赤や青の閃光が、洞窟内を駆け抜けた後。
靄が集まり始め、大きな顔を浮かび上がらせる。
“おのれ、光竜憑きか…。
やっと我が兄より、この穴を奪おうとした矢先…”
“『闇の第三』?
闇の帝王の、三番目の王子か?”
ディアスの質問に、大きな黒い靄の顔は、つん、とした表情を向けて告げる。
“我はお前らと、いさかう気は無い。
この穴を我に明け渡し、ここから去るのならな”
アイリスは斜め前に立つ、主ディアヴォロスが。
艶然と微笑むのを見た。
黒く長い縮れ毛を背に垂らし、男らしくも整いきって美しい、高貴な彼の落ち着き払った魅力溢れる様子に。
こんな場合なのに、見惚れる。
ディアスは、緑にも青にも、グレーにも見える、浮かぶような神秘的な瞳を向け、大きな黒い顔の『闇の第三』に告げた。
「それは出来ない。
わざわざアースルーリンドを出て。
この“隙間”を埋める為に来たので」
闇の第三王子は、ため息交じりに囁く。
“『闇の第二』を、痛めつけたのはお前か?”
ディアスは即答する。
「神聖騎士だ。
今直ぐ召喚してもいい」
闇の第三王子は、再びため息交じりに俯く。
“…では仕方無い。
苦労してせっかく…押さえ付けたが、放すしか無いな…”
呟くようにそう言った後。
目をかっ!!!と、青く光らせ叫ぶ。
“喰らえ!
我が父と兄の勢力奪い、『影の国』の底で、他の『影』に喰われまいと怯えながらひっそりと隠れ住むしかなくした、父と兄の仇敵!!!
『影の国』ですら最も恐れられた、上の兄…『闇の第二』、最強の眷属を!!!”
ヒゥエェェェェエエエエェェェェェェ………。
突如、しわがれ声の呻きが洞窟内に不気味に響き渡る。
黒い靄の、顔が消えた直後。
その場に解き放たれたように現れたのは、黒いトゲだらけの肌の、あまりにも大きく、おぞましい獣…。
長いトゲだらけの尾と、幾本もの額から突き出た角。
鋭い牙の、大きく裂けた口。
赤く光る三つの眼は、自分の1/5程しかない身長の、ディアヴォロスとアイリスを見下ろす。
太く頑丈で、鋭い鉤爪の付いた手足。
ディアスとアイリスの、かなり後ろに居て。
光の結界で護られてたディンダーデンは、目を見開いた。
「…単なるコケ脅しで…幻だよな?」
が、横のディングレーは、厳しい表情で呟く。
「実体だ」
「…あれと戦うのか?
…本気か?」
ローランデが横で、小声で囁く。
「怯んでは駄目だ。
奴らは“気”で察する。
気持ちが弱れば、そこを突かれる」
ディンダーデンはこんな時でも気品を損なわない貴公子、ローランデに呆れた視線を投げかけた。
「…マトモな人間なら、怯むのが当然だろう?」
ディンダーデンのその開き直りに、両横で大きく目を見開き、真ん中のディンダーデンを見つめる、ローランデ、ディングレーだけでなく。
前に立つ、シェイルですら振り向いた。
シェイルだけは表情変えず、言い放つ。
「あんた自分のこと、マトモだと思ってた?
…本気で?
それとも、冗談?」
ローランデも呟く。
「絶対違うと思ってた」
ディングレーも目を見開いたまま、呻く。
「俺あんたの事。
一度もマトモだなんて、チラとも頭を掠めたことが無い」
三人に見つめられ、ディンダーデンは腕組んで言葉を返す。
「あんまり、褒めるな。
言ったように俺は、大概の人間は怖く無い」
「あれは、ダメなんだな?」
横のディングレーに、ディアス目前の、デカく大きくおぞましい獣を指さされ、とうとうディンダーデンは怒鳴った。
「あんな化け物、怖く無い方がどうかしてる!!!
いいか!
あのデカいディアヴォロスが!
三歳児くらいに、小さく見えるんだぞ?!
建物の、二階くらいのデカさなんだぞ?!
全身、剣だらけなのと代わらないくらい、鋭いトゲだらけなんだぞ?!
お前らの方こそ、その辺のとこ、分かって言ってんのか?!」
「…本気で怖いんですか?
ちょっと怯んでる…程度じゃ無くて」
ローランデに真顔で尋ねられ。
ディンダーデンはむすっ!としつつも、腕組みしたまま、しっか!と頷いた。
“怖がってても、態度デカい…”
三人が三人共、ため息交じりに脳裏に囁く。
が、皆が自分と同じ感想だと知り、思わず振り向き、三人は互いを見つめ合った。
アイリスにもその声は、脳裏に響いて聞こえた。
が。
即座に神聖呪文を叫ぶ。
「アルダ・テレサスアクテスディノス!!!」
獣の爪が、ディアヴォロスの頭上に振り下ろされようとした瞬間。
かっ!!!
周囲の禍々しさを一気に吹き飛ばす、眩いばかりの真っ白な光の閃光が駆け抜ける。
閃光が薄れ始めた時。
光の中に、宙にはためく白い隊服。
神々しく美しい、神聖騎士が二人。
姿を現した。
赤色を帯びた髪のドロレス。
そして金髪のクールビューティ・ムアール。
“おやおや!
ダッケズじゃないか!”
ドロレスが叫び、ムアールは眉間寄せ、囁く。
“相変わらず、見た目だけはおぞましいな…”
獣は光で目が眩み、顔を背けていたけど。
自分より随分小さい筈の、宙に浮かぶ二人の神聖騎士を見、怒鳴りつけた。
“我が名はダッケンダグズ!!!
勝手に縮めるな!!!”
ディンダーデンはその名を古文書で見、当時その名を誰もが恐怖の象徴のように、畏怖を込めて囁いてたと言う話を、思い出した。
「…神聖騎士にかかれば。
古代の、誰からも恐れられた魔物も。
あんな扱いか?」
ローランデもディングレーも、ディンダーデンに振り向くものの…。
言葉が出ず、無言。
シェイルだけが、振り向いて告げる。
「昔馴染みの魔物で…おちゃらけ部分とか…欠点とか。
知ってるとか?
かも?」
ディンダーデンは可憐で妖精のような銀髪の美少年、シェイルに。
思い切り眉間寄せると、再び化け物を指さし、怒鳴った。
「お前あのゾッとする化け物が!!!
おちゃらけちゃったりするとか、本気で思ってんの?!」
シェイルは振り向いたまま。
表情変えず、言って退けた。
「『影』って確かに対処法知らないと、ひたすら怖いだけだけど。
神聖呪文使えると、以外と頓馬だったりするって、解って来たし」
そして、ディンダーデンを
“根性無し”
と見下す視線を向けた後。
銀の巻き毛振って、前を向く。
ディンダーデンはそれを見て、歯がみして悔しがった。
「…野郎…!
アースルーリンドに戻ったら!
俺だって神聖呪文、絶対使えるようになってやる!!!」
0
お気に入りに追加
286
あなたにおすすめの小説
社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ~【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
俺は社畜だ。
ふと気が付くと見知らぬ場所に立っていた。
諸々の情報を整理するに、ここはどうやら異世界のようである。
『ジョブ設定』や『ミッション』という概念があるあたり、俺がかつてやり込んだ『ソード&マジック・クロニクル』というVRMMOに酷似したシステムを持つ異世界のようだ。
俺に初期スキルとして与えられた『ジョブ設定』は、相当に便利そうだ。
このスキルを使えば可愛い女の子たちを強化することができる。
俺だけの最強ハーレムパーティを築くことも夢ではない。
え?
ああ、『ミッション』の件?
何か『30年後の世界滅亡を回避せよ』とか書いてあるな。
まだまだ先のことだし、実感が湧かない。
ハーレム作戦のついでに、ほどほどに取り組んでいくよ。
……むっ!?
あれは……。
馬車がゴブリンの群れに追われている。
さっそく助けてやることにしよう。
美少女が乗っている気配も感じるしな!
俺を止めようとしてもムダだぜ?
最強ハーレムを築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!
※主人公陣営に死者や離反者は出ません。
※主人公の精神的挫折はありません。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる